水滸伝には一〇八星と呼ばれる星の生まれ変わりたちが出てきます。ちょっとすると覚えるのに大変かと思いますが、今回はその中から、李逵と呼ばれる人物をご紹介しましょう。
李逵ははっきりと申し上げて好き嫌いがかなり別れる人物。好きという人もいれば、憤まんやるかたなし、という人もいるでしょう。しかし筆者は最期の最期で李逵に泣かされました……そのエピソードも紹介しますね。
この記事の目次
李逵について
李逵は梁山泊での席は第二十二位。星は天殺星。役職は歩兵軍筆頭、この役職からも分かるように武勇に優れた人物です。肌が真っ黒で、戦う時には上着を脱ぐためこの黒い肌が露になり、また武器の二振りの緒のを振り回して大暴れするその様から、周囲からは「黒旋風」と呼ばれました。
頭領である宋江を純粋に慕う、どこまでもどこまでも慕う人物です。
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騒動の発端
二人の出会いは戴宗の紹介でした。元々噂で宋江のことを聞いており、おもてなししようと博打で金を稼ごうとした李逵ですが、逆にボロ負け。それどころか喧嘩になって相手を怪我させてしまい、その金を宋江が払う有様でした。
その後もやっぱり暴れて迷惑をかけてしまうという状態になりますが、この頃から既に李逵は宋江を深く、そして純粋に慕うようになっていたのです。
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やっちゃったぜ
しかしその後、今度は宋江がやらかします。酒に酔っ払った宋江は謀反の詩を書いて、料理屋の壁に貼ってしまいました。このため宋江は役人(わるいひと)に訴えられ、死刑判決を受けてしまいます。
その上、戴宗も同罪として二人は公開処刑されることになりました。
やはりお酒は怖いですね呉王様!
さあてここでお怒りMaxなのが李逵です。
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怒り心頭な李逵
「宋江兄貴を処刑なんざ許さねぇぜ!!」と、怒り心頭の李逵は処刑場に殴り込みをかけました。もちろんその両手には斧を持って。殴り込みをかけた李逵は黒旋風の名前そのままに暴れまわりました。もちろん敵だの味方だのは些細な事。
もはや無差別に殺害を行い、梁山泊らも救援もあり、宋江らは救出され、李逵はそのまま梁山泊入りすることになります。この李逵の敵味方お構いなしの殺害、良く覚えておいて下さい。
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その後……
さてこの後も、李逵は大暴れします。しかし李逵の大暴れは、毎回……という訳ではありませんが、被害が大きくなるのが特徴です。特に悲惨だったのが朱仝が仲間入りした際のこと。朱仝がお世話になっていた長官の、幼い子供が李逵によって殺害され、朱仝は戻れなくなってそのまま梁山泊入りする……という何とも後味の悪い結末になっています。
純粋であり、無邪気であり、それ故に人殺しを躊躇なく行う。李逵は天殺星の役割を良く引き継いでいた人物でした。このため、登場人物の中では結構好き嫌いが別れる人物であると思います。
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