大人気アニメ、パリピ孔明では五丈原で死去した孔明が異世界転生してハロウィンの最中の現代日本の渋谷に出現して「自分は地獄に落ちたのだ」と勘違いする話があります。しかし、三国志の時代に地獄の概念なんてあったのでしょうか?
地獄のイメージは中国古来の民族宗教
血の池地獄や針の山があり、生前のおこないを閻魔大王に裁かれるという地獄のイメージは中国古来の民族宗教である道教に外来の仏教が混じって生まれました。中国における仏教は孔明の死後である五胡十六国時代に急速に普及しますので、孔明には、現在の私たちが知る地獄イメージはピンとこないでしょう。
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孔明が生きた時代の泰山信仰
孔明が生きていた時代には泰山信仰があり、人間の霊魂は死んだら泰山に向かい泰山府君という泰山の管理者の支配下に入るとされていました。また泰山には人の死を司り、人の寿命を書いたいわゆる閻魔帳もあったようです。
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泰山信仰の由来は道教
この泰山信仰は道教に由来するものであり、4世紀に成立した志怪小説「捜神記」には泰山の支配者の泰山府君と府君に仕え赤い服を着ている役人(こちらも死者)が死者を管理している様子が描かれています。
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三国志ライターkawausoの独り言
ただ、この頃は別に死者が泰山府君に裁きを受ける事はありませんでしたし、泰山の役人も赤い服を着ているだけで鬼でも怪物でもありません。そんなわけなので、孔明が転生してハロウィンを見ても、ここが地獄かと思う事はなく、「なんだここは?」程度で終わっただろうと思われます。
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