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【パリピ孔明】諸葛孔明は本当に地獄を信じたのか?【史実考察】

2022年9月1日


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パリピ孔明

 

大人気アニメ、パリピ孔明では五丈原で死去した孔明が異世界転生してハロウィンの最中の現代日本の渋谷に出現して「自分は地獄に落ちたのだ」と勘違いする話があります。しかし、三国志の時代に地獄の概念なんてあったのでしょうか?

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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地獄のイメージは中国古来の民族宗教

西遊記 閻魔大王

 

血の池地獄や針の山があり、生前のおこないを閻魔大王に裁かれるという地獄のイメージは中国古来の民族宗教である道教に外来の仏教が混じって生まれました。中国における仏教は孔明の死後である五胡十六国時代に急速に普及しますので、孔明には、現在の私たちが知る地獄イメージはピンとこないでしょう。

 

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孔明が生きた時代の泰山信仰

村人(農民)

 

孔明が生きていた時代には泰山信仰があり、人間の霊魂は死んだら泰山に向かい泰山府君という泰山の管理者の支配下に入るとされていました。また泰山には人の死を司り、人の寿命を書いたいわゆる閻魔帳もあったようです。

 

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泰山信仰の由来は道教

封神伝(書類)

 

この泰山信仰は道教に由来するものであり、4世紀に成立した志怪小説「捜神記」には泰山の支配者の泰山府君と府君に仕え赤い服を着ている役人(こちらも死者)が死者を管理している様子が描かれています。

 

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三国志ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

ただ、この頃は別に死者が泰山府君に裁きを受ける事はありませんでしたし、泰山の役人も赤い服を着ているだけで鬼でも怪物でもありません。そんなわけなので、孔明が転生してハロウィンを見ても、ここが地獄かと思う事はなく、「なんだここは?」程度で終わっただろうと思われます。

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

-諸葛亮
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