三国志に負けない程の人気を誇る中国の歴史に楚漢の戦いがあります。
この戦いの主人公は、二人、百姓出身の劉邦と名門貴族出身の項羽です。
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無敗・無敵の将軍、その名は項羽
項羽は、23歳で兵を挙げてより、70回以上の戦争を経験し、
最期の1敗を除いては無敗という最強の将軍です。
項羽は勇敢で部下思いでもあり、軍を率いれば、
自分の10倍、20倍の敵を撃破し、無敵の強さを誇りました。
項羽よりも年上なのに戦争下手のダメダメな劉邦くん
一方の劉邦は、項羽より10歳以上は年上、戦争下手で知られ
項羽と戦っては勝てずに大敗し、毎回、毎回、
命からがら逃げのびて部下に救われています。
さて、この両者、どちらが天下を統一したと思いますか?
一目瞭然!最強の将軍である項羽でしょうか?
答えは残念「ブーッ!」実は劉邦なのです。
実は項羽は、己の力を頼むあまり、部下を正当に評価せず、
褒美を出し惜しみするという非常にケチな部分がありました。
「俺は誰よりも優れている!」と自惚れているので、
部下の心を推し量る能力もなく優秀な部下は項羽の下を
離れて、劉邦の軍門に下っていったのです。
部下なしには何もできない男の劉邦くん
一方の劉邦は、自分を「部下なしには何もできない男」と判断しています。
だからこそ、自分の為に働いてくれる人材には出し惜しみをしないで、
褒美を与え、高い地位に就けました。
あなたが、部下だったとして、どっちの上司に付きたいですか?
優秀だけど、部下の頑張りを認めない項羽でしょうか?
それとも抜けてるけど、頑張った分だけ、ボーナスを出し
遣り甲斐のある仕事を与えてくれる劉邦でしょうか?
私ならば、きっと劉邦の下に走るでしょうね。
自分を認めて欲しい、評価して欲しいという人間の願望を
劉邦は最大限に組み上げる名人だったのですから。
悲劇の英雄、項羽
項羽は中国史上最大の悲劇の英雄として記憶されていますが、
それは、悲劇的な最期を悲しんでというよりは、
あり余る才能を持ちながら、それを活かす事が出来なかった
悲劇を嘆いてという意味合いが強いのです。
項羽に少しでも謙虚さがあったなら、
きっと劉邦では太刀打ちできなかったでしょうね。
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