曹操「なんでも上手に使えばいい!屯田制と兵戸制じゃ!」

2015年1月5日


 

曹操02

 

献帝に対して、「力のないものは廃せばよい」と言い放った守旧派の袁紹に対して、

曹操は「なんでも上手に使えばいい」と言いました。

 

袁紹と曹操の間には圧倒的な兵力差がありました。

曹操は、その状況を打破するため、新たに「屯田制」を考え出しました。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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この記事の目次

屯田制

 

曹操は流民に農地を与えて土地を耕作させる制度を作りました。

 

戦によって荒廃した土地や、無住の土地などを国有化し、それを流民たちに

分配したのです。

農業に必要な農具や牛なども貸し与えました。

 

しかし、地代は、他の豪族の荘園と同じくらいまたは、より高いものでした。

屯田の耕作民は、収穫の5~6割を国に納めたそうです。

 

それならばなぜ、流民たちは好んで屯田にやってきたのでしょうか。

それは、地代が現物納入のみで、金銭を必要としなかったからです。

このあたりも、曹操の柔軟なアイデアのセンスが光っています。

 

また、屯田制には、流民だけでなく兵士たちも組み込まれていました。

兵士たちによる屯田は「軍屯」と言われました。

彼らは、蜀や呉との国境の土地を耕作し、戦にも備えたのです。

 

兵戸制

兵戸制

 

曹操は、屯田制の他にも新しい制度をつくりました。

兵士の身分を保障する「兵戸制」です。

 

これは、黄巾軍の残党である青州兵を自軍に取り込んだ際に作られたものです。

30万人にも及ぶ青州兵の数は、当時の曹操の全兵力よりも多かったので、

彼らに対する配慮が必要だったのです。

 

兵戸制とは、農民たちとは別の戸籍を持ち、父が死ねば子供、兄が死ねば弟と

いうふうに、兵役の義務が引き継がれる制度です。

 

兵士が逃亡した場合は、家族にもたいへん厳しい罰が与えられるため、

永久に兵役を拒否することはできません。

 

しかしながら、一定地域に居住することができ、生活の保障が与えられました。

そのため、流民生活に比べると、当時の状況下では、たいへん価値のあるもの

だったわけです。

 

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この記事を書いた人:東方明珠

キリン(東方明珠氏)はじめての三国志

こんにちは。とうほう めいしゅです。

中国は上海の雰囲気が好きなので、テレビ塔の「トンファンミンジュ」を名乗っています。

もともと『水滸伝』の大ファンで、『三国志』に興味を持ったのは、アーケードゲーム「三国志大戦」がきっかけです。

当時はゲームセンターに通いつめました!

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