17話:結構頭脳派?少数の手勢を何倍にも見せた菫卓

2015年1月11日


 

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宦官VS外威 三国志

 

漢王朝内部の内ゲバとも言うべき、外戚の何進と宦官の十常侍の争いにより洛陽に入る大義名分を得た菫卓(とうたく)でしたが、彼にも弱みがありました。それは、このような政変までは予期出来ず、率いてきた手勢は三千に過ぎなかった事でした。

 

洛陽城

 

菫卓が辺境で保有していた兵力は20万人にも及ぶ大軍勢でしたが、これをそのまま、引き連れて行ったのでは、叛乱を疑われて洛陽に入る事さえ出来ないでしょう。また、幾ら、異民族、羌族のトップとの話し合いがついているとは言え、その防衛兵を全て連れて行っては万が一の異民族の大規模侵略にも対応できなくなる可能性もありました。

 

前回の記事:16話:菫卓を変貌させた権力と武官差別

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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3千の兵力がギリギリだった

兵士 朝まで三国志

 

そこで疑われないギリギリの三千の兵力に落ち着いたわけですが、もとより、たった三千の兵では、その辺りの山賊にさえ対抗できません。

 

ましてや、その事が他の諸候に知られた場合には、「菫卓なにするものぞ」として別の諸候が続々洛陽に入る恐れもありました。そんな事になったら、漢王朝を思いのままに操ろうとする菫卓の目論見は全て崩れてしまう事になります。

 

袁術君08 コンフォートゾーン」から抜け出す05 董卓

 

そこで菫卓は計略を思い付きます、それが兵力を何倍にも見せる方法です。

 

董卓のマジック

董卓マジック

 

まず、三千の兵から二千を夜陰に乗じて洛陽城外に裏門から出します。そして、翌朝、何食わぬ顔で正門から二千の兵を入城させます。何も知らない洛陽の人々は、毎日、毎日菫卓の援軍がやってくるので、「菫卓は驚く程軍事力を保有している」と彼を恐れるようになりました。混乱で治安が乱れている洛陽では、言葉よりも圧倒的な軍事力がモノを言いました。

 

大軍に見せる事でライバルの牽制に成功

董卓 はじめての三国志 ゆるい

 

菫卓は、その辺りの呼吸を心得ていて、僅かな手勢を大軍に見せる事でライバルを牽制するのに成功していたのです。もちろん、計略がばれる前に、菫卓は、帝を保護している威光を使い宦官に暗殺された何進の兵力を吸収し、袁紹の兵力を取り上げています。

 

董卓、呂布を買収

呂布 三国志

 

また、菫卓の横暴を非難した丁原に対しては、配下の呂布を買収して暗殺させ、呂布と共に、その兵力をごっそりと頂いています。実際の菫卓の兵力が本当は三千だったと周囲が気がついた頃には、菫卓はもう大兵力を保有していたのです。

 

次回記事:18話:菫卓を守った最強のボディーガード呂布

 

 

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