空城の計って何?門を開けて敵軍をお出迎え?


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空城も計 孔明

 

三国志演義』、諸葛孔明による第一次北伐の際のエピソードに

登場するのが有名な『空城の計』です。

 

山頂に陣を敷いた馬謖

 

馬謖の敗退によって窮地に陥る蜀軍。

 

チビってしまう司馬懿と孔明

 

司馬仲達率いる魏の軍勢15万が迫った時、

城を守る孔明にはわずか2000名の兵士が付き従うのみでした。

 

このピンチを乗り切るために孔明が用いた策略こそが『空城の計』です。

一体どんな作戦だったのでしょうか?


そもそも籠城戦のメリットとは?

城の前を掃除する孔明

 

城や砦に立てこもって守りに徹する戦い方を籠城戦と呼びます。

城や砦は高い城壁に囲まれ、守りやすく攻めにくい場所です。

 

また、多くの場合、城や砦は高い場所に建設されていますが、

これは高い位置から見渡すことで敵軍の規模や行動を把握しやすくする狙いの他、敵軍に勾配を登って攻略する必要を強いる効果があります。

 

韓信vs孔明

 

更に、高い位置から弓を用いて攻撃することが可能で、より効率的に敵兵を狙い撃つこともできます。

 

城を力攻めにすることは、攻め手にとって重い負担となり、落とせたとしても多数の犠牲を強いられることになります。

かの兵法書『孫子』にも、城攻めは下策とあり、むやみに籠城する敵を攻撃してはいけないと戒めています。


じゃあ、籠城すれば必ず勝てるの?

洛陽城

 

もちろん、籠城すれば必ず勝てるというわけではありません。

守り手にとって籠城戦が有効となるのは、いくつかの条件が揃った場合だけです。

 

棗祇(そうし)食料・兵糧担当

 

・城内の物資の備蓄が十分であること。

・城外からの援軍が期待できること。

・敵軍が城攻めできる期間が限られていること

 

兵糧庫の中を一杯にした任峻

 

籠城戦に持ち込んだ場合、守備側にとってまず不安の材料となるのは物資、特に食糧の備蓄です。

城の中に立てこもって戦うわけですから、当然城内にある食料の備蓄はどんどん目減りすることになります。

外部から補給をうけられる状況であれば別ですが、普通はこの食料の備蓄が、籠城する側にとっての生命線になるわけです。

 

つまり、籠城戦はその性質上、継続可能な期間が限定される戦術でもあるわけです。

攻め手にとっては城を包囲した上でただ待っているだけで、城内では食糧がなくなっていき、敵兵が勝手に餓死してくれるわけですから。

 

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城攻めに有効な水攻めとは?

樊城の戦い

 

地勢的な条件が整っている場合、攻め手が包囲した城を水攻めにすることもあります。

城の近くに河川がある場合は、堤防を作って河をせき止め、城全体を水没させて守り手側の弱体化を早めることが狙いです。

 

呂布を水攻めする曹操

 

実際に水攻めを用いた事例としては、曹操が下邳城に立てこもる呂布軍を攻略する際に行ったものが有名ですね。

また、羽柴秀吉による備中高松城の戦いも良く知られているところです。


それでも、守る側にとって籠城戦は極めて有効な戦術

蒟蒻問答 孔明と張飛

 

上記の通り、籠城戦にはいくつものデメリットがあることも事実です。

しかし、少数の兵で多数の軍勢に対抗するために籠城戦が有効であるという事は間違いない事実です。

 

孔明と司馬懿

 

ただし、これも戦力の差があまりに極端な場合は話が違ってきます。

第一次北伐の際の孔明と仲達の戦力差では、本来籠城戦も有効な手段とは言えない状況だったのです。

そこで、孔明が思いついた窮余の一策が『空城の計』でした。

 

『空城の計』とは?

諸葛孔明

 

『兵法三十六計』の第三十二計に書かれているのが『空城計』(空城の計)です。

敵軍に比して自軍が圧倒的に劣勢である場合、籠城戦を試みても勝つことは困難となります。

そこで、敵軍に自軍の兵力を錯覚させるために用いるのが『空城の計』です。

 

城の前を掃除する孔明

 

読んで字のごとく、『空城の計』とは城の門を開け放ち、一見、守備を放棄したように見せかける戦術です。

敵軍の指揮官が有能で慎重であれば、敵が城内に自軍を誘いこみ、伏兵で攻撃しようと構えていると疑い攻めこんでこなくなる、という寸法です。

 

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なぜ司馬仲達は『空城の計』に引っかかったのか?

司馬イ仲達

 

孔明は兵士たちに城の中を掃き清め、門を開け放ち、姿を隠して音を立てないように命じます。

そして自分は城門の上で香を焚き、琴を奏でました。

 

孔明 vs 司馬懿

 

孔明の様子を知った司馬仲達は、これが孔明の奇策であると疑います。

仲達と共に従軍してた息子の司馬昭は、これが孔明の『空城の計』であることを看破して城内に攻め入ることを進言しますが、

仲達は孔明程の知恵者が危ない橋を渡るとは考えにくいとし、城の中に伏兵がいることを案じて撤退してしまいました。

 

挑発する諸葛亮孔明

 

実は、この時の孔明の『空城の計』は、相手が司馬仲達のような有能な指揮官であったからこそ、

その心理的な落とし穴につけ込むことの出来た作戦であったと言えるでしょう。

 

仲達が孔明の思惑を深読みしたばかりに、その奇計を恐れさせたのです。

もし相手が物を考えない無能な指揮官であれば、何も考えずに城内に突撃、そのまま城は攻め落とされていたに違いありません。

 

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