三国志の二次小説が江戸時代に書かれていた

2015年5月10日


 

にぎわう市(楽市・楽座)

 

江戸時代、戦乱のない平和な時間は人々の知識欲を高め、

出版活動が盛んになりました。

これまで大陸から伝わった金属活字による印刷から

一枚彫りの木製版による印刷に変わり、挿絵の技術も発展したことも

出版業界に大きな影響を与えました。

 

学術書や教養書が数多く出版されるかたわら、

浮世絵や娯楽的な好色本などもたくさん出版されました。

物語性を重視した長編小説も登場し、

絵が中心の草双紙に対して、文章が中心の洒落本(しゃれぼん)という

ジャンルが誕生しました。

 

洒落本は、主に遊里を舞台としていて

男女の遊びを会話体で描いたものですが、

中にはこんな三国志のパロディまであったのです!

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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通人三国志

空城も計 孔明

作者:夢中楽介(むちゅうらくすけ)

成立:1781年刊

内容:

孔明のすすめで、劉備は関羽・張飛の義兄弟と共に日本へやってきます。

生活のために店でも開こうと、

吉原近くで三人は料亭を開きます。

 

孔明も中国で大きな借金を作り、借金取りをまいて来日し、

劉備のもとへ転がり込んできます。

 

ある日、司馬仲達が借金を取り立てにやってきます。

孔明は劉備に計略を授け、司馬仲達を無事に追い払いました。

 

(要するに借金を踏み倒したんですね……)

 

 

賛極史(さんごくし)

三人(魏 呉 蜀)

作者:千代丘(ちよおか)草庵主人

成立:1789年刊

内容:

劉備は孔明にあとのことを託して隠居し、名前を徳玄と改めます。

隠居先には孔明ゆかりの地である臥竜岡を選びます。

 

ある日、のんびりと暮らしている劉備のもとへ客人が訪れます。

なんと、曹操と孫権でした。

三人して昔を懐かしみ、物見遊山の旅行に出かけます。

道中、かつての戦いの日々を思い出したり懐かしんだりして会話が弾みます。

 

(名前を改めたくせに、文字をひっくり返しただけなんですね……)

 

 

通俗子

通俗子 張飛 女性

作者:昌平庵渡橋(しょうへいあんときょう)

成立:1800年刊

内容:

主人公宴徳(劉備玄徳らしいです)は、花扇という名の芸者に恋をしていました。

しかしそこへ不侫(関羽らしいです)が「待った」をかけます。

不侫も花扇に恋をしており、彼女を巡って二人は果し合いになります。

 

そこへ、「ちょっとお待ちよお二人さん!」と間に入ったのは

芸者の町妃(張飛らしいです!!)でした。

町妃はうまいこと立ち回って二人を仲直りさせた上に、

三人は意気投合して義兄弟の契りを結びます。

 

(なんと張飛が女性になってしまいました……!)

 

 

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この記事を書いた人:東方明珠(とうほうめいしゅ)

東方明珠 三国志

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東方明珠(とうほうめいしゅ)

 

■自己紹介:

はじめての三国志

通称「はじさん」のはじっこライター東方明珠です。

普段は恋愛系のノベルやシナリオを書いています。

中国の歴史が大好きで、

ハンドルネームにも上海のテレビ塔の名称を拝借しています。

行き当たりばったりで中国の遺跡を巡る旅をしていましたが、

次は無錫市にある三国志のテーマパーク「三国城」に行きたいです。

 

■好きなこと(趣味):

本屋さんをはしごすること

 

■好きな三国志の人物:

孫策と周瑜

 

■幸せを感じる瞬間

自分の書いた文章に素敵なイラストを描いてもらったとき

 

■出没場所

動物園

 

この記事のデザインを担当した人:よりぶりん

よりぶりん 三国志

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よりぶりん

■自己紹介:
イラスト担当のよりぶりんです、ご存じの方もそうでない方も名前だけでも覚えて帰って下さいね。

三国志初心者の新米イラストレーターでございます。

なにとぞ温かい目で見てやってください。宜しくお願い致します

■口癖:
「すいません」 とにかく謝ったら勝ちと思っている腰ぬけです

■集めている物:
漫画本「ワンピース・龍狼伝・浦安鉄筋家族」etc

■幸せを感じる瞬間:
麻雀の牌を触っている時!お風呂に入った時!

■尊敬する人:
麻雀を日本に伝えた人(誰かわからないですが・・・)

■どうしてもこれだけは譲れないもの:
コーヒーが飲めない環境!コーヒーが無いと凶暴になります。

■何か一言:

イラストのリクエスト御座いましたらお気軽どうぞ!
メッセージサイトに頂ければ全力で落書きさせて頂きます(笑)
よりぶりんでした。

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東方明珠

中国は上海の雰囲気が好きなので、テレビ塔の「トンファンミンジュ」を名乗っています。もともと『水滸伝』の大ファンで、『三国志』に興味を持ったのは、アーケードゲーム「三国志大戦」がきっかけです。当時はゲームセンターに通いつめました!まだまだ中国史について勉強中ですが、精いっぱい面白いことを探してお伝えしたいと思っています。

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