よかミカンの三国志入門




はじめての三国志

menu

デザイン担当:よりぶりん

三国志平話って何?三国志演義の元ネタ

この記事の所要時間: 327

三国志演技と三国志正史005

 

 

吉川英治の小説「三国志」や横山光輝のマンガ版が、明(みん)の時代(14世紀後半の頃)に羅貫中(らかんちゅう)という人物が書いた

歴史小説「三国志演義(さんごくしえんぎ)」を下敷きにしていることは良く知られています。

 

実はこの「三国志演義」もまた、それ以前に既に存在していた三国志を題材とした読み物をベースにしています。

そのベースとなったのが「三国志平話(さんごくしへいわ)」です。

 

「三国志平話」とは、どんな内容だったのでしょうか?

 

 

 

元の時代にまとめられた「三国志平話」

三国志平話

 

「三国志平話」は正しくは「新刊全相平話三國志(しんかんぜんそうへいわさんごくし)」と言います。

 

元(げん 13世紀後半~14世紀前半)の時代に刊行された「全相平話五種(ぜんそうへいわごしゅ)」に収められたもので、

上・中・下の三巻なる、全ページ挿絵入りの絵物語です。

 

宋の時代にはすでに中国各地に三国時代の英雄たちにまつわる説話や伝承が数多く存在していました。

 

これをひとつの物語としてまとめたものが「三国志平話」です。

 

しかし、もともとバラバラだった伝承や説話をつなぎあわせた為に、「三国志平話」は史実とは大きく異なり、矛盾も多い話になっていました。

 

また、超常的な現象を描くなど、より荒唐無稽な内容であることも大きな特徴です。

 

「三国志演義」はこの「三国志平話」の『善玉の主人公・劉備(りゅうび)』と『悪玉・曹操(そうそう)』の対立という基軸は維持しながら、

史書「三国志」に書かれた史実の流れを重視し、矛盾なくより洗練され完成された小説として後世の評価を得ました。

 

 

劉備曹操孫権は歴史上の人物の転生した姿だった!!

三国志まとめ 董卓

 

「三国志平話」の物語は三国時代(さんごくじだい)からさかのぼること約150年ほど前、

後漢王朝(ごかんおうちょう)の初代皇帝、光武帝(こうぶてい)の時代からスタートします。

 

光武帝の時代、天帝(てんてい・神様のような存在)の命令によって冥土で裁判が行われることになりました。

 

その裁判は、さらにさかのぼる事350年前、前漢王朝(ぜんかんおうちょう)発足の頃の事件を扱うというもの。

その裁判で被告人とされたのはなんと、前漢王朝の初代皇帝、漢の高祖・劉邦(りゅうほう)とその妃である呂后(りょこう)でした。

 

裁判の原告となったのは、劉邦の下で働き建国を助けた功臣(こうしん)でありながら、

後に劉邦の謀略によって殺された韓信(かんしん)・彭越(ほうえつ)・英布(えいふ)の三人です。

 

裁判官に選ばれたのは、司馬仲相(しばちゅうそう)という人物でした。

 

司馬仲相は、原告の同時代人であった蒯通(かいつう)の証言を得て劉邦と呂后の謀略を暴き、有罪の判決を下します。

 

判決を知った天帝は、三人の原告と二人の被告を未来である三国時代に転生させることにしました。

 

韓信曹操、彭越は劉備、そして英布は孫権(そんけん)として転生、一方の被告である劉邦は後漢王朝最後の皇帝、

献帝(けんてい)に、呂后は献帝の妃である伏皇后に転生しました。

 

さらに、裁判で重要な証言を行った蒯通は諸葛亮(しょかつりょう 諸葛孔明)として、

そして裁判官を務めた司馬仲相は司馬懿(しばい 司馬仲達)として転生。

 

前漢時代を創った英雄たちが再びこの世に生を受けることで「三国志平話」の物語は始まります。

 

 

関羽の息子、関索は「三国志平話」に登場しない?

関帝廟 関羽

 

「三国志演義」に比べて荒唐無稽、史実との矛盾点も多い「三国志平話」ですが、

意外なことに「三国志演義」に登場する架空の武将、関羽(かんう)の息子である関索(かんさく)は登場しません。

 

 

関羽には関平(かんぺい)や関興(かんこう)という息子がいて、いずれも蜀の武将として活躍したことが史実として伝わっていますが、

関索の名前は歴史書には一切登場しません。三国志演義には、実在した関平と関興も登場しています。

(ただし、関平は史実では関羽の実子であるところを、演義では養子として登場します)

 

 

関索は「三国志演義」の後半に登場、関羽が戦に破れて敗死した際に自分も大ケガを負ったことが語られますが、

他には大して活躍することもなく、いつの間にか姿を消してしまいます。

 

大して重要な役ではなく、なぜそんなキャラが登場するに至ったのか、長年謎とされていました。

 

 

1967年、上海近くに在住していた農民が農地の整備作業中に明の時代の墳墓を発見、その副葬品の中には11冊の本が含まれていました。

後年行われた研究の結果、この11冊の本の中の1作が「花関索伝(かかんさくでん)」という、関索に関する伝承をまとめた本であったことが判明し、「三国志演義」に登場する関索はこの「花関索伝」が元ネタであったことが分かりました。

 

関連記事:初めてでも大丈夫!楽しい正史 三国志の読み方

関連記事:何から読めばいいの?三国志入門向けの小説と漫画を紹介!

関連記事:【衝撃の事実】三国志演義はゴーストライターによって書かれた小説だった!?羅貫中じゃないの?

 

 

耳で聞いて覚える三国志

 

 

 

こちらの記事もよく読まれています

劉備勝ちまくり!仮想三国志

 

 

よく読まれてる記事:架空戦記の走り? 『反三国志演義』を知っていますか?

 

封神演技 三国志

 

よく読まれてる記事:殷末の武将たちの戦いをもとに書かれた『封神演義』

 

正史 三国志 張飛

 

よく読まれてる記事:リアルな正史三国志の特徴って?ってか正史三国志は需要あるの?

 

 

 

 

この記事を書いた人:石川克世

石川克世 三国志

 

自己紹介:

三国志にハマったのは、高校時代に吉川英治の小説を読んだことがきっかけでした。
最初のうちは蜀(特に関羽雲長)のファンでしたが、次第に曹操孟徳に入れ込むように。
三国志ばかりではなく、春秋戦国時代に興味を持って海音寺潮五郎の小説『孫子』を読んだり、
兵法書(『孫子』や『六韜』)や諸子百家(老荘の思想)などにも無節操に手を出しました。

 

関連記事

  1. 策で生き続けた賈詡は最終的にどこまで出世したの?
  2. 根拠のない夢を信じないリアリスト曹操
  3. 黄老思想(こうろうしそう)とは何?アベノミクスの原点は前漢時代に…
  4. 【陳祇】蜀滅亡の原因は黄皓だけのせいではなかった?
  5. 【あの人の子孫は今】趙雲の子孫っているの?趙氏(ちょうし)につい…
  6. 現代医学からみた劉備玄徳の死因…驚愕の真実が発覚!!
  7. 王基(おうき)ってどんな人?軍事・政治で非凡な能力を見せた魏の武…
  8. 司馬昭の死因と大きな決断とは一体何!?

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 大久保利通の名言・格言の意味、座右の銘を紹介
  2. 【悲惨】周瑜は劉備の噛ませ犬でジャンプ台扱いだった?
  3. 郝昭(かくしょう)ってどんな人?陳倉城で孔明を撃退した「孔明キラー」
  4. 【特別企画】関羽の最強の噛ませ犬は誰か?最強決定戦!!
  5. 霊帝は近衛軍創設の為に売官で資金を造った?実は優秀な皇帝の真実
  6. 【ネオ三国志】第7話:皇帝に就任した袁術と荀彧の秘策【蒼天航路】

三國志雑学

“はじめての三国志150万PV" はじめての三国志コミュニティ総合トピック
“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

蜀が好きな皆さんへ!五分で分かる桃園の三兄弟の逸話を紹介 【シミルボン】かつて三国志は今とは似てもにつかない荒唐無稽な話だった 徐晃が地味な原因は裏方仕事が多いせいだった! 曹操は諸葛亮を自身に仕官するよう勧誘していた! 劉備は何で蜀を建国しようと思ったの?三国志演義で人気を占める蜀の秘密に迫る 【織田信長が明智光秀に殺害される】謎に包まれた本能寺の変:黒幕は誰だ? 賈詡はどうして李傕・郭汜に長安を襲わせたの? 曹家の文才「三曹七子」って何?

おすすめ記事

  1. 華麗なる中華世界を彩る三国志の武器
  2. 曹操の求賢令が年々過激になっていて爆笑
  3. 蜀の武将・張達(ちょうたつ)と范彊(はんきょう)に同情の余地はあるの?
  4. 「見てる媒体」から「見たい媒体」へ脱皮宣言!はじ三公孫瓚特集
  5. 赤壁の戦いにモデルがあった?八陽湖の戦い
  6. 【羌瘣や摎の先輩】處女(しょじょ)とはどんな人?実在した越の軍事教官【キングダム外伝】
  7. 総制作費40億円!!三国志史上、最も美しいエンターテインメント時代劇『三国志 ~趙雲伝~』を11月2日からレンタルをスタート
  8. 大喬・小喬は袁術の側室だった可能性が高い!その驚くべき理由とは!?

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“水滸伝"
PAGE TOP