的盧は名馬なの?凶馬なの?劉備と龐統(ホウ統)の死

2015年7月17日


龐統と的盧

 

214年、鳳雛(ほうすう)と称された龐統(ほうとう)

張任(ちょうじん)の伏兵作戦により亡くなります。

 

このとき張任は、本当は劉備を狙っていました。

劉備の乗る馬が的盧(てきろ)という白馬だと知っていたので、

それを目印に矢を射かけさせたのです。

 

しかし、的盧に乗馬していたのは、龐統でした。

進軍中に龐統の馬(胭脂馬)が暴れたため、

劉備から的盧を借りていたのです。

 

この的盧という馬、実は「凶馬」として知られていました。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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劉備の愛馬、的盧(てきろ)ってどんな馬?

 

 

「かわいい的盧や、こっちにおいで♪」

↑このセリフは間違いです。

 

的盧というのは馬の名前ではなく、馬相、つまり馬の見た目について

あらわした言葉です。

 

額から口まで白い模様がある馬のことです。

……単なる白馬ではないのですね。

 

的盧は、「盧をあてる」という言葉です。

 

盧は、ばくちの最高の勝ち手のこと。

 

最高を極めてしまうと、さらに上を目指すことはできません。

つまり、これ以上よいことは起こらない=凶という意味になります。

 

 



的盧の評判

 

 

的盧は、趙雲(ちょううん)から劉備に献上された馬でした。

 

劉備が荊州にいたとき、

謀叛を起こした張武から手に入れました。

 

荊州の主、劉表がそれを「いいなー」と羨望の眼で見つめます。

劉備は、劉表に的盧を献上しました。

 

しかし、「この馬は凶馬ですぞ! 乗るのはおやめください!」

と声を上げるものがいたため、

劉表は劉備に的盧を返すことにしました。

 

またあるものは、劉備にこんなことを言いました。

「厄落としのために、気に喰わないやつを乗せたらどうです?」

劉備は即座に答えます。

「そんな卑怯なまねはしない!」

 

……数年後、図らずして劉備は龐統に的盧を貸し、

龐統は劉備の代わりに亡くなってしまいます。

 

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劉備の命を救う的盧

 

 

とはいっても、的盧を凶馬だと決めつけるのは短絡です。

的盧は、厄落とし以前に、劉備の命を救ったこともあったのです。

 

劉備はある日、曹操の命を受けた蔡瑁(さいぼう)に

命を狙われます。

 

そのとき、劉備を乗せた的盧は、檀渓の水中にはまってしまいますが、

「的盧、ガンバ!」

という劉備の励ましに、跳びあがり、

無事に劉備の危機を救いました。

 

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普段は恋愛系のノベルやシナリオを書いています。

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中国は上海の雰囲気が好きなので、テレビ塔の「トンファンミンジュ」を名乗っています。もともと『水滸伝』の大ファンで、『三国志』に興味を持ったのは、アーケードゲーム「三国志大戦」がきっかけです。当時はゲームセンターに通いつめました!まだまだ中国史について勉強中ですが、精いっぱい面白いことを探してお伝えしたいと思っています。

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