呉の初代丞相・孫卲(そんしょう)は「正史三国志」に記されていないのは何で?

2016年2月16日


 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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孫権(そんけん)に仕える

 

 

孫卲は中原に群雄が割拠し、中原が戦乱に包まれると、揚州に逃げます。揚州へ赴くと揚州の刺史である劉繇の元で一時的に身を寄せます。しかし孫策(そんさく)の跡を継いだ孫権が江東一帯を統治するようになると、彼は孫権に仕えます。彼に仕えると江東の支配に関する問題や統治方法、徴税方法など政治に関するあらゆる事を献策。孫権は彼の献策で呉の国家は豊かになった事から、その実績を認め盧江太守に任命します。

 



初代呉の丞相に任命される

孫権と三国アヒル

 

孫卲は盧江太守として、自らの政治手腕を発揮していきます。彼は盧江に赴くと、戦乱で疲れた民衆を安心させるため、色々な政策を実施。かなりの効果を挙げます。孫権は彼の政治における能力の高さを認め、車騎将軍に任命します。劉備軍を夷陵の戦いで破り、大勝利を収めた後、孫卲を丞相に任命。彼はこうして呉の初代丞相が誕生します。孫卲は丞相になると今まで以上に呉の政治をしっかりと行い、農作物や商業などを精励し、生産力向上に努めます。

 

他の臣下から嫉妬される

影の薄い孫権

 

孫卲は実績を上げると他の臣が彼の足を引っ張り始めます。張温(ちょうおん)などの文官は孫卲が活躍していることが気にくわず、彼の悪口を孫権に言います。孫卲は自分の悪口を言われていることを知って、丞相の位を辞めようとします。孫権は彼の政治能力の非凡さを認めており、孫卲に「俺は君の悪口を聞いても気にしてない。だから再び丞相になって呉を支えてくれ」とお願いします。孫卲は孫権のお願いを聞き入れ、再度丞相として国のトップに立ちます。しかし再度丞相になってから2年後彼は老齢の為この世を去ります。

 

三国志ライター黒田廉の独り言

黒田廉

 

呉の初代丞相なのに他の臣下の讒言が原因で、正史三国志に名を連ねる事が出来なった孫卲を紹介しました。呉の歴史書を作った韋昭が前漢の「史記」の作者である司馬遷(しばせん)のように公平な目で歴史を記す事が出来れば、彼の名はもう少し有名になっており、もしかした某アクションゲームに登場して、爆発的な人気ぶりを見せていたかもしれませんね。

 

 

 

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黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

三國志が大好きです。オススメのマンガは曹操を描いた蒼天航路がオススメです。三國志の小説のオススメは宮城谷昌光氏が書いた三國志です。好きな食べ物はマグロ、ぶり、アジが大好きな猫です。

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