荀粲(じゅんさん)とはどんな人?秀才ぞろいの荀彧の七男で、一人の女性を全身全霊で愛した愛妻家

2016年3月30日


 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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はじめての三国志クイズ

三国志クイズ

 

さていきなり始まりましたはじさんクイズ。今回は荀粲について出題します。彼は真面目な父荀彧と異なる価値観をもっておりました。さて異なる価値観とは一体何でしょう。以下の三つから選んでください

 

 

1勝負運を磨くため、博打を好んで行った。

 

2女性はきれいじゃないと付き合わない

 

3旅好き

 

 

正解は2番です。荀粲は「女性には才知より綺麗でなければいかん」と考えていた人でした。父荀彧や兄達は真面目で堅物のイメージがありましたが、荀粲だけは価値観が違っていました。

 

容姿端麗な曹洪の娘を妻にする

 

荀粲は将来綺麗な女性を妻にしたいと思っていました。理想を追い求めていたある日、一つの噂が耳に入ります。曹操の股肱の臣である曹洪(そうこう)の娘が物凄く綺麗な女性であると聞きます。彼はその噂を信じ、曹洪の家に行き娘を見ます。曹洪の娘は非常に美しく、荀粲は一目惚れ。その後日を改めて曹洪の家に行き、「娘さんを私の奥さんにください」とお願いします。すると曹洪は承諾し、荀粲は綺麗で美人な奥さんと結婚します。

 

奥さんを溺愛

 

荀粲は妻と結婚すると、彼女に誠心誠意尽くします。奥さんの為に綺麗な着物やカーテンを買ってきては彼女にプレゼントします。荀粲は奥さんが風邪を引くと、彼女の熱を下げるため、水を浴びて自らの体温を下げ、彼女に寄り添って寝ていたそうです。三国時代の男性は子孫を残す為、側室を娶り何人もの子供を産ませるのが普通でした。しかし荀粲は奥さんだけを愛し、側室を作らず、奥さん一人を愛しぬきます。

 

溺愛していた奥さんが亡くなる

 

荀粲はこうして幸せな毎日を過ごしておりましたが、奥さんは嫁いできてから数年後、亡くなってしまいます。彼は奥さんが亡くなると大いに悲しみ、数か月経っても悲しみは癒されませんでした。親友である傅暇は荀粲の奥さんが亡くなった事を知り、弔問に訪れます。傅暇は荀粲がげっそりと痩せていることに驚きます。

 

傅暇の疑問

 

荀粲は傅暇に常々「女性は才知があればいいが、まずは綺麗でなければだめだ」と言っておりました。この言葉を聞いていた傅暇は荀粲がなぜそこまで落ち込んでいるのか分からず、質問します。

 

「君は女性には才能よりも、綺麗さのみを重んじていたはずではないか。それならばすぐに綺麗な女性と巡り合えると思うが、なぜそんなに落ち込んでいるのだ」と聞きます。

 

すると荀粲は「俺の妻は傾国の美女とは言わないけれども、それに匹敵する綺麗さを持った女性であり、彼女を愛していたからこんなに悲しんでいるのだ。」と答えます。荀粲は最愛の妻が亡くなって一年後に亡くなります。

 

三国志ライター黒田廉の独り言

黒田廉

 

荀粲は非常に優れた才能を持っており、特に弁舌の能力に秀でておりました。また彼は三国時代でも珍しい愛妻家で、正室である曹洪の娘を娶ると、側室を娶らず、彼女一人を愛します。しかし中書令であった裴楷(はいかい)は「彼は人の正しい道に則っていない。後世の人々は彼を真似てはならない」と注意喚起の言葉を残しています。三国時代と今とでは考え方の相違がありますが、私は一人の女性を愛し貫いた荀粲が人の道に外れていたとは考えていません。一人の人に誠心誠意心を込めて尽くした彼の好意は立派であったと思っています。

 

 

 

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黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

三國志が大好きです。オススメのマンガは曹操を描いた蒼天航路がオススメです。三國志の小説のオススメは宮城谷昌光氏が書いた三國志です。好きな食べ物はマグロ、ぶり、アジが大好きな猫です。

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