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スーパーマンも驚き!三国志時代の仙人はびゅんびゅん空を飛んでいた!【古代中国の仙人事情】

2016年4月21日


 

于吉

 

三国志に限らず、中国の歴史に度々、登場してくる仙人、人を助けたり、

権力者をからかったり、殺されると相手が死ぬまで復讐するなど、

純粋で子どものような性格の人物が多い感じです。

そんな仙人、皆さんは、どういうビジュアルイメージをお持ちですか?

実は、三国志の時代の仙人は、私達のイメージする仙人とは、姿が違うのです。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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白ひげ、白髪、空に漂う仙人イメージ

張良㈫ 成長編05

さて、皆さんは仙人にどういうイメージを持っているでしょうか?

最近は、封神演義などで、若いイケメン道士、仙人が登場しているので、

少し違うかも知れませんが、昔話のイメージでは、年寄りで、

白ヒゲ、白髪、白い衣服を着て、杖をつき、空を飛ぶ

そういうイメージではないでしょうか?

 

事実、仙人とは、古くは遷人(せんにん)と書いていたようです。

遷とは、ただようという意味があり、古くは、山の麓にたなびく、

白い雲を仙人が漂っていると見立てたのが元だと言われます。

 

三国志の時代の宴会の様子では、仙人に翼が生えていた!

仙人を演じる少年

 

しかし、そのイメージは、三国志の時代まで遡ると、

当てはまらなくなります。

 

当時の墳墓などに描かれたお目出度い宴会の場面では、

宴の出し物に仙人が登場する演目があるのですが、

仙人を演ずる少年には肘と腿に翼が描かれていて、

また大きな耳がついていました。

 

そう、当時の仙人は、目に見えない不思議な力で飛ぶのではなく、

自分の肘と腿に生えた翼を使い飛んでいくイメージなのです。

 

死者に祈りを捧げる後漢時代の壁画にも、翼の生えた仙人が

 

 

旅大市(りょだいし)営城子(えいじょうし)の1~2世紀の壁画には、

死んだ肉親に祈りを捧げている生者と、同じ場面に埋葬された死者と従者、

そして、死者を迎えに来た天界の老人が描かれていますが、

ここでも、ウネウネとした雲に乗る、肘と腿に翼の生えた人物が、

仙人として登場しているのです。

 

西遊記 孫悟空

 

ここでは、雲、仙人の乗物という定義付けがされてきたようです。

孫悟空のように自在に空を飛ぶわけではありませんが、

ウネウネとした雲に乗って地上に降りて来るという絵を描く事が、

仙人のアイコンになっていったのかも知れません。

 

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仙人とは別、神が乗る乗物は猛獣

太公望 釣り

封神演義には、太公望(たいこうぼう)が乗る、四不象(しふぞう)や、

申公豹が乗る白額虎(かくがくこ)という猛獣が描かれていますが、

それも、紀元前2世紀の玉器のデザインとして出てきます。

ここでは、神が跨った豹がうずくまるというデザインになっています。

 

豹以外にも、神の乗物には、麒麟(きりん)や鳳凰(ほうおう)という動物が存在します。

これらは神の乗物として、使役されていたようです。

仙人とは違い、神は全く人間の姿なので自力で空を飛ぶ事は出来ず、

これらの猛獣の力で、天に駆け上がるとイメージされたのでしょう。

 

目に見えないミラクルパワーというのは、イメージとしてあったかも

知れませんが、当時の絵画表現では、目に見えないパワーを

表現するのが難しいという事情もあったかも知れません。

 

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三国志ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

三国志の時代までは、びっくり鳥人間だった仙人が、

一般的なイメージの白ひげの杖をついた仙人になったのか、よく分かりません。

しかし、どうやら、中国史に出て来る神や仙人は、紀元前の昔には、

羽、山羊の角、大きな耳という異形の相だったのが、時代が進むにつれて

獣的なイメージが抜けて、人間化していったようです。

 

ここには、以前は自然を恐れていた人間が、やがて自然を征服し、

人間中心主義の時代に至るに従い、神や仙人も、

自分達に似せるようになった、という考え方の変化があるようです。

本日も三国志の話題をご馳走様でした。

 

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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