【キングダムに描かれない】秦の時代の貧困のリアルを追ってみる




桓騎

 

大人気、春秋戦国時代漫画キングダム、、毎回のように急展開の連続で、

特に最近は、信がついに桓騎の卑劣な戦術について爆発し、もしや仲間割れか?

というような状態ですが、さて、この華やかなドラマの裏で

当時の貧困層の人々のリアルとはどういうものだったのでしょうか?

今回は漫画ではクローズアップされない秦国内の貧困について追います。

 

関連記事:桓騎(かんき)だけではない古今東西の残虐な戦術

関連記事:【キングダム】桓騎(かんき)秦を亡命し樊於期と名前を変え秦王に復讐




貧困層は城壁の外に住んでいた

疫病 村02b

 

春秋戦国時代の昔、中国は小さな村や個人宅まで塀に囲まれていました。

もちろん、郡や県も長さ数キロの城壁に覆われていたのです。

しかし、そのような塀の内側に住める人はまだ恵まれているほうでした。

実際には、負廓(ふかく)といい、城壁の外に粗末な家を建てて

住まざる得ない貧民が大勢存在していたのです。

これを負郭窮巷(ふかく・きゅうこう)と言いました。

 

城壁の外に住んでいる貧乏人の集まる地域という意味です。

馬車

 

一方で金持ちは、自分では耕しきれない田畑を持ち

使いきれない財宝を保有して、豪華な馬車に乗り、

大通りを我がモノ顔で走っていました。

 

全体主義で貧富の差が他の国よりも少ないイメージの秦ですが、

貨幣経済が早くから発達していた経緯もあり、

実は超格差社会であったという事が負郭の存在から分ります。

 

関連記事:洛陽の最速王は誰だ!意外に速い!三国時代の馬車ってどんなの?

関連記事:【春秋戦国時代】秦が15年で滅んだ6つの理由を分かりやすく解説!

関連記事:三国志時代のペット事情が興味深い!陸遜の孫も犬を可愛がっていた!




門は筵などで造りスラム化していた

疫病 村

 

そのような負郭に住む人々は、当然のように日々の暮らしにも事欠く貧困層の人々でした。

彼等の住宅は粗末な掘っ立て小屋であり、家の門は木を一本土壁に渡し、

そこに筵(むしろ)などを掛けてあるだけでした。

 

彼等は、日中は城内で日雇い仕事を探して歩き、

市場では物乞いをし何もする事がない時には道端で寝転がっていました。

彼等は、身分上は奴隷でも下僕でもありませんが、お金がない為に

差別の対象ですらあったのです。

 

犯罪者予備軍と見られ、市場で泥水を掛けられた負郭の人々

疫病 村

 

負郭に住む人々は、その不衛生な姿と、物乞いなどの行為から、

犯罪者の予備軍や伝染病の元凶とみなされ、公然と差別されました。

史記の陳丞相世家には、そんな負郭の人の一人 陰生(いんせい)の話があります。

 

「陰生は長安の渭(い)橋の下にいた乞食でいつも市場で物乞いをしていた。

市場の人は嫌がり、泥水をぶっかけて追い払った。

だが、しばらくして市場に戻ってくると衣服も元通りで汚れもしていない。

やがて陰生は市場から姿を消してしまった。

ある時、陰生に泥水を掛けた市場の人の家は勝手に倒壊し十数人が死んだ人々は

乞食には美味い酒を飲まさないと祟りがあると噂した。」

 

これは漢代初期の伝説の類ですが、春秋戦国時代も大差はないでしょう。

当時、このような乞食が大勢いた事を物語っています。

 

関連記事:赤壁の敗戦の原因は腸チフスだった?多くの魏将の生命を奪った伝染病とは?

関連記事:地味だけど超大事!三国志の時代の食糧貯蔵庫とはどんなもの?

 

負郭にあった大金持ちの田畑

鮑信と于禁

 

一方、負郭の人々の近くには、よく肥えた田畑が広がりました。

それは負郭の人々の田ではありません。

春秋戦国時代の秦では、田畑は城壁の外にあったのですが、

利便の関係で金持ち程、都市の近くに田畑を持っていたのです。

 

こうして貧しい人程、都市から遠い場所に田畑を持つようになり

一番貧しい人は耕作しても日帰りできない場合がありました。

 

もちろん、金持ちは奴隷を使って耕作していました。

負郭には、金持ちの田畑と貧困層の人々の粗末な家が同居していた

という事になるのです、何と言う皮肉でしょう。

 

また身分上は奴隷であっても、持ち主である金持ちの家の中に

住んでいたので奴隷は城壁の中の住人という事になります。

城壁の中に住む事が許されない負郭の人々は、

それを複雑な気持ちで見ていたのです。

 

戦争では真っ先に犠牲になった負郭の人々

信 キングダム

 

負郭の人々がもっとも悲惨だったのは、戦争の時でした。

彼等は城壁の外に住んでいるので守られず、時には見捨てられます。

侵略軍に最初に虐殺され蹂躙されるのは、負郭に住む人々だったのです。

このようにキングダムの世界の暗部では、貧困が差別と生命の格差さえ

産んでいたというシビアな現実があるのです。

 

春秋戦国ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

このようにキングダムの時代は商業優先の超格差社会でした。

秦を倒して天下を取った劉邦は、あまりにも不公平な社会を是正しようと

商人に課税して役人にもしないなど重農主義を採用して国力を回復させます。

それは、貧富の差を何とかしてくれという時代の要請だったのです。

 

本日も悠久の春秋戦国時代に乾杯・・

 

関連記事:これぞゲスの極み!ぶっちゃけ王騎(おうき)将軍の年収はいくら?

関連記事:【これだけ読めば大体わかる】山崎賢人主演!キングダム実写化の内容を大胆予想!

関連記事:三国志を楽しむならキングダムや春秋戦国時代のことも知っておくべき!

 

 

—熱き『キングダム』の原点がココに—

春秋戦国時代バナー

 




よく読まれている記事

キングダム 40巻

 

よく読まれている記事:【キングダム好き必見】漫画をより面白く読める!始皇帝と秦帝国の秘密をまとめてみました

兵馬俑 kawauso

 

よく読まれている記事:知らないと損する!始皇帝と大兵馬俑を100倍楽しむための外せないポイント

 

キングダム 政

 

よく読まれてる記事:【衝撃】秦の始皇帝陵は実は完成していなかった!壮大な地下宮殿と兵馬俑の謎

 

兵馬俑

 

よく読まれてる記事:戦術マニア必見!兵馬俑の戦車で2200年前の戦略がわかる!

 

始皇帝

 

よく読まれてる記事:中華統一後の始皇帝は大手企業の社長並みの仕事ぶりだった!?彼が行った統一事業を紹介

 

この記事を書いた人:kawauso

kawauso

■自己紹介:

どうも、kawausoでーす、好きな食べ物はサーモンです。
歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。

もちろん、食べるのはサーモンです。

関連記事

  1. 騎射の術に長けた騎馬兵士
  2. 公孫淵
  3. 水魚の交わり
  4. 王翦
  5. 矢を集める諸葛亮孔明

    デザイン担当:よりぶりん

    76話:孔明による材料も手間もなく矢を造る方法

    孔明(こうめい)に次々と自分の計略を見破ら…

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。


はじめての三国志企画集

“はじめての三国志企画特集"

3冊同時発売

“脱税の歴史

“三国志人物事典"

“ながら三国志音声コンテンツ"

“if三国志"

PAGE TOP