よかミカンの三国志入門
夷陵の戦い




はじめての三国志

menu

はじめての魏

徐邈(じょばく)とはどんな人?曹操の禁酒令を破ったのに逆に出世した男

この記事の所要時間: 359




劉寛 酒

 

現代では、成人式で酔っ払った若者が粗相したり、

会社の飲み会で悪ノリした人が失敗するということは良くあることです。

そういう失敗をしたときには、自身の将来に関わるような場合があります。

 

三国志 牢獄

 

飲んで飲んで、酔い潰れて、気が付いたら留置所だった、なんて場合はシャレになりません。

三国時代の魏の曹操(そうそう)は、禁酒令を布いたことで知られています。

中国は、儒教の国ですから、礼節を重んじる教えがあります。

お酒のせいで礼節を欠くことの無いように、

またお酒のせいでトラブルが起きないように配慮したのでしょう。

ところが、そうした時代においても、お酒で失敗する人がいました。

今回はお酒の失敗で知られる徐邈(じょばく)という人物をご紹介します。

 

関連記事:こんなの絶対に入りたくない!三国志の時代の牢獄は酷すぎた…当時の刑罰も合わせて紹介

関連記事:炙り焼肉にソーセージ?とりあえずビールと言いたくなる三国時代の食事




役人 徐邈の不祥事! 正に徐邈の自爆!!!

椒柏酒

 

燕国薊県出身の徐邈(じょばく)、字(あざな)は景山(けいさん)という役人がいました。

彼は三国時代の魏の政治家でした。

徐邈(じょばく)は、禁酒令を布かれているにもかかわらず、酒をこっそり飲んでいました。

 

徐邈(じょばく)「禁酒令は分かっていてもこれだけは止められぬ。

ばれないように少しだけ、少しだけ(チビリチビリ)」

 

徐邈(じょばく)は業務に支障の無いように少しずつ嗜んでいました。

しかし、期待を裏切らず、いつの間にかグデングデンになってしまいました。

そこへ趙達(ちょうたつ)という役人が、訪ねてきました。

 

趙達(ちょうたつ)「少し尋ねたいことがありまして、御伺いしました。ちょっと役所の事務についてなのですが・・・」

徐邈(じょばく)「うぃ~っ、あんだって、ちょっと今体調が悪くってれぇ。また今度にしてくれませんかね。」

趙達(ちょうたつ)「(呂律が回っていない・・・、何か顔も赤い気がする)あなた酒飲んでるでしょ。」

徐邈(じょばく)「私は聖人の毒にあたりましてね」

趙達(ちょうたつ)「・・・・・(駄目だコイツ)。」

 

こうして、徐邈(じょばく)はやらかしてしまいました。

それにしても、「聖人の毒」とは、彼はどのような毒にあたったのでしょうか?




極刑不可避!? 徐邈の処遇!

朝まで三国志 曹操

 

禁酒令をないがしろにして酔いつぶれて仕事をしない徐邈(じょばく)を、

趙達(ちょうたつ)は曹操(そうそう)にちくりました。

 

曹操(そうそう)「酒を飲んだいるだと!怪しからん奴め!!」

趙達(ちょうたつ)「聖人の毒にあたったと申しておりました」

曹操(そうそう)「聖人だと・・・。何のことだ・・・。!

徐邈(じょばく)にとっての聖人とは主である余のことであろう。余が毒を盛ったといったのか!

禁酒令を破って酔いつぶれておきながら、職務を全うできなかったのを余のせいだと言っているのか!!!」

鮮于輔(ぜんうほ)「酒飲みは禁酒令が布かれていることもはばからず、

澄んだ清い酒のことを聖人と呼び、濁った汚れた酒のことを賢人と呼び区別しております。

おそらく酔ったためのジョークでしょう。

普段の徐邈(じょばく)はおとなしく慎み深い性格です。

今回は酒の上での仕方ない行動であります。」

 

徐邈(じょばく)の「聖人の毒」とはただのジョークだったのでした。

鮮于輔(ぜんうほ)が命乞いしたため、

徐邈(じょばく)は罪に問われたものの、死罪は免れました。

 

その後の徐邈・・・

曹操死んでもヨメを・・・

 

徐邈(じょばく)はその後、その後、朧西太守、南安太守を歴任し、

曹操の死後に曹丕(そうひ)が即位した後は、

譙県令・平陽、安平太守・典農中郎将を歴任し、関内侯の爵位を得るまでになりました。

お酒で失敗した徐邈(じょばく)でしたが、順風満帆にエリート街道を進んでいました。

 

曹丕 残忍

 

曹丕(そうひ)はある時、徐邈(じょばく)に問いました。

曹丕(そうひ)「今でも聖人の毒にはあたっておるのか?」

徐邈(じょばく)「昔、楚の子反は禁酒の令を破ったために、死刑に処せられました。

また、魯の御叔(ぎょしゅく)も酒を飲んだがために、年貢を二倍にされるという罰を受けました。

その二人と同じように、性懲りもなく、時々あたっております。

斉の閔王(びんおう)の后の宿瘤(しゅくりゅう)は、醜女ということで後世に名が伝わりましたが、

私は酔っぱらいということで有名になってしまいました。」

曹丕(そうひ)は笑って側近に言いました。

曹丕(そうひ)「うわさ通りの人物であるわい。」

曹丕(そうひ)は徐邈(じょばく)を軽くからかったつもりでしたが、

その返答を高く評価し、撫軍大将軍軍師に任命しました。

 

関連記事:三国志で一番の悪酔い君主は誰だ?【酒乱ランキング】

関連記事:【素朴な疑問】三国志の時代にも居酒屋ってあったの?

関連記事:曹操が発明した酒、剣、兵書の数々が凄い!孔明も思わず嫉妬?

 

徐邈から学ぶ「酒の扱い方」

お酒 三国志 曹操

 

徐邈(じょばく)は本来、真面目で実直な人物でした。

しかし、酒が好きであったが故の「失敗」と「成功」をしています。

まず、酔いからの「失言」によって、曹操(そうそう)から顰蹙を買い、危うく死罪となるところでした。

恐らく、命乞いするものが現われなければ彼は死罪となっていたでしょう。

これが彼のお酒の失敗です。

一方では、徐邈(じょばく) は曹丕(そうひ)にからかわれた時に、

その機智と諧謔を以て切り抜けました。

これによって、徐邈(じょばく)は昇進することができました。

これが彼の成功です。

お酒は失敗をしばしば招くものですが、

扱い方によって成功を収めることができることを徐邈(じょばく)は教えてくれたのだと思います。

 

関連記事:権力者の重圧?酒癖の悪かった呉の孫権

関連記事:お酌上手になって株を上げよう!古代中国のお酒のマナーを紹介!

関連記事:三国時代のお酒は発泡酒レベルだった?

 

三国志ライターFMの独り言

FM

 

「酒は飲んでも飲まれるな」といいますが、お酒の失敗は誰もが避けたいものだと思います。

徐邈(じょばく)はお酒のおかげで、「失敗」しそうになりましたが、

一方でその失敗を利用して「成功」しています。

お酒に振り回されるだけでなく、それを利用するという、

そうした生き方は現代人も見習うべきところであると思います。

それにしても、徐邈(じょばく)に対する曹操(そうそう)と曹丕(そうひ)の対応が逆なのは少し面白いですね。

もしも、最初に「聖人の毒」という報告を聞いたのが曹操(そうそう)でなく曹丕(そうひ)だったら、

死罪どころか何の罪にもならなかったかもしれません。

 




よく読まれている記事

曹操01

 

よく読まれている記事:曹操を好きになってはいけない6つの理由

 

朝まで三国志

 

よく読まれている記事:朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ(笑) 第1部

kawauso 投壺

 

関連記事:三国時代の娯楽にはどのようなものがあったの?タイムスリップして当時の人に取材してみた

 

袁紹 曹操

 

よく読まれてる記事:【三国志if】もし袁紹が官渡の戦いで曹操に勝ってたらどうなってたの?

 

この記事を書いた人:FM

FM

■自己紹介:

三国志ライターFMです。

三国志は、大昔の出来事ですが、物語をいろいろな視点や切り口で見ていくと、新しくて面白い発見があるのが好きです。

人物像や対人関係、出来事、時代背景、逸話等々、古い話とはいえ、学ぶべきところはたくさんあります。

埃をかぶせておくにはもったいない、賢人たちの誇りがあります。

FM

FM

投稿者の記事一覧

三国志は、大昔の出来事ですが、物語をいろいろな視点や切り口で見ていくと、新しくて面白い発見があるのが好きです。

人物像や対人関係、出来事、時代背景、逸話等々、古い話とはいえ、学ぶべきところはたくさんあります。

埃をかぶせておくにはもったいない、賢人たちの誇りがあります。

関連記事

  1. 張既(ちょうき)とはどんな人?反乱の多かった雍州・涼州の二州を見…
  2. 根拠のない夢を信じないリアリスト曹操
  3. 陳羣(ちんぐん)ってどんな人?画期的な人材採用法を確立させた魏の…
  4. 魏の夏侯惇・許褚・龐徳の息子達は優秀だった?気になる将軍たちの息…
  5. 曹操は健康オタク?三国時代のロングブレス健康法
  6. 曹操は郭嘉を後継者として考えていたのは本当なの?
  7. 三国志の時代にも可愛い巫女が存在した!?李傕や劉禅もハマった巫女…
  8. 27話:良い事が無かった曹操に勝機が訪れる!青州兵誕生秘話

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. ゾトアオとはどんな人?人間を超越している異民族の首領【前編】
  2. 【空海KU-KAI】空海が修行した長安青龍寺によかミカンが行ってみた
  3. 映画「空海−KU-KAI− 美しき王妃の謎」レビュー
  4. 漢王朝を腐らせたのは儒者!打倒司馬懿、シチケンジャー
  5. 【さんすま】三国大戦スマッシュ! 第3回 曹操交代!まさかのあの人が主力メンバー入り!!
  6. 【囚われた二人の友情】匈奴に囚われた李陵と蘇武の熱き友情

三國志雑学

“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

はじめての三国志 X 大戦乱!!三国志バトル 「文永の役」を超簡単にわかりやすく説明!アンゴルモア元寇合戦記がさらに楽しめる! 【諸葛孔明の兵法】魏を苦戦させた知られざる孔明のアメーバ戦術 三国志水軍最強の将・決定戦!あの色男が一位でしょ!? 呆れた!油断も隙もない!孔明にもつばをつけていた曹操? 【蜀軍キラー】劉備・孔明を恐れさせた張郃の対蜀戦での戦歴 【三国志の分岐点】最大のチャンスを見逃してしまった曹操のミス なんと○○を食べていた!三国志の驚異の食生活

おすすめ記事

  1. 王騎将軍は二人いた!キングダムのカリスマの真実
  2. 本職より美味いカボチャを作った農夫・孫権
  3. キングダム最新刊43巻発売決定!43巻の見どころとネタバレ予想!
  4. 王平(おうへい)ってどんな人?馬稷の山登りを止めようとした蜀の武将
  5. 【ネオ三国志】第5話:兗州騒乱の終結と天子の擁立【蒼天航路】
  6. 【丞相ランキング】三国志で一番すごい丞相はいったい誰なの?
  7. もし大政奉還が成功していたら日本はどうなった?
  8. 【キングダムを更に楽しむ】六国で秦を倒せるような国はあったの?

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“邪馬台国"
PAGE TOP