袁術祭り

はじめての三国志

menu

三国志の雑学

甘寧や袁術もびっくり!実は大事にされた料理人(厨師)

この記事の所要時間: 37




甘寧に殺されかける料理人

 

三国志では、料理の不手際という理由で甘寧(かんねい)に殺されかけたり、

「はちみつ水飲みたい」とダダをこねる袁術(えんじゅつ)

「そんなモノない!」と即答するなど料理人は、ヒドイ待遇を

受けているようなイメージですが、事実は違います。

中国では料理人は厨師(ちゅうし)と呼ばれ、その腕前一本で生き抜き、

時の権力者にも一目置かれた存在だったのです。

 

関連記事:超短気の甘寧、凌統・呂蒙との珍エピソード

関連記事:よく皖城で共闘できたね?三国志史上最凶に仲が悪かった甘寧と凌統




殷の湯王の宰相になった料理人 伊尹(いいん)

殷の大様002

 

夏の桀(けつ)王を滅ぼして殷(商)を建国した

殷の湯(とう)王の宰相の伊尹は最古の厨師でした。

伝説では彼は捨て子として厨師に拾われ、料理の全てを叩きこまれ

一流の料理人になったそうです。

 

伊尹 料理人

 

その後、料理人を探していた殷の湯王は、伊尹の名声を聞き、

これを欲しがりますが伊尹を所有していた豪族は、

その腕前を惜しんで応じませんでした。

 

そこで湯王は、豪族と縁組をして、妃のお付料理人として

やってきた伊尹を、早速自分の料理人としました。

 

料理人としてやってきた伊尹ですが、殷の湯王に、

天下の治め方を料理になぞらえて説明し、夏の桀王の暴君ぶりに

愛想を尽かしていた湯王は、ここから天下を目指すようになった

と伝説には記されています。




デモンストレーションで腕前を売り込む庖人

包丁 f

 

 

厨師と同じような意味に庖人(ほうにん)がいます。

これは包丁を扱う人ですが、春秋戦国時代の名厨師の

庖丁(ほうちょう)という人物がいたので、これにあやかり

料理に使う刃物を庖丁と呼ぶようになったそうです。

 

庖丁は戦国時代に魏の恵王に仕えた料理人で、刃物一本で

巨大な牛をあっという間に解体して見せて、王を感動させました。

ここには、いかに自分の料理技術が優れているかを見せるという

デモンストレーションの意味があったようです。

 

それよりずっと後の南宋の時代には、庖丁人が見物人の兵士を選んで

上半身裸にして台に寝そべらせ背中に肉の塊を置いてまな板にし

これを全てコマ切れにするまで庖丁を振るうという技がありました。

 

肉の塊を全てコマ切れにしてから、兵士の背中から肉をどけると、

背中には傷一つ無かったそうです。

これも、自分の腕前を高級役人か、金持ちに買ってもらおうと行う、

一種のデモンストレーションでした。

 

逃亡する時には厨師に化けよ!

兵士

 

厨師の身分は低いものでしたが、その技術は簡単には代わりが

いないので貴族や金持ちの家では大事にされました。

宴会の度に、客や主人から、沢山の贈り物を受けて、

裕福な暮らしを送る厨師もいたのです。

 

そのような事もあり、乱世でも、厨師は決して殺さないで

生け捕るようにという不文律があったようです。

 

姜維

 

ストレスが多い戦乱の世だから、せめて美味い物を造る厨師は、

手元に残したいという考えがあったのでしょう。

 

それを利用して、戦乱になると豪華な着物を脱ぎ棄てて白衣になり

庖丁を持って「俺は厨師だ!殺さないでくれー!」と叫びながら、

逃げるような人々も出現しました。

厨師だと偽って、逃げ延びようと考えたのです。

 

関連記事:三国志時代の兵士の給料と戦死した場合、遺族はどうなってたの?

関連記事:【悲報】孔明の発明品で戦死した人物が実在した。鎧を過信した南朝宋の軍人・殷孝祖

 

厨師だと偽り大恥をかいた県令の陸存

三国志 月

 

厨師だと偽り、上手く逃げおおせた人もいましたが大恥をかいた人もいます。

9世紀の唐末の反乱、いわゆる黄巣の乱の時に、陸存(りくそん)という県令が、

反乱軍の王仙芝(おうせんし)の軍勢に捕まりました。

 

「腐れ役人め」と、あわや、なますに刻まれて殺されそうな所を、

陸存はとっさに、

「私は、厨師なのです、見逃して下さい!」と嘘を言います。

 

しかし、運が悪い事に、そこには大鍋と油と小麦粉が用意されていました。

もしかしたら、食糧倉庫だったのかも知れません。

 

「なに?厨師だと、ちょうどいい、

腹が減ったから油餅(ゆーぴん)を造ってみろ」

 

と陸存は命じられてしまいます。

 

油餅とは、小麦粉生地に野菜を包んで油でふわりと揚げた料理のようですが、

もちろん、厨師とは口から出まかせの陸存に料理が出来るわけありません。

悪戦苦闘しながら、小麦粉と油に塗れて、火傷しつつ頑張る事半日、

それでも一個も油餅は造れませんでした。

 

「この嘘つきめ、もういい、どこへなりと消えろ!」

 

半日、陸存に付き合わされた兵士たちは呆れ果ててしまい、

陸存を放り出したので、彼は殺されずに済んだようです。

でも、出来ない料理を押しつけられ、散々にプライドを傷つけられての

ようやくの命拾い、陸存も「厨師だなんて二度と言うまい」と

思ったのではないでしょうか・・

 

三国志ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

厨師は、身分制の壁が厳格だった時代、

庶民が王侯貴族に一目置かれる可能性がある技能職でした。

身分は低くてもプライドが高く、美味い料理を造るのに、

生命を賭けた厨師は、やはり、尊敬されるに値する仕事だったのです。

本日も三国志の話題をご馳走様・・

 

関連記事:炙り焼肉にソーセージ?とりあえずビールと言いたくなる三国時代の食事

関連記事:【素朴な疑問】三国志の時代にも居酒屋ってあったの?

関連記事:1800年前に呂布がビーフバーガーを食べていた?気になる漢時代の食生活

 

 

関連記事

  1. 【軍師連盟】晩年の司馬懿には欠点はなかったの?
  2. 漫画潰す気か!原作者ブチ切れ必至のキングダムの最後をネタバレ予想…
  3. 董卓はどうしてデブになったの?真面目に考察してみた
  4. 軍師ってどんな職業なの? <三国志豆知識>
  5. 三国志 Three Kingdomsのここがすごい!スリーキング…
  6. どうして呉は同盟国の蜀・関羽を裏切ったの?
  7. 董卓が築城した要塞が絶対防御すぎてヤバイ!郿城(びじょう)とは何…
  8. キングダム 512話 ネタバレ予想:列尾危うし!王翦の次の秘策を…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 曹操軍の食料担当にはなりたくない!!その理由とは?
  2. 意外と知らない楚漢戦争時代の戦い!命からがら逃げれた滎陽城篭城戦
  3. 【三国志の素朴な疑問】呂布は何歳だったの?
  4. 孫家三代もメロメロ、実は周瑜と双璧の名将 程普の伝説
  5. 【神になった名将対決】劉備三兄弟の一人関羽VS救国の英雄・岳飛 Part.1
  6. これぞ重箱の隅!三国志の時代の調理具・食器特集!

三國志雑学

ピックアップ記事

おすすめ記事

【五胡十六国】ねぇ?三国志の後ってどうなるの?アフター三国志を紹介 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース13記事【7/11〜7/17】 びっくり!五丈原の戦いの戦費、現在で換算すると、なんと○○円! 年末年始にまとめ読み!これを読めば三国志が丸わかり30選【総集編】 荀彧は曹操の下でどんな仕事をしていたの?尚書令について超分かりやすく解説 132話:もうやりたい放題!曹叡の乱心で魏の暗黒時代へ突入 程普(ていふ)ってどんな人?孫家三代に仕え、数々の戦を戦った孫呉の重鎮 張良(ちょうりょう)とはどんな人?高祖劉邦の右腕として活躍した天才軍師(1/3)

おすすめ記事

  1. 【シミルボン】三国志の真実、劉備が孔明に飛び付いた理由はこれだ!
  2. コーエー三國志の李儒は何であんなにパラメーターが高いの?
  3. まるでルイージマンション?曹操の自宅は、お化け屋敷だった!!英雄のお屋敷を徹底紹介!
  4. 三国志の劉備が愛した4人の妻を紹介
  5. 【解煩督】呉にだっているぜ!解煩、敢死、無難、様々な特殊部隊
  6. 「ざっくりとわかる三国志」をはじめました。
  7. 老将・黄蓋(こうがい)は異民族討伐のプロだった
  8. はじめての三国志開設2周年のご挨拶

はじさん企画

袁術祭り
特別企画
異民族
諸子百家
春秋戦国時代
日常生活
はじめての三国志TV
PAGE TOP