孔明や安倍晋三も真似た『国家百年の計』って一体誰の言葉?現在でも使える春秋戦国時代の名言

2016年10月5日


 

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孔明

 

今回は三国志からの名言ではなく春秋戦国時代に活躍した人物の

名言を取り上げていきたいと思います。

現在の日本の総理大臣である安倍晋三氏。

彼は数年前の年頭所感でこのような言葉を述べておりました。

その言葉とは「一年の計は穀を樹えるに如かず。十年の計は樹を樹えるに如かず。

終身の計は人を樹えるに如かず。」と述べておりました。

この言葉は春秋戦国時代の(せい)の管仲(かんちゅう)が覇者として、

中華に君臨することになった桓公へ送った言葉です。

この言葉は一体どのような意味なのでしょうか。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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国家百年の計

管仲(衣食なして礼節を知る)

 

管仲は春秋戦国時代を代表する名宰相として歴史にその名を刻みます。

当時小国であった斉の国の内政改革を行い国力を増大させ、強国にのし上がります。

ある日斉国の君主である桓公は管仲に「宰相のおかげで斉の国は覇者となることができた。

今後はどのように国家を運営して行けばいいのだ」と質問します。

すると管仲は「一年の計は穀を樹えるに如かず。十年の計は樹を樹えるに如かず。

終身の計は人を樹えるに如かず。」と進言。

この言葉を聞いた管仲は「どういう意味だ」と再び質問します。

管仲は「1を植えて一収穫するのは穀物。1植えて10収穫することができるのは樹木。

そして1植えて100の収穫をするのは人だけが行うことができるものです。

そして今私は人材という種を斉の国に巻きました。これを的確に収穫して用いる事こそ王者と言えるでしょう。

公よ。今後はこの国の人材育成に力を尽くして次世代へ人材を残すことこそ寛容であります。」と

述べます。

わけがわからないと思います。

もっと簡略的に言うと長期的な視点で教育に力を入れるべしという事を管仲は

言いたかったのです。

なぜならば国を形成しているのは人であるからです。

 

管仲の名言を孔明も真似た!?

孔明 出師

 

蜀の丞相としてその名を歴史に刻み、

三国志を知らない人でも名前くらい聞いたことのなるスーパー軍師・諸葛孔明

彼は目標としている人物として、管仲を目標としておりました。

その為この国家百年の計の名言を聞いたことがあるのではないかと考えます。

なぜなら孔明は劉備死後の蜀を一手で担っていくことになりますが、

自分の部下の人材育成に力を入れておりました。

街亭の戦いで大敗北を喫してしまった馬謖(ばしょく)は孔明の一番弟子でした。

また後に蜀へ降伏することになる姜維(きょうい)も孔明から軍略や内政の仕方など、

色々な事を教わっていたことでしょう。

他にも彼が育成した人材は董允(とういん)費禕(ひい)など多くの人材を育成しており、

これは孔明の目標としていた人物・管仲の国家百年の計を真似た行動だと思います。

 

現在にも通用する国家百年の計

基礎知識 馬謖02

 

現代の会社の組織や日本の国家でもこの百年の計は言いに活用することが、

できるのではないかと思います。

なぜならば会社を作るのは人で国家を運営していくのも人です。

また次世代に国家や会社を引き継ぎたいのであれば優秀な人に引き継がせたいと思うのが、

人間の普通の考えであると考えます。

では優秀な人間は初めからいるのかと言われればNOです。

優秀な人間はしっかりと教育を施すことによって完成されるのです。

そのためには人材育成に力を入れなくてはならないと言っている国家百年の計は

的を得ているのではないのでしょうか。

 

三国志ライター黒田廉の独り言

黒田廉

 

時代が今後100年経っても

この管仲が残した国家百年の計の名言は生き残っていくのではないかと考えます。

やはり国家や組織はロボットが作っていくのではなく、

人が作っていくことで初めて機能することになるからです。

ならば人材育成に力を入れて次世代へバトンタッチすることが、

今の組織や国家に必要なことではないかと思います。

「今回の春秋戦国時代のお話はこれでおしまいにゃ。

次回もまたはじめての三国志でお会いしましょう。

それじゃあまたにゃ」

 

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