ログイン | 無料ユーザー登録


キングダム
ぐっすり眠れるながら三国志


はじめての三国志

menu

三国志の雑学

【軍師連盟】司馬懿は簒奪をいつから狙っていたの?

司馬懿と曹操


はじめての三国志コメント機能バナー115-11_bnr1枠なし

曹丕皇帝

 

漢王朝四百年の歴史にピリオドを打ったのが

曹操(そうそう)の跡を継いだ曹丕(そうひ)です。

曹操が圧倒的な権力を手にしても皇帝の座につかなかったのに対し、

曹丕は西暦220年10月に中華の歴史上初の「禅譲

という儀式を行って皇帝(文帝)に即位しました。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:【軍師連盟】司馬懿が起こしたクーデターは博打だったの?


曹氏による帝位簒奪

王莽

 

ちなみにこの禅譲という儀式は、古代の伝説に基づいています。

それは、堯が世襲ではなく徳の優れた舜に位を譲り、

舜もまた禹に位を譲ったという伝説です。

後漢最後の皇帝となる献帝が、

その意思で曹丕を有徳の後継者と選ぶはずもありません。

曹丕献帝禅譲の詔を三度辞退したという形になっていますが、

あくまでも形式的なものです。

 

曹丕

 

すべては曹丕の思惑、「シナリオ」通りに事が運びました。

平和的な解決とはいえ、

これは前漢を倒し新を立てた王莽と同じような「簒奪」といえるでしょう。

曹丕は、禅譲を正統化するべく、漢の劉氏は堯の子孫であり、

曹氏は舜の子孫であるという話まででっちあげています。


文帝の親友・司馬懿仲達

司馬懿

 

曹操より曹丕の教育係に任じられたのが「軍師連盟」の主役である司馬懿仲達です。

当時の曹丕は後継者争いの渦中におり、

ライバルには曹操の才能を強く受け継いだ曹植(そうしょく)がいました。

仲達は曹丕のブレーンとして後継者争いにかかわっていきます。

仲達のアドバイスもあり曹丕は曹操の信頼を高めていき、

西暦217年に曹操は正式に曹丕を皇太子に指名しました。

時に曹丕31歳。曹操はその3年後に息をひきとりました。

仲達は陳羣呉質と同じように「太子四友」として曹丕に信頼されており、

曹丕が魏王となってからはさらに重用されることとなります。

陳羣(ちんぐん)は曹丕に帝位に就くことを勧めた人物です。

つまり陳羣や仲達が中心となって禅譲のシナリオは作られ、

現実味を帯びていくことになるのです。


前例があったからこその司馬炎の即位

司馬炎 はじめての三国志

 

空想上の伝説であった「位の禅譲」がシナリオ通りに実行に移されました。

誰もそれを阻止することはできませんでした。

一番力のあるものが帝位に就いたわけです。

その点において、曹丕はパイオニア的存在です。

父の曹操が成し得なかったことを実現させたのです。

曹丕にとっては圧倒的な存在感を放っていた

父親へのコンプレックスを払拭する唯一の手段だったのかもしれません。

そして、このことが後の災いを曹氏に招くことになります。

力あるものによる帝位の禅譲という前例を作ってしまったということです。

やがて力をつけた司馬氏が権力を掌握していきます。

それは主である曹氏を凌ぐものとなりました。

その時、皇帝である元帝曹奐に禅譲を迫ることは難しいことではありませんでした。

曹丕や仲達がその道筋を作っていたからです。

西暦265年、禅譲によって晋の皇帝となった司馬炎(しばえん)こそが仲達の孫になります。


仲達に簒奪の意思はあったのか

司馬懿

 

司馬氏が帝位に就くことを仲達は考えていたのでしょうか。

仲達は過酷な権力闘争の中心に身を置きながら、しぶとく生き抜いていきます。

時には曹操に睨まれ、絶えず政敵を警戒しなければならない日々です。

そのゴールに帝位を夢見ていたかもしれません。

しかし思いがあってもそのことを誰にも伝えてはいません。

野心が身を滅ぼすことをよくわかっていたからです。

仲達の息子たちの司馬師司馬昭が跡を継いでいくことになりますが、

我が子にすら帝位を目指せとは伝えていないのです。

仲達は息子たちに、人間の疑り深さを説き、

とにかく他人を信じず慎重に行動するように語ったとされています。

それが仲達が学んできた生き残る術だったのでしょう。

その教えを守り司馬師司馬昭と着実に力をつけていきます。

司馬氏による簒奪はその流れのなかで生まれてきたものであり、

仮に簒奪を目標に掲げていたら司馬氏は途中で自滅していたに違いありません。

果たしてそれを見越しての仲達の教えだったのか、司馬氏は帝位に就きます。

これが仲達の意図したものであるならばまさに恐ろしい深謀の持ち主といえます。

軍師連盟で仲達が取り上げられるのも頷けます。

 

三国志ライター ろひもと理穂の独り言

ろひもと理穂さん02b 背景あり

 

禅譲を茶番劇とする傾向も少なからずありますが、

今も昔も形式を踏む手続きは大切なものです。

そして形式さえ踏めば皇帝にすらなれるという既成事実を作り上げたのが仲達でした。

曹操が配下のなかで最も警戒した男は、

こうしてまさに曹氏を滅ぼすきっかけを作っていくのです。

海千山千の司馬懿仲達。彼は曹丕の禅譲に携わるなかで、

どこまで先のシナリオまで思い描いていたのでしょうか。

三国志に登場する人物のなかで、最も敵に回すと恐ろしく、

そして手強いのは仲達かもしれませんね。

軍師連盟のなかでの立ち回りも楽しみです。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:三国志時代に降伏や降参するときはどうやってサインを出していたの?

関連記事:【素朴な疑問】三国志時代はどうやって兵士を集めていたの?

 

伝説の企画 朝まで三国志 最強の軍師は誰だ

朝まで三国志2

 

ろひもと理穂

ろひもと理穂

投稿者の記事一覧

三国志は北方謙三先生の作品が一番好きです。

自分でも袁術主役で小説を執筆しています。ぜひこちらも気軽に読んでください!

好きな歴史人物:

曹操、蒲生氏郷

何か一言:

袁術は凄いひとだったかもしれませんよー!!

関連記事

  1. 太行山に入り山賊になる劉備三兄弟 【三顧の礼】劉備の諸葛亮への手紙にNGワード!逆賊疑惑
  2. 貨幣を量産してハイパーインフレを起こす董卓 董卓の長安遷都の経済基盤はどこから来ていた?
  3. 魏延の謀反を察する孫権 魏延と黄忠は中途採用組で出世を果たした勝ち組だった!?
  4. 曹操と劉備 劉備も曹操もハッキヨイ!三国志の時代にも流行していた相撲
  5. 劉備と曹操 絶対ダメ!三国時代に流行していたドラッグ!?漢方薬を違法ドラッグ…
  6. 曹操の使者を斬り捨てる武闘派の孔明 【三国志平話】張遼が軍師で諸葛亮が剣客に!
  7. 親族からは嫌われていた?劉備に親族の配下がいない理由とは?
  8. 正史『三国志』と言うけれど、正史って、なに?

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 腐れ儒者気質な孔融
  2. 劉備妻つかまる
  3. 袁紹モグラ作戦
  4. 蜀の馬超
  5. 悪い顔をしている諸葛亮孔明
  6. 孟達と曹丕
  7. 沙摩柯
  8. キングダム45

おすすめ記事

  1. 【はじめての孫子】第4回:兵は勝つことを貴ぶ。久しきを貴ばず 于禁、曹操、青州兵
  2. 【第3回 幻霊物語~爆裂三国バトル~】三国志好きならニヤリとする数々のイベントを紹介!
  3. 孫策と周瑜ってそういう関係だったの!?清代に囁かれた禁断のBL説 周瑜と孫策
  4. 篤姫の故郷指宿はどんな所?ファーストレディの故郷を紹介 お酒が強い篤姫
  5. 孫権が張昭を呉の丞相に任命しなかったのはどうして? 孫権と張昭
  6. 曹操を好きになってはいけない6つの理由

三國志雑学

  1. 魏三国時代の兵器(魏軍合体ロボ) 曹操
  2. 宦官
  3. 女と金
  4. 楽進
  5. 劉備と孫権


“ながら三国志音声コンテンツ開始" “読者の声" “はじめての三国志Youtubeチャンネル" “誤字・脱字・誤植などの報告フォーム" “はじめての三国志コメント機能"
“はじめての三国志読者の声"

はじめての三国志 書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. 関羽
  2. 張松
  3. 横山三国志 表紙引用
  4. 三国夢幻演義バナー 龍の少年
  5. 合戦シーン(戦国時代の戦)
  6. 悪い顔をしている諸葛亮孔明
  7. 曹丕にバカにされて嫌な気分な王忠
“夜のひとときながら三国志ver3"

おすすめ記事

ストイックすぎる仁徳者・顔回 顔回 【孔門十哲】顔回(がんかい)とはどんな人?孔子が最も愛した弟子 ホウ徳(龐徳) ホウ徳の叩き上げ人生録!関羽に降伏せず忠義の人と讃えられた関中の名将 暗殺計画自慢の董承 世界一お粗末! 菫承の曹操暗殺計画。間男の恨みでぶち壊しに! 幕末 大砲発射 【徳川家康は大砲マニア】難攻不落の大阪城は大砲で落ちたって本当? 二刀流の劉備 劉備は二刀流の達人だったのか?劉備が双剣を所持していた理由 卑弥呼 「危うく抹殺されそうになりました、陳寿さんのおかげです」卑弥呼より 読者の声の女性アンケート 歴史書によく出てくる「尚書」って何?女の尚書もいた!? 朱桓(しゅかん) 朱桓(しゅかん)ってどんな人?貴族出身なのに下の者には優しく記憶力抜群の呉の指揮官

はじさん企画

“if三国志" 英雄の死因 “三国志とお金" “はじめての漢王朝" “はじめての列子" “はじめての諸子百家" “はじめての三国志企画特集" “つながるはじめての三国志" “龍の少年" “読者の声" 袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
“歯痛の歴史"
“三国志読み放題サービス"
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論
ビジネス三国志
ながら三国志音声コンテンツ
春秋戦国時代
日常生活
架空戦記
北伐
呂布vs項羽
英雄の武器 編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志" 英雄の墓特集 誤字・脱字・誤植などの報告フォーム はじめての三国志コメント機能
“水滸伝"

“三国志人物事典"

“つながるはじめての三国志

“はじめての三国志Youtubeチャンネル"

“はじめての三国志コメント機能"
PAGE TOP