魏は曹操(そうそう)・曹丕(そうひ)・曹叡(そうえい)と三代続いて名君が誕生し、魏の国家は大いに栄えていく事になります。しかし曹叡が早くに亡くなってしまった事が原因で、魏の三代目皇帝は幼い曹芳(そうほう)が継ぐことになります。
魏は三代目皇帝・四代目皇帝である曹髦へと続いていく事になるのですが、魏の国は衰亡の一途をたどっていく事になります。
この記事の目次
曹叡の跡を継いだ幼い皇帝
曹叡は若くして亡くなってしまった為に、魏の三代目皇帝は幼い皇帝である曹芳が就任する事になります。曹叡は皇帝が幼すぎる事を危惧して、魏の重臣となっていた司馬懿(しばい)と魏の大将軍であった曹真の長男である曹爽(そうそう)に幼い皇帝を補佐するように命令を下した後、亡くなってしまいます。
こうして魏の新しい皇帝に曹芳が就任し、司馬懿と曹爽の二人が協力して支えていく事になっていきます。
司馬懿と曹爽の仲が悪くなる
曹芳が皇帝に就任した直後は二人の重臣が力を合わせていった事もあり、魏の国の内政は円滑に回っていく事になります。しかしだんだんと司馬懿と曹爽は内政や外征に対しての意見の食い違いが、発生するようになり二人の仲が悪くなっていきます。そして司馬懿は高齢と言う事もあり、政権から身を引く事になります。こうして司馬懿が居なくなったことが原因で、魏の政権は曹爽が皇帝を補佐して運営していく事になります。
司馬懿のクーデター…そして曹氏一門が没落
曹爽はこうして魏の実権を握ると、魏の政権を我が物顔で運営。しかし幼い皇帝である曹芳に危害を加えるような事を一切しなかった為、彼は曹爽のやり方に口を出しませんでした。こうした政治を行っていた曹爽は、皇帝である曹芳と共に首都である洛陽城を出て郊外にいく事になります。曹爽や曹芳が洛陽城からいなくなると、司馬懿が兵を率いて城門を閉じ、曹爽や曹芳が洛陽城へ帰ってきても入城を許すことをしませんでした。
その後曹爽が司馬懿に降伏した事で、皇帝曹芳も洛陽に帰る事ができましたが、曹爽は司馬懿に殺されてしまい、彼の家族や子供なども共犯者として見られてしまい殺害されてしまいます。この結果曹氏一門の勢力が一気に弱まっていき、司馬家の勢力が強まっていく事になります。
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司馬家の専横を憎んだ家臣達が司馬氏打倒を企むが…
司馬家は曹氏一族の勢力を魏の政権から一掃する事に成功した事で、魏における司馬家の勢力は巨大化し、魏の政権は司馬家によって運営されている状態になります。
この状況を憂いた魏の李豊(りほう)らは司馬家を打倒する事で、魏の政権から司馬家を追い出そうと画策します。
しかしこの計画は司馬家に知られてしまい、計画は失敗に終わってしまいます。この計画を立案した者達は全員捕らえられ、処罰されてしまいます。
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司馬家を打倒の計画が失敗に終わった事で…
司馬家打倒の計画は事前に司馬懿の跡を継いだ司馬師(しばし)にバレてしまい計画に参加した人々は処罰されてしまいます。この時、司馬師は皇帝が酒に溺れて、女にしか興味を持たず、政治に関与しない事から現皇帝を廃して、新たな皇帝を擁立しようと考えます。司馬師は明帝・曹叡の奥さんである郭皇后に相談しに行きます。
郭皇后は残念な顔をしますが、司馬師の望み通りにするようにと指示を出します。次に司馬師は次の皇帝は誰にするべきか郭皇后に相談します。すると郭皇后は「高貴郷公(こうききょうこう)である曹髦(そうぼう)を皇帝にするのがいいと思いますわ。」とアドバイスします。司馬師は分別のある曹彪(そうひょう)を皇帝にしたいと郭皇后に提案しますが、郭皇后が猛反対した事が原因で、曹髦が新しい皇帝に就任が決定します。
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曹芳が皇帝の位を降ろされる
こうして司馬師と郭皇后の密談によって曹芳は皇帝の位を降ろされる事になります。曹芳は皇帝の位に執着することなく、司馬師のいう通りに皇帝の位から去っていきます。そして曹芳の入れ替わりに新たな皇帝として曹髦がやってきます。
三国志ライター黒田廉の独り言
三代目皇帝である曹芳をご紹介しました。彼は何も実績を残すことなく皇帝の位から落とされる事になります。しかし彼が皇帝の位にいた頃に曹爽が司馬懿に殺害されたことで、魏の政権は曹氏一門の勢力が一気に弱まってしまいます。そして曹氏一門が没落した事で、魏の政権内で力をつけた司馬一族が魏の政権を握っていく事になります。三代目皇帝から魏の滅亡は加速していく事になります。
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