ログイン | 無料ユーザー登録


キングダム
三国志の死因


はじめての三国志

menu

三国志の雑学

【三国志の素朴な疑問】蜀が北伐を止められなかった理由とは?

北伐する孔明




 

三国志初心者の方には、分らない事が幾つかあるであろうと思います。

例えば、どうして諸葛亮孔明(しょかつ・りょう・こうめい)は圧倒的に

国力に開きがある魏に何度も戦いを挑んだのか?別に戦わないで益州に籠った方が

ずっと政権は延命されたのではないかという疑問です。

実は、それにもちゃんと理由がありますので、ここで解説しましょう。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

前回記事:五丈原の戦いの裏側で活躍した魏の満寵とは?前編




戦わないと国力が開くから・・だけでは正しくない

 

孔明の北伐について、よく解説されるのは、孔明は頻繁に遠征軍を送る事で、

魏の国力を削いで、その国力差が大きくならないようにしたという事です。

それは、間違いではないのですが、では、呉はどうなのでしょうか?

 

呉は蜀よりは国力がありますが、それでも魏には劣ります。

しかし、合肥(がっぴ)城を巡って地域紛争はしたものの、蜀のように

洛陽を落すような大規模な計画を立ててはいません。

 

それに国力が開くとはいえ、秦嶺山脈の険しい道を越えるのは蜀軍であり

魏は待ち受ける方なのです、より国力を消耗するのは蜀であって、

もし大敗しようものなら、その瞬間に魏に攻め込まれ蜀は終わるでしょう。




呉には無く蜀にあるモノが北伐を止められない理由

 

こうして見ると、北伐で魏の国力を削ぐ為というのは説得力が弱すぎます。

さらに呉には当てはまらないので、大きな要因とは言えないでしょう。

 

実は、北伐が止められない理由とは、蜀が後漢を受け継いだ後継政権だと

主張していた事と大きな関係があります。

敵対している魏も、自分達こそは後漢を継承した政権だと主張しています。

呉は、その辺をパーフェクトにスル―した独立王朝なので無関係なんですが

魏と蜀は論理上、並立できない関係でお互いを潰してしまわないと、

建国の正統性に揺らぎが生じてしまう不倶戴天(ふぐ・たいてん)の敵なのです。

 

蜀が先に滅んでしまったのも偶然では無かった

 

歴史上、呉と蜀では蜀が先に263年に滅んでいますが、それも偶然ではありません。

やはり、同じく後漢を継いだ正統王朝であると主張する蜀の方が

魏には気に障る存在だったのです。

 

呉が滅びるのは、蜀の17年後で、暴君、孫皓(そんこう)が呉に出てきて、

いつでも滅びる状態でも、晋は、かなり呑気に国内整備などをしています。

魏から見れば呉は、正統性で張り合う必要のない地方政権であり、

一刻も早く滅ぼすというモチベーションにはならなかったのです。

 

蜀は魏を滅ぼす事が建国の悲願だった

 

もうひとつ、劉備(りゅうび)が皇帝になって建国された蜀は、

その最初から曹丕(そうひ)によって盗まれた漢の天下の回復が聖なる目標でした。

つまり、呉の孫権のように、ノホホンと毎日を送る事は許されず、

一日も早く、一刻も早く、軍勢を起こして魏を討ち滅ぼして長安と洛陽を回復し

中国を本来の姿に戻すというのが絶対のイデオロギーなのです。

 

これが失われると、蜀はただの地方政権に成り下がり、

劉璋(りゅうしょう)が統治していた時のような、だらけた状態に戻ってしまうでしょう。

だからこそ、孔明は、ムキになったように北伐の軍を起こしていましたし、

その後継者の姜維(きょうい)も、緩んでいく蜀の士気を呼び戻すように、

かなり無茶な北伐を繰り返したと言えるのです。

 

三国志ライターkawausoの独り言

 

このように、孔明が北伐を繰り返した大きな理由は、魏と蜀が、

双方とも後漢の後継者だと主張していて、どっちかを滅ぼす以外に、

なんとかする方法が無かったという所にあります。

 

非常にイデオロギー色が強い話ではありますが、仮にその看板を降ろしたら、

蜀の内部の求心力が消滅し、魏か呉に降伏して身の安全を図ろうという人々が

大勢出てきてしまい、もっと早く蜀は滅んだのではないか?と思います。

 

 

あたかも、無能な劉璋に愛想を尽かした、張松(ちょうしょう)法正(ほうせい)

劉備を引きこんで国を売り渡したように、劉禅(りゅうぜん)の無能さに不安を感じた

蜀の臣が、出てきて蜀漢を売り飛ばした可能性も捨てきれません。

そう考えると、北伐は止めるに止められなかったのではないでしょうか?

 

 

■記事の内容に関するお問い合わせ(誤植等のご報告など)はこちら

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:姜維が北伐をしなかったら、あるいは北伐を成功させていたら蜀漢は長続きした?

関連記事:三国志を否定するのは呉の張昭?三国間の不毛な争いを終わらせようとした政治家

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

kawauso

kawauso

投稿者の記事一覧

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

関連記事

  1. 陶淵明が描いたユートピア「桃花源記」の世界とは?
  2. 羅貫中と関羽 関平の実の親って誰!?関羽?関定?
  3. 孔明のテントがある野外のシーン 三国志演義が詳細に描く諸葛孔明の病状とはどんなモノ?
  4. 空城も計 孔明 空城の計って何?門を開けて敵軍をお出迎え?
  5. 勝負下着の参考に!三国時代の下着ってどんなのだったの?
  6. 朝まで三国志2017 三国志の最強軍師は誰だ! 第3部
  7. よかミカンさん はじめての三国志ライター 【三国志トランプ】人物の顔がイメージと違って爆笑
  8. 鍾会を説得する姜維 姜維と鍾会はなんで手を組んだの?二人の思惑を考察

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 司馬遷(しばせん)
  2. 魯粛、周瑜、劉備
  3. 劉備と公孫瓚
  4. 曹操 耳で聞いて覚える三国志
  5. 袁術
  6. 二刀流の劉備
  7. 七星剣

おすすめ記事

  1. 魏の夏侯惇・許褚・龐徳の息子達は優秀だった?気になる将軍たちの息子事情 ホウ徳(龐徳)
  2. 前原一誠は超がつく真面目人間だった! 前原一誠
  3. 『論語』は日本の偉人に大きな影響を与えていたって知ってた?
  4. 【2018年版】『赤兎馬=カバ説』を裏付ける大発見!なんとあの文献に書かれていた?【HMR】 呂布がカバに乗って暴れまわっているシーン(赤兎馬)
  5. 丞相、校尉、都督……? 三国時代の役職(官職)が分かりづらい! 曹操丞相えらいねんで!
  6. キングダム596話ネタバレ雑学「大将軍」という地位は本当にあるの? キングダム

三國志雑学

  1. 五虎大将軍の関羽
  2. 農民から苦学して成り上がり尊敬されるカン沢(闞沢)
  3. 袁術と曹操と黄巾賊
  4. はじめての三国志 画像準備中


“はじめての三国志コメント機能" “はじめての三国志150万PV" “はじめての三国志Youtubeチャンネル" “広告募集" “誤字・脱字・誤植などの報告フォーム"

はじめての三国志 書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. オリンピックを誘致する田畑政治 いだてん
  2. 秦檜(しんかい)
  3. 蜀の馬超
  4. 武田信玄
  5. 平野国臣
  6. 夏侯玄

おすすめ記事

孫権に煽られて憤死する陸遜 陸遜の死後、一族はどうなったの?呉の滅亡後、晋の散騎常侍に仕えた一族達 赤壁の戦いで敗北する曹操 もし赤壁の戦いで曹操が死んだら歴史はどうなっていたの? 郭嘉スマホケース 【はじ三グッズ】可愛い郭嘉のスマホケース(iPhone/Android対応)近日発売予定 二つの中国はどうして出来た? 台湾問題を三国志で分かりやすく解説するよ 知ってた?三国志由来のことばBest5 はじめての三国志からのお知らせ バナー コメント欄・不具合発生のお詫びと復旧のお知らせ 官渡の戦い 騎馬兵 白馬の戦いの場所はどこだった?色々な意味で広い官渡の戦いin白馬の戦い 特集バナー コミュニティのお知らせ 300×250 コミュニティ機能アップデートのお知らせ(10月20日実施)

はじさん企画

“if三国志" 英雄の死因 “三国志とお金" “はじめての漢王朝" “はじめての列子" “はじめての諸子百家" “龍の少年" “読者の声" 袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
英雄の武器 編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志" 英雄の墓特集 誤字・脱字・誤植などの報告フォーム はじめての三国志コメント機能
“邪馬台国"

“三国志人物事典"

“はじめての三国志コメント機能"
PAGE TOP