曹操の詠った漢詩を分析してみよう。いつのことかわかるかな?


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ハイ、それでは、三国志の世界をいろいろな角度から掘り下げていく

「ろひもと理穂の三国志レコード大賞」のコーナーです。

 

後漢末期から三国志の時代にかけて一大ブームになった「五言詩」。

(七言詩が流行り出したのも同じ時期になります)いわゆる漢詩というものですね。

火付け役になったのは魏のメンバーです。

 

 

筆頭は魏の英雄・曹操(そうそう)

息子の曹丕や曹植も曹操の影響を受けて詩の才を発揮しています。

他にも「建安七子」と呼ばれる孔融、陳琳、王粲、徐幹、阮瑀、応瑒、劉禎がいました。

曹操親子と建安七子の詩風は唐の時代に活躍する有名な杜甫や李白からも賞賛されているほどです。

当時の五言詩は、民衆に広まる歌を集めて民意を知ろうとした

楽府という役所にちなんで「楽府詩」と呼ばれていました。

今回はそんな楽府詩の世界を一新するような革新的な詩を創作して

評判になった曹操の若い頃の詩を紹介して、分析してみましょう。

「蒿里行」という作品になります。

皆さんはこれを詠んで、曹操がいつごろ創作したかわかりますか?

 

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1・2行目

 

関東有義士 興兵討群凶

初期会孟津 乃心在咸陽

 

関東というのは中華の東の地域を指します。ここで群凶を討つに兵を興したのです。

最初は孟津に集まりますが、気持ちはもう咸陽に向いています。


3・4行目

 

軍合力不斉 躊躇而雁行

勢利使人争 嗣還自相戕

 

軍としてみんなが集結したものの、躊躇して雁行する

勢利は人をして争わせ、自ら相そこなう

 

5・6行目

 

淮南弟称号 刻璽于北方

鎧甲生飢虱 万姓以死亡

 

淮南にいる弟は称号し、北方では璽を刻むものもいる

鎧には虱が生まれ、万姓もって死亡する


7・8行目

 

白骨露于野 千里無鶏鳴

生民百遺一 念之断人腸

 

白骨は野で露となり、千里のなかで鳴く鶏もいない (露は露われてとも読むそうです)

生きる民は百人に一人 これを念じれば人の腸を断たしむ


  

 

どんな感じでしょうか

 

どうです曹操の詩の雰囲気はつかめましたでしょうか。

続く戦乱によって荒廃した土地と、民衆の惨たらしい有様を嘆いた詩です。

曹操は戦いの中にあっても常に自分の感慨を詩歌として表して残していたのですね。

こうした個人の情感を現した詩は、曹操から生まれ、やがて発展を遂げることになります。

ちなみに1行目の群凶とは、当時の朝廷を掌握し政治を独占した董卓のことです。

2行目の咸陽は長安のことで、董卓がすでに長安に遷都していたことがわかります。

3行目の雁行とは誰も前に進み出ない状態を示しています。

そう言えば反董卓連合は毎日のように酒盛りをして持久戦をしていたそうです。

5行目の淮南の弟が称号するとは、寿春の袁術が皇帝を自称したことを表しています。

このような戦乱によって民衆は被害を受け、

土地に残った者は百人に一人だったそうです。

多くは死に絶え、残った民衆も荊州などの比較的安全な土地に逃げていきました。

反董卓連合結成から袁術の独立までの期間の中原の荒廃ぶりを目の当たりにして、

心を痛めた曹操の五言詩ということになります。

 

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三国志ライター ろひもと理穂の独り言

 

柄にもなく漢詩なんて紹介してみました。いかがでしたか。

曹操の凄いところは詩を詠んで嘆くだけでなく、

政治の力を用いてその荒廃した土地を復興した点です。

感情を詠むことは詩人であれば誰でもできるのでしょうが、

そこから改善に動ける者はそういません。

このひとつを取ってみても曹操が英雄であったことがわかりますね。

また、仕事のできる人間は時間の使い方が上手いなんて言いますが、

まさに曹操はそうだったのかもしれませんね。

四方八方が敵の状態で、よくも漢詩を詠んでいる余裕があったものです。

まあ、それが曹操の魅力かもしれませんが。

 

皆さんはどうお考えですか。

 

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—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 


 

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