舜水樹(しゅんすいじゅ)は実在したの?李牧の右腕は史実通りなのか?

2017年5月30日


 

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キングダム 46 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

 

大人気、春秋戦国時代漫画、キングダム、現在漫画は鄴(ぎょう)城を巡り、

王翦(おうせん)李牧(りぼく)が正面から激突か?という所なのですが、

ここで李牧は突然、北で楊端和(ようたんわ)と睨みあう公孫龍(こうそんりゅう)を

腹心の舜水樹(しゅんすいじゅ)と交替するという指令を出しました。

万能と言うだけあり、これまで大きな失点はない公孫龍を敢えて交替する、

というのですから、舜水樹は、よほどの人物のようです。

今回は、イマイチ、凄さが伝わらない舜水樹について考えてみます。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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イケメンだけど、みかんの皮みたいな髪型 舜水樹は実在する?

 

舜水樹という人は、史書を読む限り、出現しません。

つまり、キングダムのオリジナルのキャラクターだと断定していいでしょう。

イケメンだけど、髪型がみかんの皮のような、キングダムではたまに出現する

楚の汗明(かんめい)のような、奇抜なヘアスタイルの系譜に連なる人です。

それでも、桓騎(かんき)の配下のオギコの髪型に比べると、まともなんですけどね。

 



舜水樹の能力は、見えないモノを見る能力

 

舜水樹の大手柄と言えば、昌平(しょうへい)君が考えた、

黒羊丘(こくようきゅう)へ進軍すると見せ掛けて途中の金安に兵糧を備蓄し、

一気に趙の国門の列尾(れつび)を抜くという計略を見抜いて

逸早く秦軍の狙いが鄴である事を李牧に伝書鳩で知らせた点です。

 

それ以前に、李牧は舜水樹に、秦軍の兵糧の流れに注意しなさいと

アドバイスを受けており、それが反映された形です。

 

しかも、舜水樹が昌平君の計略に気付いたのは、ホンの些細な事で、

何でもない中継地の金安の警戒が厳重でスパイが入り込めない事から、

ここに何かあると踏んで、秦軍の進路変更を予測しました。

 

この点でみると、僅かな異変も見逃さない洞察力が舜水樹の能力でしょう。

それは李牧以上のモノなのかも知れません。

 

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公孫龍将軍の北の遺児発言は何を意味するのか?

 

では、肝心の戦争の采配はどうでしょうか?

残念ながら、今までにその戦闘指揮能力を示すような描写はありません。

ですが、気になるワードが公孫龍から出されました。

それが「北の遺児か・・」という意味深な発言です。

 

そして、さらに李牧が言った遼陽(りょうよう)城に巣くう連中とは何でしょう?

公孫龍も知らないようでしたし、遼陽城には、特殊部隊でも潜んでいるのか・・

それもまた、舜水樹と関係するのかも知れません。

 

北の遺児から推測、舜水樹は白狄人の血を引く遊牧民

 

ここからは、全くの予想ですが、kawausoは、舜水樹はかつて趙の領内にいた

異民族、白狄(はくてき)人の子孫か血を引く人物だと思います。

彼等は、かつて中山国を建国して、胡服して騎射する人々で趙を散々に

悩ませる存在でした。

 

それを同じく、胡服騎射で武装して破ったのが趙の武霊(ぶれい)王です。

もしかして、この時に一部の狄人は趙に同化せず、自分達の習俗を守りながら、

遼陽城の中に巣くっていたとしたら面白いですよね。

そして、舜水樹は、彼等にとり、王族にあたる人だとしたら・・

狄人の遺民は趙軍に参加して、山の民と異民族同士で激突する、

そのようなシナリオが描けるのではないでしょうか?

 

同じ異民族なら、充分、山の民にも対抗できますし、

また、山の民の戦闘スタイルも或る程度熟知しているとも考えられます。

だからこそ、李牧は舜水樹を公孫龍に代えて楊端和に対抗させたのでしょう。

 

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キングダムウォッチャーkawausoの独り言

 

地味な話ですけど、舜水樹って、伝書鳩を放ってから、驚くべきスピードで

西から戻る李牧の一団に合流しているんですよね。

これも、非常に馬の扱いに長けている、遊牧民の血をうけ継いでいるという

一つの伏線なのではないでしょうか?

 

もちろん、楊端和が簡単に舜水樹に敗北するとは、思えませんが、

少なくとも楽勝で趙軍を押しつぶす事は出来ないと思います。

 

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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