中国は、EU加盟国がぜんぶすっぽり入ってしまうほど大きな国。
地域によって気候も文化も人情も、ものすご~く違います。
出身州別 三国志キャラの性格診断。全十三州のうちの二州を前回ご紹介し、
今回は第二回目です!
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この記事の目次
No.3 冀州(きしゅう)出身――趙雲(ちょううん)
冀州(きしゅう)は、現在の河北省あたりです。
冀州出身の趙雲(ちょううん)は、蜀(しょく)のオヤビン劉備(りゅうび)の懐刀として、
オヤビンの病める時も健やかなる時も身を粉にしてご奉公し、
オヤビンから「子竜(しりょう。趙雲のあざな)は一身これ肝なり」と賞賛された
頼れるナイスガイ。
さて、河北人の特徴は、
慷慨悲歌(こうがいひか。社会の不正や乱れを憤り嘆くこと)の士が多い。
誠実で実直。独立性に欠ける。
【誠実で実直】は趙雲のイメージにぴったりです。
【慷慨悲歌】と【独立性に欠ける】は分りませんね……
趙雲に関しては、一生懸命働く姿の描写はあってもキャラ的な描写はありませんからね。
河北人の「独立性に欠ける」というイメージは、北京の近郊という位置に
甘んじて大人しく過ごしていることからきているようです。
なるほど……関羽・張飛・馬超・黄忠が前将軍・右将軍・左将軍・後将軍になったのに
自分だけ前線指揮官のままでも大人しく勤めていた趙雲の姿に重なります。
No.4 兗州(えんしゅう)出身――李典(りてん)
兗州(えんしゅう)は現在の山東省、河北省、河南省にまたがっていました。
かつて叔父の仇の一味であった張遼(ちょうりょう)とともに合肥(がっぴ)の守備に
つくことになり、個人的な恨みを封印して張遼と力を合わせて合肥を守ったナイスガイ。
李典は現在の山東省の出身です。さて、山東人の特徴は、
体格がよく、声も大きく、性格は豪快。主君に忠実で、利を軽んじ名を重んじる。
地元愛が強く、どこへ行っても地元の方言でしゃべる。
なるほど、【利を軽んじ名を重んじる】ですか。そう言われてみれば、
李典が叔父さんの仇の一味であったという理由で同僚の張遼のことを
長らく恨んでいたわけもわかります。中国では、名を重んじることと
仇討ちをおろそかにしないことはほとんど同義語ですから、
叔父さんのことをなあなあに済ませて仲良しごっこすることは難しかったはずです。
それでも私怨を封印して張遼と協調したのは、山東人の【主君に忠実】属性の賜物かも。
■古代中国の暮らしぶりがよくわかる■
No.5 徐州(じょしゅう)出身――諸葛亮(しょかつりょう)
徐州(じょしゅう)は現在の山東省、江蘇省にまたがっていました。
徐州出身の諸葛亮(しょかつりょう)は、蜀(しょく)のオヤビン劉備(りゅうび)に
仕え、オヤビン没後も二代目の劉禅(りゅうぜん)に仕えて粉骨砕身して働いた人。
丞相(じょうしょう。総理大臣みたいなもの)として政治も軍権も一手に握り
独裁体制を敷いていたにもかかわらず、劉禅を立てて真心勤務だったことから、
忠臣の代名詞みたいになってます。諸葛亮は現在の山東省出身で、
山東人の特徴はさきほど兗州(えんしゅう)の李典のところで書いた通りです。
山東人の【主君に忠実で、利を軽んじ名を重んじる】は諸葛亮に合っていますね。
忠実そのもののイメージですし、欲得に目がくらんで汚いことをしたなんて話は
一つも聞きません。【体格がよく】も当たっていますね。諸葛亮の身長は八尺、
当時としてはちょっとびっくりされるくらいの高身長でした。
三国志ライター よかミカンの独り言
山東省に関しては、「山東大漢」という言葉が全国的に知られているほど、
のっぽ大国として有名です。諸葛亮の高身長も、いかにも山東人らしいな、
という受け止められ方をしています。また、山東人は地元愛が強くて
よそへ行っても方言でしゃべるというイメージも強く、山東出身の諸葛亮が
ものすごくなまった口調で出師の表(すいしのひょう)を読むとか、
ものすごくなまった口調で馬謖(ばしょく)を叱るとか、そういう漫才のネタもあります。
実際の諸葛亮も、ひょっとすると出身地の方言のままで蜀(しょく)で
しゃべっていたかもしれませんね。
魏延(ぎえん)との確執も、案外、言葉の壁が原因だったりして!?
出身州別 性格診断、次回は青州(せいしゅう)の太史慈(たいしじ)、
涼州(りょうしゅう)の董卓(とうたく)、并州(へいしゅう)の呂布(りょふ)です。
お楽しみに!
次回記事:【出身州別】三国志キャラの性格診断 第三回:青州(せいしゅう)、涼州(りょうしゅう)、并州(へいしゅう)編
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