中国の三国志の英雄と日本の戦国時代の英雄のコラボは、私たちの想像力をかきたてますね。時代を超え、国境を超えて共闘したらどうなるのか?両者の長所は引き出されるのでしょうか?
それとも意外に実力を出し切れなかったりするのでしょうか?今回は三国志を代表する呉の英雄「陸遜(りくそん)」と、豊臣秀吉の軍師として名高い「竹中半兵衛(たけなかはんべい)」が共に手を組んで戦ったらどうなるのかを想像していきましょう。
三国志の呉で共闘したら
どちらの時代で共闘するのかで話も変わってきますので、まずは三国志の時代で考えてみましょう。
竹中半兵衛は織田信長の命令に背き、密かに黒田官兵衛の子供をかくまっていました。しかし黒田官兵衛は織田信長を裏切ってはおらず、長く幽閉されていただけだったのです。
竹中半兵衛の臨機応変な対応によって黒田官兵衛の忠義は報われたのです。竹中半兵衛が呉にいたら、孫権の後継者問題を上手に解決できたかもしれません。戦場でのエピソードではありませんが、これにより孫権と衝突して陸遜が憤死することもなくなります。呉の衰退は防げたかもしれません。
豊臣秀吉の家臣として共闘したら
豊臣秀吉の性格からして、竹中半兵衛同様に戦略・戦術に長けて忠義に篤い陸遜を重用するのは間違いないでしょう。まあ、豊臣秀吉は陸遜の手を借りなくても天下統一を実現しているわけですから、陸遜が特別必要というわけではありません。戦場に軍師格が二人いても決断が鈍る可能性もあります。
陸遜が活躍するとしたら竹中半兵衛の没後でしょうか。そこには黒田官兵衛という天才軍師がいますが、戦線も拡大しているので陸遜の価値も高まりますね。徳川家康との「小牧・長久手の戦い」あたりで活躍したのではないでしょうか。もしかするとここで徳川家康を大敗させたかもしれません。
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そもそも軍師が二人いて戦力がアップするのか
参謀であれば複数いても、参考にする案が増えるだけなので問題ないのでしょうが、軍師の立場は一般的に武将よりも格上で、司令官的な役割も兼ね備えています。
総大将に豊臣秀吉がいるのであれば両者の意見を聞いても即断できますが、そうでない場合、同格の軍師が二人いれば命令系統に混乱が生じる可能性もあるのです。長篠の戦いの際には竹中半兵衛は自分の見通しを話、誘導されて振り回される豊臣秀吉には従わずに別行動で陣を守り抜いています。竹中半兵衛がいなければ豊臣秀吉は武田軍に蹂躙されていたことでしょう。
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主君はどちらの意見を尊重するのか
竹中半兵衛も芯が強く、なかなか頑固なところがありますので、孫権にせよ、豊臣秀吉にせよ扱いは慎重になったのではないでしょうか。主君であろうが筋の通らない振る舞いをしたら、主君の城を策略で落とすことをやってのける漢(おとこ)です。
陸遜は諸先輩方に対しても意見を押し通す意思の強さを誇っています。夷陵の戦いの際には勝つために、王族だろうが古参の将が相手であろうが容赦なく振る舞いました。深謀はピカイチの二人ですが、図太さいう点においても共通する強いメンタルを持っています。仮に二人が同時にいたとすると、主張してくる意見が分かれた時が最悪ですね。内側から軍勢は瓦解しかねません。同じような戦略を提案してくれることを期待してしまいますね。
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三国志ライターろひもとの独り言
私が今回の企画で一番感じたのは、陸遜と竹中半兵衛がタイプ的すごく似ているということです。冷静沈着で、リスク管理が上手く、主君が見えていない先の将来まで見通すことのできる器です。個人的に一番見たいのは、竹名半兵衛が早世せず、陸遜と組んで大阪城を徳川家の侵攻から守るとういうものですね。
粘ること、好機と見るや一気呵成に攻められる陸遜がいれば、同じタイプの徳川家康もそう易々と手を出せなかったのではないでしょうか。そんな「大坂の陣」が見てみたいですね。
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