よかミカンの三国志入門
三顧の礼




はじめての三国志

menu

はじめての変

能ある鷹は爪を隠す!『三国志』に見る韜晦の計




鷲

 

大空を気持ちよさそうに旋回する(たか)

見ていると何だかこちらの心も大きくなるような優美さ。

 

彼らは大空を飛んでいるとき、

その力強い脚を小さく小さく

折り曲げているのをご存知ですか?

 

そんな彼らも獲物を見つけると、

獲物に狙いを定めつつ、

徐々に高度を下げていきます。

 

そしていざ、

獲物につかみかかろうというその瞬間、

その脚をグワッと広げて襲い掛かるのです。

 

上下方向の遠近感に疎い獲物は、

脚を小さく畳んで遥か上空を旋回していたかに思われた鷹に

突然首元を捕まれて「ギッ」と小さく悲鳴を上げますが、

なすすべもなく連れ去られてしまいます。

 

そんな鷹の狩りの様子を見た人が

「能ある鷹は爪を隠す」

という言葉を作ったのだとか。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:【シミルボン】バカっぽい?酒を煮て英雄を論ずは、もう少し知的だった

関連記事:スーパーDr華佗が曹操に殺された意外な理由に涙・・

 

 

韜晦の計

陳平

 

自分の手の内を相手に悟られないように隠すことができるのは、

何も鷹だけではありません。

 

人間も自分の身分や本心、才能

その他諸々のデータを隠しておきたい生き物。

 

特に、それほど親しくない相手や、

むしろ敵対関係にある相手には

自分のことをなるべく隠しておきたいもの。

 

実際、日常生活を営んでいくに当たり

大なり小なり誰もがこの「韜晦(とうかい)」を巧みに使って

人間関係を円滑にしようと鋭意努力しています。

 

その中でも、

特に相手に油断させるために自分を実際よりうんと小さく見せ、

いざというときに本領を発揮して相手を打ち負かそうという計略は

「韜晦の計」と呼ばれています。

 

そんな「韜晦の計」が使われた名場面が『三国志』にもあるのです。

 

 

劉備、雷を恐れる

劉備

 

曹操(そうそう)に敗れてボロ雑巾のようななりで

劉備(りゅうび)の元に転がり込んできた呂布(りょふ)

せっかく助けてやった劉備ですが、

留守にした途端、

不義理の代名詞・呂布に徐州をまるっと

乗っ取られてしまいました。

 

兵を集めて奪い返そうとしますが、

呂布にあっさり負けてしまった劉備は

仕方なく曹操の元へ身を寄せます。

 

いつかは必ず対峙しなければならない

曹操に手の内を晒すわけにもいかず、

兵の訓練をするでなく、

農夫よろしく畑を耕す日々をおくる劉備。

劉備

 

これで曹操も私を凡夫だと思うだろう…。

 

しかし、ある日の会食の最中、

曹操がこんなことを聞いてきます。

 

「君は天下の英雄といえば誰を思い浮かべるかな?」

 

突然の質問に、

その意図も推し量れずにしどろもどりになりながら、

袁紹様でしょうか…?」

ととりあえず答えてみた劉備。

 

ところがこれに対して

曹操は次のように言い放ちます。

劉備と曹操

 

袁紹など大した器ではない!

今、天下の英雄と呼べるものは2人だけ。

私とあなただけだ!」

 

この言葉を聞いて、

驚きのあまり箸を落としてしまった劉備。

 

同時に、

ピシャーン!

と落ちる雷。

 

演出ではなく、

本当に雷がその瞬間に落ちたのです。

曹操に雷が落ちて驚く劉備

 

急いで身を屈める劉備。

 

これを見て、

劉備が雷に驚いたのだと思った曹操は高笑い。

 

その時劉備は

曹操に自分も天下を狙う者の一人だと

見破られたことにドキドキしていましたが、

とっさに雷を怖がったふりをして、

曹操に「思ったより大したことのない奴なんだな」と

思わせることに成功しています。

 

これが劉備のファインプレー・韜晦の計なのでした。

 

時代を超えて愛される中国四大奇書「はじめての西遊記はじめての西遊記

 

司馬懿、ボケ老人を装う

ボケ老人を装う司馬懿

 

曹丕(そうひ)曹叡(そうえい)と2代にわたって魏を支え続けた司馬懿(しばい)ですが、

曹叡の死後、次期皇帝・曹芳(そうほう)の補佐を共に託された曹爽(そうそう)

ひたすら目の敵にされてしまいます。

 

魏をほしいままに操りたい曹爽

司馬懿を名ばかり名誉職の太傅(たいふ)に任じますが、

司馬懿なしで他国とやりあうことはできなかったため、

相変わらず司馬懿は軍事権を持たされていました。

 

表向きは対立していないかのように見えた両者でしたが、

司馬懿が反対し続けていた蜀漢出兵に曹爽が失敗してからは

その争いが表面化。

司馬懿

 

司馬懿がどんなに忠告しても聞き入れず失敗を重ねる曹爽。

 

それが嫌になった司馬懿は

年も年だし病気だし

ということで引退を決意します。

 

ところが、

「あの爺がそう簡単に引き下がるわけがない」

と思っていた曹爽は見舞いという名の

探りを入れるための使者を出します。

 

目をつけられているなと悟った司馬懿は、

見舞いの使者の言葉を何度も聞き間違えたり、

薬をダラダラとこぼしてみたりと、

テンプレのようなボケっぷりを演じて見せました。

曹爽

 

それを聞いて安心しきった曹爽。

ついに我が世を手に入れたと大喜びします。

 

ところが、それほど時を待たずして

司馬懿は油断しきっている曹爽の背中に突然襲い掛かるのでした、

 

相手を油断させる鷹のような知恵。

老いても変わらぬ司馬懿の聡明さには脱帽します。

 

※この記事は、はじめての三国志に投稿された記事を再構成したものです。

 

元記事:何で劉備と司馬懿は無能な人間のふりをしたの?分かりやすく解説してみるよ

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:【三国志ライフハック】司馬懿に見習い 勝ちパターンを生み出せ!

関連記事:【徹底追及】劉備はどうしてあんないい加減な性格なのか?

 

古代中国・超科学の世界に挑戦する HMR

HMR  

はじめての三国志 編集部

はじめての三国志 編集部

投稿者の記事一覧

三国志の世界観や登場人物を『楽しく・ゆるく・わかりやすく』をモットーに紹介するプラットフォームメディアです。

https://hajimete-sangokushi.com/

関連記事

  1. 蜀の武将・張達(ちょうたつ)と范彊(はんきょう)に同情の余地はあ…
  2. 周瑜公瑾の輝かしい功績
  3. kawausoって、何者?
  4. 劉備と呂布を仲たがいさせよ!駆虎呑狼の計
  5. 頭がキーン…頭痛に悩んだ曹操、三国志演義は医学的に正しかった?曹…
  6. 諸葛亮をこよなく愛した土井晩翠、星落秋風五丈原が後世でも形を変え…
  7. 孟獲(もうかく)はインテリ男子?南蛮征伐は孔明と孟獲のヤラセだっ…
  8. 『三国志演義』の原典?『三国志平話』とは?

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 幕末 帝国議会

おすすめ記事

  1. キングダム556話「王翦の守り」ネタバレ&レビュー
  2. 【織田信長の性格】浅井長政が叛いたのは信長がジャイアンだから
  3. 【おんな城主・井伊直虎ネタバレ感想】第41話「この玄関の片隅で」
  4. 武田晴信の領地経営と甲州法度をざっくりと分かりやすく紹介! 真田丸 武田信玄
  5. 【キングダム】驚愕!信の血筋はなんと皇帝に即位していた!
  6. キングダムネタバレ予想 壁は大将軍になるのか?

三國志雑学

“はじめての三国志150万PV" はじめての三国志コミュニティ総合トピック
“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. 幕末軍服姿の西郷どん 西郷隆盛

おすすめ記事

【出身州別】三国志キャラの性格診断 第五回:荊州(けいしゅう)、揚州(ようしゅう)編 郭嘉が断言した曹操が袁紹に勝つ10の理由 【元祖】那須与一は呂布だった?弓矢の実力も一流の呂布の逸話 劉備の観察眼をもってしても見破ることのできなかった人物Xとは? はじめての三国志編集長 kawauso 「見てる媒体」から「見たい媒体」へ脱皮宣言!はじ三公孫瓚特集 三国志時代にタイムスリップしたらあなたはどこに仕えたい?魏?呉?それとも蜀? 蒙毅(もうき)ってどんな人?趙高に恨まれて悲劇の最期を迎える文官 馬場信春(ばばのぶはる)とはどんな人?鬼と呼ばれた武田四名臣の一人

おすすめ記事

  1. 戦国時代最大のミステリー・本能寺の変の謎に迫る!!
  2. 山内容堂の死因は「やけ酒?」ストレスを抱えることになった理由とは?
  3. 【センゴク】織田信長って本当は優しく思いやりのある性格だった!
  4. 【日本神話の逆襲】出雲王国とたたら製鉄に見る朝鮮半島との繋がり
  5. 第2話:袁術くん、将来に希望を持つために「自己肯定感」を高める
  6. 中国三大悪女に名を連ねた劉邦の妻・呂雉(りょち)とはどんな人?とても怖い実話
  7. 趙奢(ちょうしゃ)とはどんな人?趙の三大天最後の一人で政治・軍事両方に秀でた名将【後半】
  8. 第1話:袁術くん、ポジティブになるために「リフレ―ミング」を学ぶ

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“水滸伝"

“三国志人物事典"

PAGE TOP