異名がカッコイイ三国志!劉備の異名にはどんなものがあるのか調べてみた

2019年7月30日


 

周瑜、孔明、劉備、曹操 それぞれの列伝・正史三国志

 

三国志では「異名」が良く出てきます。

 

挑発する諸葛亮孔明

 

諸葛亮(しょかつりょう)なら伏龍、龐統(ほうとう)なら鳳雛、古の豪傑になぞらえて悪来……などなど、とても全員分をここでは書ききれません。そこで今回は三国志の主人公格の一人でもある劉備(りゅうび)に注目して、その異名にどんなものがあるのか調べてみました!

 

 

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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劉備の見た目の異名

劉備

 

まずは見た目から名付けられた劉備の異名として「大耳児」というものがあります。これはどちらかというと蔑称のようなものであり、処刑される前の呂布(りょふ)が劉備をこう呼んだとされています。肖像画で見る限りでは「大きめ」といった印象ですが、当時としては大きい耳だったのかもしれません。

 

 

劉備 危機一髪

因みに劉備の見た目は他にも非常に特徴があり、膝まで手が長いだとか、目が自分の耳を見ることができたなどというトンデモ記述が残されています。こちらは『三国志人物鑑定辞典』で「多才」「細かいところまで目端が利く」という劉備の聡明さを表した文章なのではないかと説明をされていました。

 

二刀流の劉備

 

それと劉備は「蜀書」によると「潞涿君」、髭の薄い人物という意味で呼ばれたこともあります。虎髭、美髭と呼ばれた二人の義兄弟と比べると劉備が髭が薄いというのは、こちらもいまいち褒められている感じがしない呼び名ですね。

 

 

 



「泣きの劉備」という異名がある!?

 

さて劉備の呼び名を調べていると「泣きの劉備」という単語が出てきました。こちらは筆者も聞いたことがありません。そこで三国志を必死に調べてみたのですが……一体どこに記述があるのやら。

 

劉備孔明と出会う?

 

申し訳ないのですが正史である三国志は、ほんの少しの調べ物をするのに向いていない……。ですが何度か読んでいますが、劉備にそんな異名があると見かけたことは記憶にありません。もしよろしければ正史のどこにそのような記述があるのか、皆さんこっそり教えて頂けると幸いです。

 

三国志の主人公の劉備

 

しかし「異名があった!」「でもどこにあるのかソースは分からん!」ではお話になりませんね。そこでこの泣きの劉備に関して、ちょっとした考察をさせて頂きたいと思います。

 

 

良く泣く劉備、良く笑う曹操

劉備と曹操

 

三国志演義を見ると、曹操は非常に良く笑います。豪快に笑い、時にニヤリと含み笑い、曹操は非常に良く笑います。対して劉備と言えば、とても良く泣いているのです。

 

曹操

 

時に不安を抱き、時に不満を抱き、時に誰かのために、時に自分の身を振り返って……劉備は曹操に比べて、非常に良く泣くのです。これは一種の対比として、三国志演義で二人の英傑に添えられた演出、イメージでしょう。

 

 

これを踏まえて「泣きの劉備」という言葉が生まれたのでは……?というのが筆者の考察です。

 

 

「先主」という呼び名「劉皇叔」という呼び名

劉禅

 

劉備の諡号は昭烈帝(しょうれつてい)と言いますが、三国志では先主と呼ばれています。劉備のあとを継いだ劉禅(りゅうぜん)は後主と呼ばれています。

 

蜀の皇帝に即位した劉備

 

またこちらは三国志演義ですが、劉備は途中から「劉皇叔」と呼ばれるようになります。この文字から察することができますが、これは「皇帝の叔父」という意味です。この呼び名、異名はちょっと不遜な呼び方だなぁと思ってしまいますね。

 

劉備

 

というのも劉備は前漢の景帝の第9子、中山靖王劉勝の庶子の劉貞の末裔と言われています。

 

が、劉勝は子と孫も含めて120人以上の子を残しているので、その系譜は物凄くややこしいことになっているので、実際にはどこまで本当かどうかは……ちょっと、うーん……という所ですね。しかし三国志演義ではこれが皇帝の前で正式に認められるという驚きのシーンが描かれているので、劉備の呼び名としてこの異名があるのでしょう。

 

貴種流離譚ではありませんが、高貴な人物が色々な流れを汲んで元の高貴な身分へと戻っていく……これは現代でも「受ける」ストーリーでもあるので、三国志演義ではこれをいち早く取り入れていた、と筆者は考えています。

 

三国志ライター センの独り言

三国志ライター セン

 

劉備の異名に関して、色々なものを調べてみました。今回は劉備でしたが、三国志では他にも色々な異名が出てきます。皆さんはどんな異名が好きですか?

 

司馬徽とホウ統

 

なお筆者は断然「伏龍」「鳳雛」です。良ければ皆さんも自分の好きな異名を、教えて下さいね。

 

参考:劉備 wikipedia

 

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三国志平話

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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