呂布はどんな性格だったの?天下無双の武将を考察

2019年8月16日


 

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赤兎馬

 

赤兎馬(せきとば)に乗って、戟を軽々と振り回す豪傑。曹操(そうそう)関羽(かんう)と並ぶ三国時代を代表する武将です。呂布(りょふ)には豪傑というイメージが湧きますが、具体的にはどんな性格だったのでしょうか。

 

赤兎馬と呂布

 

部下やライバルにスポットを当てて、呂布の性格診断をしてみましょう。なお、記事は三国志演義をベースにしています。

 

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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部下が思う呂布の長所と短所

呂布に従う陳宮

 

呂布は無双、敵を全てなぎ倒す」とは軍師・陳宮(ちんきゅう)の言葉。陳宮は曹操を裏切って呂布サイドについた人物です。

 

怒る陳宮

 

おそらく多くの人が抱く呂布のイメージにもっとも近いものでしょう。軍師ゆえに呂布に気を使ったのかもしれませんが、呂布の腕力は相当なものだったと三国時代のどの武将も称えています。

 

董卓(とうたく)を殺し、敵をも震撼させた

 

高順

 

これは高順(こうじゅん)という武将のセリフで、地位は「中郎将」でした。

 

高順が呂布に疎んじられた理由

 

いわゆる呂布一味のナンバー2です。ここでいう敵とは外国のこと。主に北方勢力の敵を指しています。当時、董卓が治めていたのは「後漢」。

 

呂布に暗殺される董卓

 

やや崩壊気味な国家でしたが、国のトップを抹殺した事実は変わりません。これによって呂布は出世します。

 

滅亡した国家の大半は明晰な大臣のアドバイスに耳を貸さなかったため。将軍(呂布)の行動は軽率で誤解を招くこともあり、何度も失敗していた

 

高順が呂布に疎んじられた理由

 

これも同じく高順の評価です。呂布と高順の間で戦の際に何度も議論が交わされていた様子が想像できるでしょう。これだけ非難しつつも高順は呂布の命令に不満を漏らさなかったと言われています。

 

高順が呂布に疎んじられた理由

 

天下に名を馳せた時期もあったことから、尊敬していたに違いありません。高順には現代日本の中間管理職のような苦慮があったのかもしれません。

 



敵が考える呂布の性格

呂布のラストウォー 処刑される呂布

 

呂布は狼のごとく野心を抱き、飼いならすのが難しい。また思慮深いとも言えない

 

これは呂布を縄で縛りあげた曹操の言葉です。曹操は人を見抜く力に長け、多くの部下に助けられています。呂布の横暴さや性格・行動を見て、仲間に引き入れるには難しい様子を表現した曹操の言葉。

 

曹操に命乞いをする呂布と反対する劉備

 

曹操は呂布を捕らえたとき、劉備を手下に加えていました。呂布がどんなセリフを吐こうとも決して信じず、呂布を討ちました。過去に義理の親であった董卓を殺してしまったことや、後漢時代の呂布を知っている曹操は決して呂布を信用しませんでした。

 

呂布に仕える袁渙

 

腕のある人物は敵でも登用した曹操ですが、呂布だけはパーティーに加えません。きっと「仲間にしてよオーラ」が足りなかったのでしょう。

 

後世の呂布の評価

生卵を飲む呂布

 

呂布は猛虎のごとく勇ましいが、智謀知略に欠け、行動も目に余る。ただ目の前の利益ばかりを追っている。これまで滅ぼされなかったことが不思議なくらいだ」とは史書・三国志を書いた陳寿の言葉。

 

晋蜀の産まれ 陳寿

 

魏の後を継いだ「晋」で歴史家として名高い人物です。彼がいなければ、三国志がここまで有名になることはなかったでしょう。多くの三国志のストーリーは陳寿(ちんじゅ)の書いた史書・三国志(魏書・呉書・蜀書)を参考にして書かれています。

 

方天画戟を持つ呂布

 

つまり、腕力はあるが、策を練るのが下手だという論評です。一対一での戦闘なら呂布は天下無双ですが、何千もの兵を率いて軍隊を統率するという点では劣っていたということです。呂布の性格を見事に表した陳寿、呂布の単純さを罵りながらも腕っぷしの強さだけは買っていたようです。

 

めちゃくちゃ強い呂布

 

そもそも呂布が義理の親である董卓を殺してしまったのも敵の罠によるもの。もっとうまく立ち回っていれば、三国時代も変わっていたかもしれないと取ることもできます。陳寿の書いた史書は素晴らしく、やや蜀をひいきしたようにも見えますが、出身が四川なのだから仕方ないでしょう。

 

三国志ライター上海くじらの独り言

三国志ライター 上海くじら

 

総じて呂布は策を練るのは苦手で行動も短絡的だが武力だけは天下一品、というのが周囲の評価です。

 

曹操に捕らわれる高順、呂布、陳宮

 

あまり深く考えずに行動するところがあり、部下に高順や陳宮を抱えていなければ、もっと早く命を落としていてもおかしくありません。また、腕力が強すぎるが故に仲間にすると自分の身が危ないと思わせてしまうのも欠点だったのでしょう。

 

関羽が大好きすぎる曹操

 

これが関羽のように忠義に厚い人物なら曹操が仲間にしたかもしれません。ところが呂布の行動は目に余り、何度も主君を裏切っていることから、曹操はあっさり首を取ってしまいます。

 

呂布のあっけない最後

 

まるでFBIが長年追っていた国際指名手配犯を捕まえたときのような感覚。捕らえた呂布の縄を緩めるどころか、さらにきつく縛っています。

 

参考書籍:「三国演義(中国語版)」羅貫中/長江文芸出版社

 

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呂布

 

 

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上海くじら

三国志との出会いは高校生の頃に読んだマンガの三国志。 上海留学中に『三国志演義』の原文を読む。 また、偶然出会った中国人と曹操について語り合ったことも……。 もちろんゲームの三国無双も大好きです。 好きな歴史人物: 曹操、クリストファー・コロンブス 何か一言: 覇道を以って中原を制す

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