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キングダム「信の必勝法は攻撃しない事!」

2019年12月4日


 

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ホウ煖(龐煖)
大人気春秋戦国時代漫画キングダム人類救済(じんるいきゅうさい)という超上から目線発言のせいで(わず)かなファンまで失ったぽい龐煖(ほうけん)ですが、それでも手が付けられないほどに強い事には違いありません。ただでさえ劣勢の信ですが勝利する方法は、案外近い場所にあるのかも知れません。それは、ひたすら耐えて攻撃しない事なのです。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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沈黙は金、雄弁は銀

 

格言にも沈黙(ちんもく)は金、雄弁は銀などというものがあります。一見すると議論が強い方が有利に思えますが、人間は本質的に負けたくないですから、どんなに完璧な理屈で言い負かされても、容易(ようい)に負けを認めません。しまいには議論をすり替えて引き延ばしにかかり、「結論が出ないから引き分けな!」と強引に幕引きをはかったりします。

盧植と何進

 

どうして、こうなるのかと言えば、完璧な理詰めで追い詰めてしまったからです。小学生の時に、都合が悪い事を言われると、両手で耳を(ふさ)いで、「あーーーーー!きこえなーいーー」と大声を出して現実逃避(げんじつとうひ)をした事はありませんか?ああいう事です。

これを戦いに応用すれば、相手の攻撃を受けるばかりで、こちらからは積極的に打たない事です。その内、相手はこいつはどうして攻撃してこないのか?と不安になり(いぶか)しむ事でしょう。龐煖のような頭デッカチには、案外そういうのが効くかも知れません。

 

よく見ると信は自ら攻撃していない

 

その証拠かどうか不明ですが、信は龐煖と激突した622話から積極的に自分から打って出ていません。「何故なんだ龐煖」と叫んでからは、龐煖の攻撃を受けるだけであり、ダメージは受けていますが、不気味な沈黙を守っています。

 

龐煖はリアクション男ですし、憎しみには憎しみを以て()ねつける戦い方をしています。馬陽での王騎(おうき)との一戦もそうでした。王騎は婚約者を殺された憎しみを龐煖にぶつけ、龐煖はその憎しみを反射する戦い方をしていました。

しかし、一方で死に損ないの胡漸(こぜん)ジイの剣の一撃を龐煖は避け損ないました。偶然に思えますが、実は龐煖向かってくる意志がない者と戦う事を苦手としているのかも知れません。

 

キングダムネタバレ考察

 

答えを知りたい龐煖は焦れて口を開く

 

信も何故なんだと叫んでいましたが、龐煖も信が答えを持っていると悟っています。ところが、信はひたすら攻撃を受け続けるだけで何も言わない、攻撃を仕掛けている事もない。これは龐煖にとって()れる展開です。もちろん、一刀の下に信を葬りされれば、そんな事は気にしなくてもいいですが、信は負ける事なく、何か言いたげに耐えています。

 

龐煖にとってはそれは不気味でしょう、何度攻撃しても立ち上がっている信に対して、必ず口を開くと思うのです。

はい、ここが大事です。こっちから話しかけても、「カエルの小便よりもゲスな、ゲスな波紋(はもん)なんぞをよくもこの俺に!」とディオ様的な考え方しかしない龐煖だからこそ、あっちから対話を求めてくるのがポイントになると思います。

 

聖闘士星矢的な必勝法

 

何度やられても、立ち上がってくる相手というのはやはり不気味なものです。その効果はボクシング漫画でも実証済みでしょう。何度ぶん殴っても効いている様子もなく立ち上がる、「こ、こいつ、バケモノか」「い、いったいどうなってやがる」ハードパンチャーであればあるほど、己のパンチ力に自信があるので、それが効かないと思い込むと動揺します。

姜維

 

そして、最後には「これで終わりだァーー!」と大ぶりなストレートを仕掛けてきて、その隙だらけの顔面に主人公の起死回生の一撃を喰らって崩れ去るのです。このパターンは名作聖闘士星矢(せいんとせいや)でもよく出てきます。最初から全力を尽くせば倒せるのに、たかがブロンズ聖闘士と侮ってゴールド聖闘士達が力を小出しにしている間に、聖矢や紫龍のコスモが予想以上に高まり、慌ててトドメを刺そうとしても手遅れで逆襲されて倒されてしまうわけです。

龐煖と信の場合には、それがそのまま当てはまるとは思いませんが、龐煖の攻撃を黙々と耐えている信は、沈黙は金を実践しているのだと思います。

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