いやー今回の麒麟がくるは早かったですね。気が付くと45分経過していて、あれ?と思いました。今回は美濃の形式上の当主、土岐頼芸と、駿河と遠江の戦国大名、海道一の弓取り今川義元がちょっとだけ登場します。
そして岡村隆史演じる自称三河の農民、菊丸も再登場し、どうも駒に一目ぼれした模様、惚れた弱みで振り回されそうです。さあ、今回も行ってみよう麒麟がきた!
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この記事の目次
麒麟がくる第3話ハイライト
加納口の戦いで織田信秀を退けた斎藤利政(道三)だが、戦乱で国内は荒れ果てていた。
しかし、成り上がり者で独裁的な利政に対し、美濃の国人領主は冷ややかで力を貸そうとしない。
行き詰まった利政は、自らが毒殺した土岐頼純に代わり、一度は隠居させた土岐頼芸にもう一度守護になるように願う。
操り人形の頼芸に断る選択肢はなかったが、かつて利政に与えた愛妾美芳野が産んだ利政の後継者斎藤高政に対して
「実の息子と思って頼りにしておる」と囁き、利政と高政の不和を利用しようと画策していた。
高政は学友の光秀に、ゆくゆくは自分が利政に取って代わり美濃の支配者になり、美濃を強い国にすると宣言する。
その頃、尾張の織田信秀は、駿河・遠江の雄、今川義元が三河に侵攻してきた事を知り出陣。小豆坂の合戦が勃発した。
麒麟がくる第3話 感想あらすじ「菊丸との再会」
美濃国の明智荘では、明智光秀が慣れない手つきで鍬を振り下ろしていました。
その理由は、この間の加納口の戦いで配下の藤田伝吾が足を負傷して農作業を行えないからです。部下を気遣い、自ら農作業を買って出る十兵衛光秀ですが、余り役に立っていないような気も・・・
「ああ、それじゃあダメですねー」
突然にダメ出しされて、十兵衛が振り向くと、そこには小柄な農民が立っていました。
十兵衛が思い出しかねていると、農民は、いつぞや野盗に捕まっていた時に助けてもらった菊丸です。ほら、鉄砲の話をしましたと言います。
「おお、思い出した、それで今日は何用だ?」
菊丸は無事に三河に帰ったものの、母親に十兵衛にちゃんと御礼をしてきなさいと促され傷に効く薬草や農作物、それに餅のようなものを持ってきていました。そこに駒に付き添われた伝吾がやってきます。
初めて駒を見た菊丸は呆然とします。どうやら一目ぼれしたようです。
その時丁度、薬草が切れていた駒は、菊丸が持ってきた薬草を見て目を輝かせます。
この薬草なら、向こうの山に幾らでもありましたよと言う菊丸の両手を掴んで駒は、そこまで連れて行って下さいとお願いしました。
いやー魔性の女ですね。初対面でいきなり男の手を握ってきました。女に免疫のなさそうな菊丸は一瞬で恋に落ちます。ここでのアングルは完全に菊丸と駒が主役で十兵衛は背後で呆れた顔で二人を見ています。
駒と菊丸が薬草を採りに去っていくと、入れ替わりで馬に乗って帰蝶が入ってきます。
男勝りな帰蝶は、十兵衛が慣れない農作業で年寄のように腰が曲がっていると聞いて、それを見に来たとからかい口調で言い、十兵衛もそれに合わせて腰の曲がった老人の真似をして帰蝶を笑わせました。ここで帰蝶は、十兵衛の母の牧の為に、森の中からリスを掴まえてきたと話します。
帰蝶のおてんばぶりを示すエピソードでしょうけど、リスをプレゼントされても、牧さんは喜ばないと思いますけどね、、自然にある生き物は自然に帰しましょうと言いそうです。もしかして帰蝶は天然キャラも入っているのか・・
麒麟がくる第3話 感想あらすじ「双六全敗の十兵衛」
折角捕まえてきたリスですが、帰蝶のお供の武士が嚙まれて取り逃がしてしまいます。
それに対し帰蝶は激怒、「使えないヤツだ、もう帰れ」と言い放ちました。さすがはマムシの娘、役立たずには容赦がありません。
しかし、次の瞬間に帰蝶は顔を歪めます、どうも木登りをしている間に足に小枝が刺さったようです。実はこのシーンNHK麒麟がくるの完全ガイドブックでは、帰蝶が農作業を手伝う為に田圃に入り、田螺の殻で足を傷つけるとなっています。
・・・・・これはもしや、エリカ様撮影時の幻のシーンなのか、もしや!!
次のシーンでは帰蝶は十兵衛に付き添われ、明智の館で駒の治療を受けています。そこには牧もいて、女3名のガールズトークです。帰蝶の実母の小見の方は明智家の出身だった為、帰蝶にとって牧は親戚のようなものでした。
ガールズトークの中で、帰蝶は十兵衛の秘密を知っていると言います。それは、子供の頃、十兵衛と双六遊びをしていて、五十一回連続で十兵衛が負けたという話でした。何となくツキがない光秀を象徴するような話ですね。
麒麟がくる第3話 感想あらすじ「美濃の昔話」
やがて、話は牧が幼い頃の帰蝶にしてくれた美濃の昔話の話になります。
それは昔、美濃の青年が嫁探しの旅に出て、みなしごの娘を見つけて結ばれ、子供にも恵まれますが青年の飼っていた犬が、娘に向かって異常に吠え、それに怯えた娘がキツネの正体を表してしまい、泣く泣く青年と別れてしまうという哀しい話です。
その話には歌がついていて、不思議な事にその歌を駒が歌う事が出来ました。
牧と帰蝶がどうして美濃の昔話を知っているのか尋ねると、駒は昔、自分を助けてくれたお侍が両親を失い泣いている自分を慰める為に、話してくれた昔話だと言います。これを聞いた牧は「そのお侍は美濃の方かも知れませんね」と答えます。
やがて十兵衛が入ってきて、稲葉山城から使者がきて帰蝶に城に戻るように告げていると言います。帰蝶は分かったと答えますが、その前に十兵衛に話があると言います。
帰蝶は、自分の夫の土岐頼純の死について何か聞いているかと十兵衛に聞きます。
十兵衛は叔父の光安から聞いた話として、織田家に内応して侵略軍を美濃に引き入れた土岐頼純を斎藤利政が毒殺したと聞いたと告げました。
それについて、十兵衛はどう思うと聞かれた光秀は、
「やむを得ない事・・・」と答えました。
土岐頼純は、美濃の守護でありながら、敵である織田家を美濃に引き入れ田畑を荒らし、住民を殺す事に加担した、これは裏切りであり許される事ではないと、ただ、夫を失った帰蝶の心情については、皆、気の毒に思っていると答えます。
帰蝶は唇を噛んで「分かった」と言うと出て行きました。
熱血漢である十兵衛ですが、やはり美濃を裏切るような人間は、それが土岐氏であっても、許されるものではないと割り切っているようです。それは合戦の当事者として考えても、仕方がない事でしょうね。
麒麟がくる第3話 感想あらすじ「とぼけ伊右衛門」
斎藤利政と息子の高政は、土岐頼芸の屋敷を訪れていました。
理由は、利政が毒殺した守護の土岐頼純に代わり、隠居させた頼芸を再び守護職に据える為です。頼芸は一心不乱に鷹の絵を描いています。土岐氏は土岐成頼の時代から、歴代の当主が鷹を描くという風流な家系でした。
「高政、お前が頼純を殺したのだろう?」
出し抜けに頼芸が言います。
「私が?まさか、誰がそのような世迷言を」
「屋敷の女どもが口々に噂しておる」
「頼純様は、大事な土岐家の跡取りにして私の婿です。どうして毒殺などしましょう」
利政はすっとぼけ、頼純は美濃に織田軍を引き込んだ自責の念で自ら毒を呷ったと答えます。次に頼芸に今度の要件は何だと問われると、不在になった美濃の守護の地位に頼芸様に就いて頂きたいと答えます。
「守護がいてもいなくても、政治は守護代のお前が為すのだから問題あるまい」
頼芸が突き放すと、利政は織田に攻めこまれ、美濃は田畑が荒れ、都市も破壊された状態だが利政が命じても国衆が動こうとしないと悩みを打ち明けます。美濃の国衆は、強引な利政の政治運営を嫌い、頼芸を上に担ぐ事を求めているのです。
頼芸「操り人形になって毒を盛られてはかなわん」
利政「操り人形に毒など盛りませぬ」
断る選択肢などない、頼芸は利政に屈服します。
しかし、頼芸も強かで、退出する高政だけを引き留め、利政は当てにはならんが、お前には我が子とも思っておるぞと耳打ちします。
これは、高政の生母である美芳野が過去は、頼芸の愛妾だった事を利用した揺さぶりです。父、利政に認められない高政は頼芸こそが実の父親ではないかと考えていたのです。
ところが、利政と高政が帰ると頼芸は豹変して声を荒げ、背後に控えていた家来に、織田家に対して再度援軍を要請し、あの薄汚い成り上がり共を美濃から追い出せと怒鳴り散らしました。結局、頼芸は高政も駒としか思っていないのです。
場面は変わり、駒と望月東庵が美濃での治療が終わり帰る時が来ます。
菊丸と駒は途中まで同道しますが、十兵衛は稲葉山に呼ばれているとして城門の前で別れる事になります。
「駒さんを助けてくれたお侍に会えるといいですね」
「はい・・・」
十兵衛はそれだけ言うと、馬の轡を取り、城門を出ていきました。
「あの方は善いお人ですねぇ、一緒にいると何となく離れがたくなる。ああ、あの歩き方もいい・・」
十兵衛を見送る菊丸のセリフですが、素直な感じが出ていていいセリフです。
確かに十兵衛の後ろ姿は背筋がスッと伸びて清々しい立ち姿をしています。
麒麟がくる第3話 感想あらすじ「鉄砲丸投げ親子」
稲葉山城の高政に呼ばれた十兵衛は、高政から鉄砲を押し付けられます。
「父上は、鉄砲に関心を持っていない、だからワシに押し付け、分解して中身を確認せよと仰せ付けられた、だがワシも鉄砲には関心がない、だからお主に任す」
今度は親子二代で鉄砲の丸投げです。
ここで十兵衛のお得意「はあっ?」が出ます。
自分が鉄砲を手に入れるのに、どれだけ苦心したか、手に入れるのに3カ月かかるというのを松永サンタが酔いつぶれて寝ている十兵衛の部屋の片隅にそっとプレゼントした事などが甦ります。
「鉄砲は、今、堺で国中の大名が買い求めている程に価値があるのだぞ。それを関心がないから、わしに託すとはどういう事だ?」
「父上は興味がない事は、くだらん連中に丸投げするのだ。だからくだらん息子のわしに鉄砲を下げ渡したんじゃろう」
ああ、これはいけません。高政の言い分だと俺もくだらん人間だが、俺が鉄砲を託す十兵衛はそれ以上に下らん人間という意味になります。
「親父が親父なら、息子も息子だ!鉄砲の事を知ろうともしないで丸投げとは、これでは美濃の将来も知れたものじゃ」
十兵衛が悪態をついて出て行こうとすると、高政が呼び止めます。
「悪かった、十兵衛、、わしも鉄砲の威力位は確かめたい。山で試し打ちをせぬか?」
十兵衛と高政は馬に乗って移動する道すがら、色々な話をします。
高政は、父、利政が戦争に強いだけで、内政が疎かになっている事を批判し、その原因を利政の独裁手法に国衆がついてこない点に見出します。
そして、土岐頼芸に自身が頼りにされている事を十兵衛に話し、この十年のうちには父に取って代わり自分が美濃守護代になると宣言します。
「それを嫡男のお前の口から聞くとはな・・」
常識人ぶっている十兵衛ですが、さっき、鉄砲の価値もワカランようでは、美濃はおしまい、お前ら死亡的な事を言っているので、どっちもどっちですけどね。
しかし、高政は「お前にだから言うのだ」と十兵衛を信用している点を強調します。
そしてその時には、十兵衛に自分についてその知恵を貸して欲しいと賛同を求めてきました。しばらく躊躇していた十兵衛ですが、「嫌か?」と問われると、「確かに承った」と返事します。
十兵衛は但し、と前置きし、美濃をどのように変えていけるのか、それを確かめてからだと釘を刺します。盲目的に高政に仕える気はないという宣言です。
「どうすれば麒麟がくる世になるのか、、それを見極める」
「きりん?」
十兵衛が、枝の下にぶら下げた瓢箪を鉄砲で撃ち抜きます。その轟音と破壊力に高政は腰を抜かさんばかりに驚きました。
麒麟がくる第3話 感想あらすじ「コントっぽい尾張」
舞台は変わり、尾張の猿渡城、そこに土岐頼芸が送った使者が到着します。
城内には、半年前に加納口で利政に大敗した織田信秀が割と元気そうな顔をして書状を読んでいます。
「土岐頼芸様からの書状じゃ、また美濃に攻めこんでくれと申しておる・・
懲りないお方じゃ、わしも美濃に未練はあるが、守護様や守護代様がウンと言うかどうか・・」
「結局は金の問題でしょう。大金を積めば説き伏せるのは造作もない事、、それよりも、美濃に獲る値打ちがありましょうや?」
信秀に絡んできたのは初登場の平手政秀です。織田信長の守役として、後には信長と信勝の板挟みになり自害する人ですが、後にそうなるとは思えない程に俗っぽいです。
そこに、伝令が走り込んできます。駿河と遠江の大名、今川義元が三河に勢力を伸ばそうと、軍師の太源雪斎を総大将に攻めこんできたという情報でした。
「よし!戦じゃあ仕度をせよ」
楽しそうに立ち上がる懲りない信秀、次のシーンでは、進軍してくる青一色に足利家由来の二つ引き領の家紋を染め上げた旗と共に進む太源雪斎と、小豆坂の戦いで織田信秀軍を圧倒し蹴散らす今川軍の強さが強調されます。
そして、最後のカットでは片岡愛之助演じる堂々とした鎧武者姿の今川義元が登場して、麒麟がきた3話は幕となります。
麒麟がきたライターkawausoの独り言
今回の麒麟がきたのメインは、美濃の国情説明といよいよ出てきた今川義元ですね。
父、道三の陰に隠れ凡庸イメージだった高政ですが、やや人を信じやすい坊ちゃんな部分はあれど、道三の欠点を把握し、国衆を率いて内政を固めないと美濃は危ういと認識している辺りは、守成の名将の雰囲気を漂わせています。実際、史実でも父殺しを達成して国衆を団結させ美濃を統治した義龍に信長は一度も勝てなかったのです。
これまでの大河ではコンプレックスの塊として、道三の偉業を潰したように描かれがちだった斎藤義龍の面目の一新です。もう一つは、お歯黒と烏帽子と公家装束イメージで描かれがちな今川義元が、鎧姿の堂々とした雄姿を見せた事ですね。
参考文献:麒麟がくる完全ガイドブック
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