麒麟がくる第1話 感想あらすじ「光秀、西へ」【麒麟がきた】


 

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テレビを視聴するkawauso編集長

 

いやー、とうとうこの日が来ましたね、NHK大河ドラマ麒麟(きりん)がくる。天下の謀反人、明智光秀(あけちみつひで)を主人公にした話題の大河ドラマが1月19日の20時に放送されました。そこで、『はじめての三国志』では、ここから一年間、全44回の麒麟がくるを追い駆け、ネタバレ解説記事、麒麟がきたとして丁寧かつ面白く解説しますよ。

 

※この記事は麒麟がくる第1話の「光秀、西へ」の視聴感想記事です。ネタバレが含むためご注意ください。

 

自称・皇帝
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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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麒麟がくる第1話 感想あらすじ「野盗に襲われる明智荘」

悪党(鎌倉)

 

第一話の冒頭は、市川海老蔵のナレーションで幕を開けます。簡単に言うと、応仁の乱以来、室町幕府の権威は衰え、混乱が全国に波及していたというもの、そこから舞台は一面が実った稲穂で一杯の美濃国(岐阜県)明智荘になります。平和そうに、農作業を営む庶民の中に背の高い、若いサムライが一人、田圃のあぜ道を歩いています。彼こそが明智十兵衛光秀です。

 

明智光秀(麒麟がくる)

 

しかし、実際には明智荘は平和ではありませんでした。若い十兵衛の耳に届く(ひづめ)の音、それは近隣から略奪にやってきた野盗の乗る馬の駆ける音でした。十兵衛は、農民たちに大きな建物に避難するように指示し、家来らしい数名のサムライと田圃のあぜ道に伏せて、野盗を待ち受けます。すでに野盗は、別の場所で略奪をやってきたのでしょう。後ろ手を縄で縛られた農民を追い立てるようにして明智荘に入ってきます。

戦国時代当時は、田畑は戦乱で荒れ果てていて、耕す人が少ないので人間は重要な戦利品として人身売買も盛んだったのです。麒麟がくるでは、そういう歴史的事実を切り捨てないというスタンスが示されていますね、

 

明智光秀

 

十兵衛たちは奮戦しますが、相手も手馴れていて、田畑に火をつけられたり、米を奪われたりしてしまいます。

 

麒麟がくる第1話 感想あらすじ「十兵衛光秀、鉄砲に出会う」

明智光秀は鉄砲の名人 麒麟がくる

 

なんとか奪われそうな米俵を守ろうとする十兵衛ですが、野盗の頭領は笑いながら、長い筒を十兵衛に向けて発射します。弾丸は辛うじて光秀の頬をかすめ、後方にいた部下の肩に被弾しました。これこそ、光秀が初めて鉄砲を見た瞬間でした。野盗たちは、十兵衛たちの奮闘で、途中で略奪を止めて逃げていきます。しかし、その中で捕まえていた農民の一人を置き去りにしていていました。光秀の部下がその農民を捕らえて、光秀の前に連れてきます。農民は三河出身の百姓で菊丸(きくまる)と名乗りました。

 

菊丸(麒麟がくる)

 

光秀が菊丸に「あの野盗の頭が持っていたのは、なんという武器か」と聞くと、菊丸は、あれは鉄砲と言って、火薬で鉛の弾を打ち出す兵器で連行されている間中、野盗の頭がしきりに自慢していたと話します。

 

さらに、鉄砲は高価であり、日本でも堺でないと手に入らないと告げます。光秀は菊丸を解放し菊丸はなんども頭を下げて去っていきました。光秀はとても苛立っています。ひっきりなしにやってくる野盗と戦い、建物と農作物を焼かれ、味方が死ぬ、おまけに鉄砲と言う未知の兵器まで野盗は保有している。こんな事をいつまで続ければ明智荘を守れるのかと・・

 

そして明智荘にだけ自衛をさせて、援軍も寄こさない美濃の守護代の斎藤利政(さいとうとしまさ)(道三)に対して不満を爆発させるのです。

 

麒麟がきた

 

麒麟がくる第1話 感想あらすじ「ドケチな斎藤利政と直談判」

明智光安(麒麟がくる)

 

光秀は明智城の城主で叔父である明智光安(あけちみつやす)に、斎藤利政と直談判させてほしいと願いますが、「黙れ小童(こわっぱ)!お前が出る幕ではない」と光安に止められます。すみません黙れ小童は嘘です、、でもとりつくしまもない頑固叔父さんなのは本当です。そこで光秀は実力行使に出る事にします。稲葉山城(いなばやまじょう)から鷹狩(たかが)りに出る利政に偶然を装い話しかけようというのです。

 

斎藤義龍(麒麟がくる)

 

稲葉山城の門の前で門番に(いぶか)しがられつつも、そわそわと利政を待っていた光秀に、学友だった斎藤高政(さいとうたかまさ)(義龍)が声を掛けます。高政は利政の嫡男ですがあまり仲が良くありません。高政は利政の正室の小見(おみ)の方の具合が悪い事を告げ、「親父に用があるなら、俺が許すから城に上れ」と言います。

 

幕末 魏呉蜀 書物

 

その頃、利政は自室で槍の稽古(けいこ)に勤しんでいました。これは美濃国諸旧記(みののくにしょきゅうき)にある話で、商人時代、油を永楽銭(えいらくせん)の穴から、一滴もこぼさずに通す超絶テクを披露した道三に土岐家(ときけ)の矢野という武士が、「いかに凄くても所詮は金儲けの技、これだけの力量を武芸に向けたら、立派な武士になれるのに」と呟いたのを道三が聴き、商人を辞めて一念発起して槍の腕を磨いて武士になり手柄を立てたという逸話に因んでいるのでしょう。

 

斎藤利政と二人になった光秀は、美濃の外には鉄砲と言う未知の兵器があり、それを野盗のような連中までが保持していると訴え、いかに美濃が遅れているかを説きます。そして、自分を堺や京都に派遣して見聞を広めさせて欲しいとお願いするのですが、利政は

 

斎藤道三

 

「お主はそれで見聞が広まり良かろうが、わしに何の得がある?わしは得にならん事はせん」とにべもなく突っぱねます。

 

あまりにケチな利政に唖然(あぜん)とする光秀ですが、出て行こうとする利政に追いすがり、見聞を広める引き換えに、堺で新兵器の鉄砲を手に入れる事と、小見の方の病気を治せるような名医を連れてくる事を提案。その答えに満足した利政は、光秀に旅費を与え堺と京に旅に出る事を認めるのでした。確かに利政はケチですが、小見の方の事はともかく鉄砲を手に入れるというのは、美濃の国力強化に繋がるので了承したのでしょう。

斎藤利政は決して、ただのケチではないのです。

 

麒麟がくる第1話 感想あらすじ「堺で三淵藤英に出会う」

長安(俯瞰で見た漢の時代の大都市)

 

叔父の明智光安にも、母の於牧(おまき)にも黙って、旅に出る事を決めた光秀ですが、母の於牧は、怒ったりせず、静かに、そして大急ぎで旅の仕度をさせます。ただ、光秀が幼い時に亡くなった偉大な武士だった父のように、土岐源氏の血を受け継ぐ明智一族の誇りを汚す事だけはしないようにと釘を刺しました。

 

比叡山の僧兵(僧侶)

 

堺に向かう途中、光秀が見たのは、戦乱の中で被災した人々や、戦利品として売られる人々、各地に関所を立てて、手数料を取るアコギな商売をする比叡山のような権力者でした。広い世の中を知ると同時に、日本はどこでも明智荘同様に、戦に苦しんでいる事を光秀は思い知ります。

堺に到着した光秀は、ここでもカルチャーショックを受けます。沢山の人間が往来し、その中には見た事もない青い目の異人や、黒い肌の大男、二階建ての豪華な建築物や見た事もない品物が軒先に並べられていたからです。

 

藤田行政(藤田伝吾)麒麟がくる

 

その中で光秀は旅の途中で聞き出した、鉄砲を売っていそうな宗次郎の店を見つけますが、中には、室町幕府の奉公衆がたむろし、田舎サムライそのままの光秀を胡散臭そうに見ます。そこで光秀が「主君は美濃守護代斎藤山城守」だと名乗ると、奉公衆は「成り上がりの美濃の田舎大名の家来」と嘲り大笑いします。しかし、奉公衆の中に三淵藤英(みぶちふじひで)という若い武士がいて、宗次郎から買い入れた鉄砲の試し打ちを光秀に見学させました。

kawauso

 

室町幕府の幕臣と言うと、古臭い守旧派のイメージですが、実は、13代将軍の足利義輝は天文十三年(1544年)種子島から献上された鉄砲の複製品を、部下の細川晴元に渡して生産するように命じ、晴元はこれを受けて砂鉄の取れる近江国友村で鉄砲を量産させたという記録があります。

また、日本で初めて鉄砲による死者が出たのは、天文十九年(1550年)細川晴元と三好長慶の戦いの最中に幕府兵が撃った鉄砲で三好長虎(みよしながとら)の与力が死んだという記録が最初のようです。室町幕府の家来だから守旧派という事は一概に言えないのです。

宋銭 お金と紙幣

 

改めてみる鉄砲の威力に、増々欲しくなる光秀ですが、宗次郎は鉄砲を手に入れるには、最低3カ月は掛かると返事し、光秀はガッカリします。

 

麒麟がくる第1話 感想あらすじ「道三ファンの松永久秀に遭遇」

松永久秀

 

奉公衆が宗次郎の店を去ると、入れ替わるように中年の武士が入ってきます。ド派手にも着物の柄が花火のようです。この中年武士は、宗次郎に、「どうしてあの連中を店に呼んだ」と恐ろしい形相で(にら)みます。歴史好きはこれで、「ああ、幕府の奉公衆と対立しているのだから松永久秀だな」と分かります。そして着物の柄が花火なので、ああ、ラストでは古天明平蜘蛛(こてんめいひらぐも)を抱いてボンバーするんだなと早合点します。

kawauso

 

さっきまでの奉公衆と正反対に光秀にフレンドリーに接してきます。武士は松永久秀と名乗ると、自分は斎藤山城守の大ファンであり、山城守こそ、くだらぬ既得権益にしがみつくアホどもを打ち倒して成り上がった天下一の人物と持ち上げます。

そして、「鉄砲など俺が宗次郎を脅して手に入れてやるから気にせず飯を食いに行こう」と光秀を強引に誘いました。

 

宴会好きな豊臣秀吉

 

光秀は松永に勧められるままに酒を飲み、夜更けまで語り明かします。松永は、世の中の事をまるで知らない光秀に驚き、どうして日本が混乱しているのかを様々に聞かせました。そして、また出てくるのが、斎藤利政がいかに優れているかという自慢話。これに対し、酔いがまわり段々と腹が立ってきた光秀は、「お言葉ですが斎藤山城守は、決して大人物ではありません」と反論し、利政のケチで強欲な所や独裁的な手法のせいで国内に敵が多い事、明智荘にろくろく援軍も寄こさないと愚痴(ぐち)の限りをぶちまけます。

 

西遊記 孫悟空

 

「でもね、好き嫌いで主君は選ぶもんじゃない、それは分かっているんです」立ち上がってそう言うと、光秀は酔いつぶれ、久秀の膝の上で寝てしまいました。翌日、目を醒ました光秀は懐に入れていた鉄砲の買い付け金がない事に気づき焦りますが、部屋の片隅に鉄砲が置かれているのを見て、子供のように喜ぶのでした。松永はサンタクロースだったようです。

 

麒麟がくる第1話 感想あらすじ「麒麟が来ない・・」

駒(麒麟がくる)

 

鉄砲を手に入れた光秀は、小見の方を治療できる名医を探す為に京都に向かいます。ところが、到着した京都は、花の都の過去の姿はなく、戦乱で荒れ果てていました。光秀は、方々で名医について聞き込みをしますが、名医は皆、戦乱を避けて京を去ったと芳しくない返事が返ってきます。しかし、貧しい人々に炊き出しをする僧侶に、どこかに名医はいないか尋ねると、望月東庵(もちづきとうあん)という人物が住んでいたという情報を得ました。

 

まだ漢王朝で消耗しているの? お金と札

 

指定された住所を尋ねると、(こま)という娘が出てきて「東庵は昔は名医だったけど、バクチで財産をすり、薬種も借金取りに持っていかれたので、診療は出来ない」と断ります。駒は、今日食べる米もないので、蚊帳(かや)を持って質屋に向かう途中だったのです。戦乱の世ながら質屋のような仕事が機能するという事は、京では貨幣経済が根付いている事が窺い知れます。

 

でも、質屋では蚊帳は三十文にしかなりませんでした。現在価格で4500円、それでも背に腹は代えられず質入れするしかありません。「あの質屋、昔、東庵先生に病を治してもらった癖に」と駒は悪態をつきます。

しかし、話している途中で、光秀が美濃の名のある武士であり、斎藤利政の正室の病気を治せる名医を探していると知ると、駒は治療代として百貫出せるかと聞きます。もろもろの借金を返済して元のように治療を再開するのに、それくらいかかるというのです。

 

望月東庵(麒麟がくる)

 

百貫(1500万円)という大金に怯む光秀ですが、ここで東庵を逃がしてはまずいと、出せると口約束をしてしまいます。ところがやっと見つけ出した東庵は、ワシは金の為には動かんと渋い顔で拒否します。その理由として、東庵は権力者は庶民の苦しみなど何とも思わず、金さえ積めば何でもできると思いあがって犬が病気だから針を打ってくれと言ってきたので、頭にきて断り、以来仕事が来ないと苦々しい顔をしました。

 

ここで望月東庵は針医でもある事が知れますが、針は室町時代から江戸時代にかけて特に発展した医学で、その意味では東庵は当時の最先端の医学を修めたスーパードクターであるとも考えられます。

光秀が、東庵のプライドを尊重し、諦めて戻ろうとした時、武士の一団が東庵のいる区画に火を掛けようとします。これを光秀が制止しようと一人を斬り捨てますが、すでに何件かの家には火がかけられていました。そんな火に包まれた一軒の民家に、子供が一人取り残されている事が判明。

燃える本能寺

 

光秀は危険を顧みず、頭から水を被ると、火に包まれた民家に突入し見事に子供を救助して出て来ます。その様子を見て、駒は自分も小さな頃に大名同士のいざこざに巻き込まれ、家に火をつけられて死にそうな所を、手の大きなサムライに救われたと言います。

 

麒麟を求める農民たち

 

そのサムライは、泣いている駒に、いつか麒麟という穏やかな聖獣を誰かが日本につれてきて戦乱が消える、その時まで辛抱するんだよと慰めていたと光秀に言いました。光秀は平和な世の中に出現する麒麟は、今、日本中どこにもいないと呟き、戦乱の世を終わらせる為に、何かを変えねばならないと呟くのでした。

 

麒麟がきた!ライターkawausoの独り言

テレビを視聴するkawauso編集長 ver.2

 

麒麟がくるの第一回のネタバレはいかがでしたか?

 

kawausoは、人身売買や、火付けや売春、横行する略奪等、戦国時代の暗部がちゃんと描かれているのに好感を持ちました。十兵衛光秀は躊躇(ためら)いなく賊を斬りますが、それは生活を守る為に仕方がない事であり、それでいいとは思っていない事、それを何とかしたいと思っている事が切実に伝わりましたね。また、堅苦しいだけではなく、斎藤利政や松永久秀との掛け合いにはコメディ要素もあり、楽しめました。

 

参考文献:NHK大河ドラマガイド 麒麟がくる 前編

 

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麒麟がくる

 

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