キングダム637話ネタバレ予想vol2「鄴はもっと頑張れた、甘すぎる籠城戦」

2020年3月30日

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kawauso編集長(石原 昌光)

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「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務めるほか、紙媒体やWebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者・おとぼけ(田畑 雄貴)

コンテンツ制作責任者

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月に「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感していただけることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。

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炎上する城a(モブ)

 

李牧(りぼく)の救援も間に合わず陥落してしまった(ぎょう)、民衆思いだった鄴の城主、趙季伯(ちょうきはく)は落城の罪の意識に耐えられず、わざわざ宮殿の屋根に上って投身自殺してしまいました。死者に鞭打つわけではありませんが、ハッキリ言って趙季伯さんは甘すぎたと言えます。

 

あれだけの住民がいるなら、もっと耐えられた事でしょうに・・そんなわけで今回は、中国史上のハードな籠城戦を紹介しましょう。

 

墓を暴いて棺桶で武器を造った郝昭

郝昭(かくしょう)は陳倉城で孔明を撃退した

 

郝昭(かくしょう)とはキングダムの時代から400年後の三国志の時代の将軍です。有名な諸葛孔明(しょかつこうめい)が郝昭が籠城する陳倉城を攻撃した時の事、郝昭は目一杯抵抗したのですが、狭い城内では武器を造る機材がすぐに底を尽きました。そこで、郝昭は城内に葬られた先人の墓を暴いてその棺桶を取り出し、これを使って武器を造って諸葛孔明に対処しました。

 

奮戦の甲斐があり、孔明を撃退できた郝昭ですが、内心では忸怩(じくじ)たるものがあり、息子に「俺は将軍などというなるべきでない職に就いた。しばしば死者の塚を暴き木材を武器にしたから死者に手厚い埋葬など無意味な事を知っている。俺の葬儀は簡単でいい、場所にも(こだわ)らないから都合の良い場所に葬れ」と遺言しています。

 

史実には、死人の骨を薪代わりにしたというようなものまであり、籠城戦では使えるモノは何でも使うのが基本です。その心意気があれば、もう少し頑張れたでしょう。

 

部下に兵糧泥棒の罪を着せる曹操

苛ついている曹操

 

三国志の英雄、曹操はある時、賊を討伐する途中で兵糧が不足した事がありました。そこで曹操は食糧担当官に対策を尋ねると、「枡を小さくして数量を誤魔化す」と答えます。曹操はナイスアイデアと採用しますが、まもなく軍中で曹操が兵士達を騙していると噂が立ちます。

 

困った曹操は担当官に「すまんが死んでくれ、兵士をなだめたい」といって斬首します。担当官は縛り首にされ、曹操は「食糧担当官が小さな枡を使って兵糧を盗んだので斬った」と宣言したので兵士の不満は一時和らぎました。エグイですが、どこかに適当な犯人をでっち上げてストレスを発散させるのも城内の住民の不満の解消法です。

妾を将兵に食わせて一致団結臧洪

藏洪

 

臧洪(ぞうこう)も、三国志に登場する人物です。彼は親友の張超が曹操に包囲された時に袁紹(えんしょう)に救援を頼みますが、袁紹は曹操の上司であり、悪いのは張超であるから救えないと拒否します。これを逆恨みした臧洪は、雍丘という都市で籠城します。

 

臧洪は、攻撃を耐え抜きますが、食料が尽きてしまい、もはやこれまでと思った臧洪は、8000人の役人と民衆に、元々、この戦は私と袁紹の確執で君たちは無関係だから妻子を連れて城を出るがよいと命じますが、臧洪はよほど人望があったのか誰も城を去りません。

宣誓文を読み上げる藏洪

 

やがて城内からは食糧が尽き、ネズミも食いつくし、楽器の角筋まで煮て食いますが、いよいよ、城内に食糧は米三斗だけになります。料理人は米三斗で粥を造り臧洪に食べさせようとしますが、皆が餓えているのに自分だけ粥は食えないと、これを水で薄めて、8000人に振る舞い、(ほぼ水だよ)副菜として自分の妾を殺して肉にして配りました。

 

この臧洪の気遣いに兵と民衆は感激して泣き、ついに全員が自殺して一人も降伏しなかったそうです。趙季伯にも妻子が居たわけですから、これを殺して住民に、、あ、これは幾ら漫画でも無理か・・

女を盾にして城を脱出 劉邦

 

キングダムの秦王政の後に、項羽を倒して天下を獲ったのが漢の高祖劉邦です。紀元前204年、劉邦は滎陽(けいよう)という城で項羽の軍勢に包囲されて食糧が尽きつつありました。

 

そこで、紀信(きしん)という部下が劉邦の身代わりになり嘘の降伏で項羽を引きつけるから、その間に城から逃げるように進言します。こうして劉邦が裏手門から逃げると同時に紀信は劉邦の着物を着て皇帝が乗る黄色の蓋の馬車に乗り、鎧で武装した2000人の女性と門から飛び出します。

 

そこで項羽の軍が矢を射かけると劉邦に成り済ました紀信が降伏を告げると、楚兵は戦争が終わったと早合点して包囲を解き、その間に劉邦は遠くに逃げおおせます。女性を武装させて盾にして逃げる、なかなかエグイ作戦です。

 

もっとも、鄴攻めでは鄴陥落が王翦の目的なんで、この手は使えませんね

 

妻子を城から追放し食い扶持減らす呂文煥

「宋」の国旗をバックとした兵士

 

呂文煥(りょぶんかん)は、南宋時代の忠臣で襄陽城を守備し1268年から1273年まで5年間、モンゴル帝国の攻城戦を耐え抜きました。彼は公正な人物であったらしく、兵糧の減りを食い止める為に自分の妻子を城外に追放しています。

 

援軍が来ない中で、孤立無援の戦いを続ける呂文煥ですが、最後にはモンゴルの投石兵器、回回砲で城壁を破壊され、打つ手がなくなり降伏しています。趙季伯も妻子を城から追い出して、徹底持久戦を呼びかければ、あと1日くらいは持ったかも知れませんね。

キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

色々考えると、趙季伯という人物は、ただ仁愛があるというだけで、名将には程遠い人物かも知れません。鄴の避難民は、ただ保護してもらいたいという意識だけがあり、今回の緊急事態を起こした原因が自分達にあるとは思いもしませんでした。

 

ただ、食事を与えて遊ばせておくのではなく、攻城兵器の修理や軍事訓練や、城内の雑役を任せて、城の一員であるという意識を産み出せれば、避難民の暴動で城が開くという屈辱的な最期には繋がらなかったでしょう。

 

そうなると、やはり、何で避難民を入れたんだ?という話になってしまうんですね。

 

参考文献:正史三国志 史記

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。「はじめての三国志」編集長。三国志・中国史を中心に、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を執筆・編集し、当サイトでは4,000本以上の記事を担当。三国志は正史から入ったため、演義を書くときのほうが神経を使うという天邪鬼。故郷・沖縄の歴史に関する勉強会の開催や、ラジオパーソナリティとしての活動も行う。

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