キングダム641話ネタバレ予想vol2「李牧救出クーデターは起きる?」


 

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亡くなる李牧

 

大人気春秋戦国時代漫画『キングダム』640話では、ようやく(ぎょう)の支配を安定させて咸陽(かんよう)に帰還していく飛信隊が描かれましたが、一方で李牧(りぼく)は、鄴を守れなかった責任を取らされ、悼襄(とうじょうおう)により処刑命令を下されていました。

 

しかし、趙には郭開(かくかい)のような佞臣ばかりでなく趙の運命を(うれ)える人々が大勢いて、白ナスの舜水樹(しゅんすいじゅ)などはオフ王を殺しても李牧を救うと穏やかじゃありません。

内容に納得がいかないkawauso様

 

史実でも紀元前236年に悼襄王は死去しており、もしやのクーデターかと匂わせる要件はあります。では、本当に趙でクーデターは起きるのでしょうか?

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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キングダム641話ネタバレ予想vol2「史実から考えてみる」

幕末 魏呉蜀 書物

 

では、史記では悼襄王の死の前後はどのように記述されているのでしょうか?趙の歴史書である趙世家では、以下のようなシンプルな記述です。

 

悼襄王の九年、趙は燕を攻めて()陽城(ようじょう)を取る。兵を引き上げる前、秦が鄴を攻撃しこれを陥落させた。悼襄王が亡くなり、子の幽繆王(ゆうぼくおう)が即位する。

君主論18 kawausoさん

 

この短い文の中にはもめ事が起きたとか、それを暗示するような部分はありませんので、公子嘉(こうしか)の一派が騒ぐというような事もなく、王位継承は穏当に起きたのでしょう。つまり、キングダムで政変が起きるとしても、それはフィクションに留まるという事です。

 

キングダム641話ネタバレ予想vol2「武力クーデターは可能か?」

三国志のモブ 反乱

 

では、舜水樹や扈輒は武力クーデターに踏み切って、王を殺し李牧を救出できるのでしょうか?

これは難しいと思います。その最大の要因は邯鄲には王都軍が存在するからです。

王翦

 

キングダム640話での媧燐(かりん)の見立てでは、オフ王が鄴を救う為に王都軍を派遣していれば、王翦でも鄴を取る事は出来なかったと言っていて、今回の趙の敗北の原因が李牧の実力不足でも、王翦の知略の凄さでも、飛信隊を含めた秦兵の頑張りのお陰でもなく、オフ王が王都軍を鄴に送り込まなかった不作為にあると断じています。

 

王都軍は、それほどの精強さである上に、どんなバカでも王には絶対服従と言う態度を決して崩していません。なので、例え李牧の処刑を止める為であろうと「あの連中を皆殺しにせよ」とオフ王に命じられれば、舜水樹だろうと扈輒だろうと、容赦なく虐殺するでしょう。

敗北し倒れている兵士達b(モブ)

 

オフ王は我が身を守ってくれる王都軍を惜しんで鄴に向かわせなかった位なので、今後も肌身から離す事はないと考えられ、武力クーデターは失敗します。

 

キングダムネタバレ考察

 

キングダム641話ネタバレ予想vol2「オフ王の暗殺」

暗殺に成功する聶政

 

王都軍を相手に武力クーデターは見込み薄である事は当然、白ナスも扈輒も分っているでしょうし、内乱状態で、他国から攻められては目もあてられません。そのようなリスクを考えると、オフ王を排除する最終手段としては暗殺という手を使うしかないでしょう。

洛陽城

 

例えば、李牧の助命嘆願を願い出る為にオフ王に何とか謁見し、願いを聞かぬようなら飛び掛かって殺害し、命令権者を失い動く事が出来ない王都軍の隙を突いて、牢獄から李牧を救出し、太子嘉を擁立して事態を収拾し、李牧を宰相に任命して趙に総動員体制を敷き、奪われた領土の早期奪回を図るというシナリオです。

 

李牧にしてもオフ王への忠誠心はなく、事実は廃嫡された太子嘉への望みだけなので、舜水樹や扈輒に賛同すると考えます。

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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