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この記事の目次
安土城を作った大工の話『火天の城』
次は、信長が脇役になっている『火天の城』です。2009年に公開されました。主人公は、西田敏行さん演じる「宮大工の岡部又右衛門」という人物です。
あらすじ。
五重の天守閣を持つ安土城の設計・建築を命ぜられた又右衛門。これまでに、見たことも聞いたこともないものです。
「天下一の城を作れ」と信長から命じられ奮闘します。
立ちはだかる多くの難問を、知恵と努力によって解決していき、完成させるまでをドラマチックに描いています。織田信長役に椎名桔平さん。これ、今までの信長役で一番ぴったりな気がしました。
監督は『化粧師 KEWAISHI』の田中光敏
監督は、大正時代のメイクアップアーティストを描いた『化粧師 KEWAISHI』などで知られる田中光敏さんです。『化粧師 KEWAISHI』も、きちんとした時代考証を上での重厚な映像が特徴でした。その手腕は、この『火天の城』でも存分に発揮されています。戦国ファンも、細かいとこまでの作りこみにうなること間違いなし。信長周辺を見事に描いてくれています。
極上のサイドストーリーの1つとしておすすめします。
戦国時代×生け花の『花戦さ』
こちらは2017年公開と新しいのですが、信長が最初の方にしか出てこないので最後の紹介となりました。野村萬斎さんが主演の『花戦さ』です。信長役は中井貴一さんです。どちらかというとメインの秀吉に、市川猿之助さん。千利休役に佐藤浩市さんという、時代物に合ったキャスティングでかなり作りこんであります。
そのわりにコミカルなところが多く、戦国時代の中ながら、生け花という切り口が軽さを生んでいるように感じます。秀吉・利休との関係性が話の中心になりますが、あまり書くと面白くないタイプの映画だと思うので、伏せさせて頂きます。戦国ファンに自信をもっておすすめできる作品の1つとなっています。
戦国ライターしばがきの独り言
織田信長は、映像化作品も多いので、イメージが一通りできあがってきていますよね。特に、テレビでは王道の「桶狭間から本能寺の変まで」が描かれることが多いように思います。だからか、映画の世界では、違う角度から見た信長の作品が、特に近年は増えてきていてそれがまた楽しいです。
自分とは違うイメージの信長像を持ってこられたときに、なるべく拒絶したくありませんね。これもいいな、と思える自分でいつまでもいたいと思います。
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