髀肉之嘆の由来と経緯、そして「ひにく!」


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髀肉之嘆の由来と経緯(1P目)

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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馬に乗るということ

騎馬兵にあこがれる歩兵

 

因みに放浪時代がどれだけ厳しかったかどうかは一概には言えませんが、ちょっと馬術、乗馬を例にしてみましょう。乗馬は馬に乗っているだけと思ってしまいますが、実は乗馬は馬に乗るバランス、リズムによって体幹、脚の筋肉が良く鍛えられ、エアロビクスと同じほどの消費カロリーがあると言います。

騎射の術に長けた騎馬兵士

 

そう考えると放浪時代に馬に乗っていたとしたら、劉備の消費カロリー、体の鍛え具合はかなりの物だったと言えるでしょう。

 

髀肉が生まれない半生

桃園三兄弟 劉備、張飛、関羽 vs 呂布

 

若い頃は馬に乗って、時に歩いて、苦労していたために鍛えられていた腿、そこに贅肉が付くというのは何もせず過ごしていた証。更に言うならこの時に劉備は既に40代。

 

酔いつぶれる劉備玄徳

 

中年太りしてくる年でもあり、人生も半ばはとうに過ぎ……それにも関わらず何も成し遂げていないとなると、焦るのも道理というものです。だって何かを成し遂げなければあの辛かった日々さえ意味がなくなってしまうのですから……だからこそ髀肉之嘆が生まれ、そんな風に年を取ってしまう前に何かを成し遂げよう、という故事成語になったのでしょうね。

 

「ひにく」の「ひにく」

諸葛孔明を自分のもとに入れたくて堪らない劉備

 

因みに髀肉之嘆が生まれた頃、劉備は待ち望んでいた人物とも言える「諸葛亮(しょかつりょう)」と出会います。また劉備が荊州に滞在していた頃には、多くの人材が劉備の下に集ったとも言われ、これを警戒した劉表からあまり重用されなかったとも言われています。

 

劉備と仲がよくなる伊籍

 

つまり言ってしまえば「髀肉之嘆」に至ったからこそ、劉備は後に蜀という土地を手に入れるまでになれた、とも言えると思います。そう思うとこの時代も決して無駄ではなかったんだな、と何だか「ひにく」を感じさせられてしまいますね。

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

劉備の半生を知っているとなおこの故事成語の意味が深くなります。なので、故事成語はその意味だけでなく、その由来までもを知って頂くとより楽しめます。三国志時代に生まれた故事成語はまだまだあるので、ぜひ皆さんもその故事成語が生まれた経緯や由来を知って、人生をより豊かにしましょう。

 

参考文献:蜀書先主伝

 

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民間伝承の三国志

 

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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