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曹真の子・曹爽
曹真のあとを継いだのは子、曹爽。曹爽は曹叡に可愛がられ、その死に際して大将軍となり司馬懿と共に後継者の曹芳の補佐を命じられました。この辺りは曹丕と曹真、司馬懿を思わせますね。
曹爽は司馬懿に対して父親に接するようにしていましたが、後に司馬懿を閑職に回して魏の朝政を牛耳るようになっていってしまいます。
この後に曹爽は蜀に攻め込むも、蜀軍に撃退されるという痛恨のミス。ここで司馬懿の動向を伺うも、見事なボケ老人演技に騙されてしまうのでした。
失脚
曹爽と兄弟たちは司馬懿の演技に騙されて安堵するも、クーデターにあって軍権を奪われてしまいます。
この際に曹爽の元に逃げてきた桓範に司馬懿に対抗するように進言されるのですが「今すぐ降ってきたら罪は問わぬ」と言われてそのまま司馬懿に降伏。
桓範に「曹真殿は素晴らしい方だったのに、お前らは家畜みたいなもんだ!お前らのせいで一族皆殺しだ!」と泣き叫ばれるという何とも言い難いオチに。
しかしその後、曹爽たちは謀反の容疑によって三族皆殺しにされたのでした……あーあ……。
我が子が響く
ここまで並べると分かって頂けるかと思いますが、曹真の評価が三国志演義で殆ど無くなってしまったのには、息子たちのやらかしが影響しているものと思われます。
曹真の有能さをそのまま書くと、諸葛亮、司馬懿の凄さが霞みますし、曹真の人柄をそのまま書くと、その子たちを処した司馬懿のマイナス印象になってしまいます。
これらのポイントが重なってしまった結果、三国志演義では殆ど曹真の活躍を削ってしまったのではないでしょうか?
三国志演義では諸葛亮と比較されるとどうしても評価が下がる武将たちが多いのですが、曹真はそれに加えて司馬懿にも関わっているために更に評価が悪くなってしまっているのではないかと思います。
このため曹真の評価は正史を読まないと分からない部分が殆どなので、この機会にぜひ、知らない方は曹真にも目を向けて頂きたいと思います。
三国志ライター センのひとりごと
曹真は大好きな武将なので、ついつい三国志演義での扱いに口を出したくなってしまいます。
しかし吉川三国志、横山三国志では三国志演義を基にされているけれど、曹真の扱いにフォローが入っているのが面白いところでもあります。色々と言われてしまう三国志演義ですが、そこからの派生作品での扱いは曹真に関わらず、比べて見ると面白い武将たちがいるので良ければ読み比べもしてみて下さいね。
参考文献:魏書曹真伝 曹真伝付曹爽伝
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