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楊松とはどんな人?馬超と張魯の引き立て役となった三国志演義の架空人物

2020年10月8日


はじめての三国志_ページネーション

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楊松とはどんな人?(1P目)

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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楊松の最期

曹操に降伏する教祖・張魯

 

しかしここからももうちょっとだけ楊松のターン!賄賂に目がくらみまくっている楊松、曹操軍を引き入れてしまいます。最早これまでと張魯は曹操に降伏。

 

処刑を下す曹操

 

しかし張魯はその潔い降伏を曹操に買われることに。そして今回の立役者(賄賂による裏切り行為)の楊松「賄賂に目がくらみ君主を売った何の役にも立たない小人物」として曹操に処刑されることになりました。

 

楊松という存在

三国志演義_書類

 

さてここで考えたいのが「何でこんな奴が三国志演義でいきなり生えてきたんだ」ということ。筆者はこの楊松、注目する所がダメなとこしかないキャラクターでありながら、三国志演義では「欠かせない人物」ではないかと思っているのです。

 

蜀 武運を誇る馬超

 

というのもこの楊松がいたからこそ「暗愚ではあるが最期は潔く、だいたい楊松のせいと言える張魯」「流浪の果てに居場所を奪われ、最終的に劉備と言う仁徳に出会えた馬超」の二つができあがるからなのです。そう、つまりこの演出を作り出すために、楊松という存在が生まれたのではないか、というのが筆者の考えです。

 

羅貫中先生の筆が唸る……

張魯

 

まず正史三国志の話をすると、張魯は暗君ではありません。やや強引な手段で漢中を手に入れるも、それからの統治は懐が大きいもので、良く亡命した民たちが逃げ延びてきたとされています。

 

蜀馬に乗って戦場を駆け抜ける馬超

 

元々馬超も張魯を頼りにして訪れてきたのを、張魯が受けいれて援助を行いました。

ただ馬超は「一緒に歩める人間じゃないな!」といきなり出ていく、しかしホウ徳たちは張魯の元に残る、というのが正史三国志の流れ。

 

曹操を絶対殺すマンとしてなった馬超

 

これを再構築したのが三国志演義、ですがそのままでは馬超がなんかいきなり来ていきなり出ていっただけの人。しかし楊松というスパイスを投入することで馬超たちは義の側に立たせるという正に、羅貫中先生の神業とも言える執筆スキル。楊松というキャラクター一人で無理なく、蜀を引き立たせる方向にしたその手腕はやはり舌を巻くものがありますね。

 

楊白について

馬超と羊

 

因みに楊松の弟、楊「柏」は馬超が劉備への手土産として殺していきます。ただし正史三国志の楊「白」は少し違います。

 

ボロボロになった馬超

 

この楊白、馬超の能力を非難したと典略に記録されています。この下り、馬超が失地回復するために張魯に兵を借りるも、失敗。この事を楊白は咎めたのであって、特に何が悪いということはありません。

 

そもそもとして正史三国志の馬超は親兄弟を見捨てたとして張魯陣営の人たちに好かれていなかったことを考えると、非難は正当とも言えるでしょう。しかし残念ながら三国志演義では蜀の武将である馬超を非難した、という一点で嫌われてしまったのかな、だから最期は馬超に斬られるという最期を迎えたのかな、と筆者は思います。

 

そう考えるとやはり三国志演義、良くまとめられた物語ですよねぇ!

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

今回は架空武将から、楊松についてお話してみました。架空の武将とはいえ、三国志演義には欠かせない人物であり、その後のつながりまで完ぺき、中々できることではありません。

 

羅貫中

 

羅貫中先生の能力には感服するばかりです。こういった架空武将たち、もっと良く調べてご紹介していきたいと思いましたね。

 

参考文献:三国志演義

馬超伝の注に引かれた魚豢「典略」

 

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馬超特集

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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