現在でも、特に注意を促す時や、修正部分を表す時に赤を使ったりするし、印鑑を押す時の朱肉は、やはり赤色が多い。
三国志の時代には、契約書を書く時には特に朱色を使ったらしい。春秋時代の盟約である侯馬盟書(こうばめいしょ)には、呪詛文(じゅそぶん)以外を朱色で書いているようで、朱色が真実とか誓いとかのイメージを持ったのだろう。
水滸伝などでお馴染み、丹書鉄券(たんしょてっけん)も元々は、前漢の時代に一枚の鉄の板に文言を刻んで半分に割り、君主は家臣の生活を保障し家臣は帝国の永久の繁栄に努力する誓いの証として、別々に持ったのが最初らしい。
ここで言う丹書の丹は(朱色)の意味である。
また、中国の格言には「朱と紫の区別もつかない」というものがある。これは朱が賢人、紫が愚者を意味する色で、賢愚の見分けもつかない、人を見る目がないという意味らしい。二次創作で三国志を扱う時には、使える豆知識。