今回は三国志演義にたくさん出てくる架空武将たちの中から、異色の一人。名前だけでもかなりインパクトがある兀突骨についてご紹介しましょう。
一瞬見ただけでは名前の読みすら出てこないかと思うこの存在「ごつとつこつ」。一体どこからこんな存在が生まれたんだと言うべき、忘れられなくなる存在ですので、ぜひ話の種にごらん下さいませ。
この記事の目次
重要「兀突骨は正史三国志には出てきません」
さてこの兀突骨を語る上で一番大切かもしれないのが、正史三国志には出てこないということ。重要だから繰り返して言いましょう、兀突骨は正史三国志には出てきません。
三国志演義の南蛮平定にのみその姿が確認される存在です。しかしそのインパクトは一度見たら忘れられない人物?であり、実は後々の伏線ともなるべき存在です。ではその姿に迫ってみましょう。
登場からキョウレツな兀突骨!
諸葛亮の南蛮のメインイベントとも言えるは七回捕まって七回逃がされる南蛮王・孟獲との戦い。つまり言ってしまうととてもたくさん南蛮王が諸葛亮に敗北するのですが、ただ出てきては負けるのではありません。
逃がされる度に如何に諸葛亮と戦うかと議論を重ね、見かねて奥さんが戦ったりするのですが、その南蛮王の妻……の弟が、援軍を呼んできます。つまり敵の新戦力、一体南蛮の兵士とはどんな……とワクワクした読者に与えるインパクト大な文字「身長十二尺」。
もうこれだけで「は?」と思う存在、それこそが兀突骨です。
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どこからこんな存在が……?
因みに身長十二尺がどれくらいかというと、276~289cm程度、大まかに言えば3m。分かりやすく言うとバスケットゴールの高さが大体3mです。そう考えるととんでもない身長の高さですよね。
更にとんでもないことにこの兀突骨、全身が鱗で覆われているというのですが……それは果たして人なのか?
実は存在していた恐竜(というと今度はスケールが小さくなってしまうかもですが)ではないのか?
とか考えていると次にとんでもないプロフィールが紹介されます。
なぜか兀突骨の食性まで描かれる
この兀突骨、南蛮の奥地にある烏戈国の王となっています。そりゃあこれだけ大きければ王様にもなれるのか……とか考えていると、更に「先」をいく三国志演義。なんと兀突骨の「食性」まで明かされます。
その主食はなんと生きた蛇や獣。しかも穀物らは一切食べないという、ファンタジーに出てくる蛮族のような設定。正直、食性まで言及されているのはこの兀突骨くらいです。
インパクトを出すためだったのでしょうが、ここまで突拍子もない存在が良く描けたな……と思ってしまう、この時代を先ゆく存在、それこそが兀突骨なのです。
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