三国志、三国志演義での楽しみの一つに、血縁関係というものがあります。この武将とこの武将は実は縁続き、兄弟、義兄弟……色々な関係があり、特に三国志演義ではそれがドラマを生み出す要因の一つとなっていますね。
そこで今回は南蛮王・孟獲の弟として出てくる架空武将の一人、孟優についてお話したいと思います。南蛮王の弟、一体どんな人物なんでしょうか?
この記事の目次
孟優の名は体を表……さない
前述したように、孟優はあくまで三国志演義にのみ登場します。字は判明していませんが、孟獲の弟であると考えると姓が孟、名が優ということでしょう。
孟優は荒々しい兄とは違い、その名前が表すように心優しい仁君であり、優れた知略を兄に頼りにされながらも戦をしなければならない己の立場に思い悩む……ということはありません。
というか後々出てくる二人の実兄に「弟二人は乱暴で強欲です」とか言われたりする人物です。
孟優の作戦!内側から崩すべし
南蛮王・孟獲は荒々しい性格で、自らの蛮勇を誇り、諸葛亮を侮って力業で押しつぶそうとします。しかしそこは諸葛亮、柔よく剛を制す、知略と策略で孟獲を捕らえ、釈放すること二回。
流石に孟獲はこのままでは勝てないと考え、諸葛亮相手に策を巡らせようとします。
ここで出てくるのが、孟獲の弟で知恵者である孟優。まともに当たって勝てない敵は内側から崩すべし、と自ら偽りの投降をして蜀軍を内側から攻撃しようと考えます。
それ赤壁辺りでやりつくされたとか言っちゃいけません。しかもやったの諸葛亮と龐統とかもっと言っちゃいけません!
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諸葛亮「もう何度も出てきた」
こうして偽りの投降で蜀軍に迎え入れられた孟優。これは勝った!と思ったのか、油断して進められるままにお酒を飲んでしまいます……しかし何だか呂律が回らない……まさか毒入りか!?
気付いた時には既に遅く、偽りの投降など諸葛亮にはお見通し!
しびれ薬を仕込まれた酒を飲んでしまい動けなくなった孟優は捕らわれてしまうのでした。
南蛮兄弟揃って釈放
この後、孟獲も捕獲され、兄弟揃って釈放されます。しかしそれでもまだまだ心は折れず、四度目の戦いに赴きます……が、やはり上手くいかず。南蛮兄弟は再び捕縛されることとなりました。
この際に諸葛亮は孟優に兄を諫めないことを怒られ、泣いてしまうのですが……よくよく考えると諸葛亮も弟、そして兄は呉に、弟は蜀にと敵対関係にある状況。それを考えると何だかこのシーンも別の意味合いを含んでいるように見えてくるから不思議ですね。
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