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魏国の名将・鄧艾は吃音だった?

2021年2月3日


 

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姜維と鄧艾

 

三国志における鄧艾(とうがい)と言えば、蜀国を滅ぼした将軍として知られています。数々の功績を残した鄧艾ですが、若いころはたくさんの苦労をしたのだとか。

 

鄧艾

 

その原因の一つが「吃音(きつおん)」でした。そんな鄧艾がどうして出世することが出来たのでしょうか?

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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吃音とは?

袁術と孫堅

 

吃音とはしゃべる際に「瞬間あるいは一時的に無音が続く」「言葉が連続して発せられる」などの症状を言います。また、それに伴い瞬きが多くなったり、手足を振るなどの行動がみられることもあります。

 

吃音で悩まされた鄧艾(トウ艾)

 

これは吃音状態を脱するための動作が定着したものと考えられています。鄧艾は幼いころからこのような症状があったそうです。しかし、のちに名将となることが出来たのです。

 

 

幼くして父を亡くす

キングダムと三国志 信と曹操のはてな(疑問)

 

鄧艾の父はどんな人だったかはわかっておらず、鄧艾がまだ幼いころに亡くなっています。その後は母と共に貧しい暮らしを送っていたそうです。

 

曹操

 

しかし、12歳のとき曹操(そうそう)荊州(けいしゅう)を支配した際、「屯田民(とんでんみん)」として故郷から連行されてしまいます。「屯田」とは新たに開墾をさせることで、恐らく鄧艾親子は荊州の開拓のために連れて行かれたと思われます。

 

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12歳の時役人となる

農業の知識を使って富国強兵に努める鄧艾(トウ艾)

 

12歳か13歳くらいのとき、鄧艾は役所に召し出され役人となります。この若さで役人に呼ばれるくらいですから、周囲では相当なうわさとなった秀才だったと考えられますね。

 

実際、郭玄信と言われる謁者(えっしゃ)(取り次役)が鄧艾と同僚の石苞(せきほう)(のちに大司馬となる)らと仕事をした際、「あなた方はのちに九卿(きゅうけい)、宰相となるでしょう」と、言われています。鄧艾が配属されたのは典農(てんのう)部民という農業関係の部署でした。

 

 

吃音のため周囲に評価されず

 

若くして役所に入った鄧艾でしたが、そこでも吃音に悩まされることになります。吃音の症状としてスムーズに会話ができない、という事もありどうしても周囲に煙たがれてしまったのです。

 

屯田民だった若き鄧艾(トウ艾)

 

そのため、出世コースになかなか乗ることが出来ず、貧しい暮らしをしていました。しかし役所の仕事をコツコツとこなす中で苦学をし、少しづつ昇進をしていきました。そんななかであるエピソードがあります。同じ役人をしていた者の父が、鄧艾の貧しさに同情し、手厚い援助を行ったそうです。しかし、鄧艾は全くお礼を言わなかったと言います。あまり周囲に評価されていなかったため、疑心暗鬼になっていたのかもしれませんね。後年、汝南太守となった鄧艾はその援助してくれた人を祭り、その妻子も優遇したと言います。きちんと恩に報いたのですね。

 

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みうらひろし

みうらひろし

歴史が好きになったきっかけはテレビの再放送で観た人形劇の三国志でした。そこから歴史、時代小説にはまり現在に至ります。日本史ももちろん好きですよ。推しの小説家は伊東潤さんと北方謙三さん。 好きな歴史人物: 呂蒙、鄧艾、長宗我部盛親 何か一言: 中国で三国志グッツを買おうとしたら「これは日本人しか買わないよ!」と(日本語で)言われたのが思い出です。

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