こちらは2ページ目になります。1ページ目から読む場合は、以下の緑ボタンからお願いします。
勇ましい姿の関羽像
前述した巨大な関羽像は大きさのせいか座っているものばかりですが、もう少しサイズダウンしたものは、関羽の勇ましさが伝わるカッコいいものもあります。
その一つが桃園国際空港から比較的近い場所にある明倫三聖宮。ここには屋外に青龍偃月刀を携えた関羽像があります。石像なので派手さはありませんが、台座部分を含めると高さは14mにも達するので存在感は抜群。さらに敷地内には長さ9m、重さ600kgにもなる銅製の青龍偃月刀が飾られているので、こちらも一緒に見ると、よりその迫力が伝わってくるでしょう。
他にも苗栗にある大湖南昌宮と玉清宮には青龍偃月刀を手に馬を駆る姿の関羽像があります。もともと苗栗は農業が盛んな地域で、開墾が順調に進み地域が発展するようにという願いを込めて関羽を祀ったそうです。
馬に乗った勇ましい関羽像も、開拓(切り拓く)という意味合いで建てられたのかもしれません。
関連記事:関羽は本当に忠義の士だったの?三国志のタブーに挑む!
木を一本丸ごと使った関羽像
台湾南部の雲林にある斗六南聖宮には高さ3.6mに及ぶご本尊が安置されています。この神像は重さが400kgもあり、もともとは一本のクスノキを彫刻して作られたと言います。
これだけでも十分に驚きですが、そのストーリーも非常に面白いです。この神像は1976年に雲林近隣の海域を漂流していたところを漁師が発見しました。回収された後は半年ほど付近の漁村に祀られますが、後に古物商に買われて台北に運ばれます。
しかし、なかなか買い手がつかず、新聞を使って購入者を募集したところ台北の南聖宮が手を上げました。そして清掃や飾り付けをした後に斗六の南聖宮で祀られることとなったのです。さらに専門家が調べた結果、この神像が作られたのは明代初頭、つまり500年以上の歴史を持っていることがわかりました。台湾ではここまで古いものは他にないので、非常に貴重な神像として祀られています。
関連記事:時空を超える関羽、琉球の民話に登場
関連記事:関羽はどうして赤ら顔設定なの?赤ら顔になったストーリーと意味を紹介
三国志ライターTKのひとりごと
筆者は何度も台湾の関帝廟に足を運んでいますが、「関平、周倉がいるな」「この関羽像は顔が赤くないな」くらいしか見ていませんでした。
お参りする際も自分のお願いごとに集中していて、ご本尊の関羽像をじっくり見るということはなかったのですが、こうした背景を知ると今までとは違った見方ができるようになります。ぜひ関帝廟へ参拝をする際はこうした関羽像の違いをチェックしてみてはいかがでしょうか。
関連記事:台湾には関帝廟が100個以上ある?台湾って三国志が人気なの?
関連記事:横浜関帝廟のご利益のでる参拝の仕方とは?パワースポットにも最適?