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この記事の目次
仙果
また中国では桃は不老長寿をもたらすもの、とも見られています。神話における崑崙山には西王母という女性の仙人がおり、この仙人が管理している桃は不老不死をもたらす桃とされていました。
これは孫悟空に出てくるお話で、主人公である孫悟空はこの桃を勝手に食べてしまったことでお釈迦様にお仕置きをされることになってしまうのです。
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縁起の良い桃
このように中国において桃は破邪の力だけでなく、神聖なものとされ、不老長寿のものとも見られてきました。そのため古くから縁起の良いものとされ、お祝いの際にも桃を形づくったお菓子、桃饅頭が良く食べられています。
そういう演義の……ではなく、縁起の良いこと、また桃の花の美しさと華やかさもあって、桃園の誓い、というものが生まれたのかもしれませんね。
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桃が全ての始まり
劉備が主人公である、もしくはメインとなる話では、もはやお約束とも言える桃園の誓い。三兄弟が誓いをするシーンは胸が熱くなりますね。
しかしこの誓いは、残念ながら実現されることはなく、三人は時期は一緒と言え、バラバラの日にその命を落とすことになりました。
ですがそれを知っていてもなお、否、知っているからこそ胸を打ちます。皆さんも桃の花に、そしてその花が結実して育った果実に、ぜひ桃園の誓いを見てみて下さい。
例え三国志演義の創作であろうと、あの場面はどこまでも三国志ファンの胸を打つものであると再確認できると思います。
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三国志ライター センのひとりごと
桃園の花が咲いた頃にはまだ結実していないので、桃の実はまだできていなかったことでしょう。ですが筆者は桃の果実の方が見る機会が多いので、それを見る度に桃園の誓いを思い起こします。
「桃園の誓いは正史の方にはない」と知ってショックを受けたこともありますが、それはそれとしてやはり桃園の誓いは別格の場面だと思います。
桃の花に、そして桃の果実に、あの日の桃園をぜひ、思い出しましょう……ちゃぷん。
参考文献:蜀書関羽伝
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