大人気春秋戦国時代漫画キングダム。
邯鄲包囲戦は、扈輒の本軍15万と右翼に振り向けられた趙軍9万の合計24万が、
いよいよ桓騎の本軍8万人に襲い掛かる形になりました。
兵力3倍という圧倒的に不利な状態で桓騎はどう戦うのか?
今回はランチェスターの法則を使って考えてみようと思います。
この記事の目次
キングダム雑学 ランチェスターの法則とは?
ランチェスターの法則とは戦闘による人員減少を示す数理モデルにもとづく法則で、
1914年、「フレデリック・ランチェスター」が著作で発表して有名になりました。
その後、軍事戦略がビジネスモデルに応用され、日本では「ランチェスター経営戦略」と呼ばれています。
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キングダム雑学 桓騎軍はランチェスター1次法則ではどうなる?
ランチェスターの法則は、一次法則と二次法則に分かれますが、この中で一次法則は、
大体力量が同程度の軍隊同士が衝突した場合の消耗の数理モデルを表します。
ただランチェスターの1次法則には以下の条件があります。
①どちらにも援軍が来ない
②戦場も障害物がない平地
③兵士が一対一で接近して戦う
④武器の性能に差がない
この条件を全てクリアした場合、ランチェスターの1次法則によれば
桓騎軍と扈輒&右翼軍の戦闘結果はこうなります。
A桓騎チーム80,000×10(武器)=800,000
B扈輒チーム240,000×10(武器)=2,400,000
800,000-2,400,000=1,600,000
このように、ランチェスターの1次法則に照らすと、あくまで武器の性能に差がなく、
近距離武器のみの場合ですが、扈輒軍は16万の兵力を残して勝利します。
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キングダム雑学「ビジネスマンはニヤリ!摩論のランチェスター法則」
実は、このランチェスターの1次法則を、桓騎軍の摩論は知っていました。
それは、キングダム676話で、「この程度の兵力差、いつでも跳ね返してきた」と
強気の発言をする雷土に対して、
「これまでは奇襲が通じる規模だったからで、今のような大軍では兵力の差が
そのまま勝敗に直結する」と反論していましたが、
これはそのまま、ランチェスターの1次法則の数理モデルを説明しているのです。
ランチェスターの法則はビジネスでも活用されますので、ビジネスマンの皆さんは
摩論の台詞を見て、ニヤリとしたかも知れませんね。
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キングダム雑学「さらに激しい壊滅もあり得る」
ただ、ランチェスターの1次法則は、接近戦で一対一という条件ですから扈輒軍が数を頼みに押してきて包囲戦に転じてしまうと、兵力差は3対1なので、さらに圧倒的に差がついて壊滅してしまう事になります。
現状は平地での激突であり、扈輒は大軍を活かして桓騎軍を包囲しようと考えるでしょう。
桓騎としては正面からぶつかっても危ないし、包囲されたら致命傷という危険な状態です。
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