キングダム雑学「桓騎の戦術をランチェスターの法則で読み解く」

2021年4月17日


 

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邯鄲包囲戦は、扈輒の本軍15万と右翼に振り向けられた趙軍9万の合計24万が、

いよいよ桓騎の本軍8万人に襲い掛かる形になりました。

兵力3倍という圧倒的に不利な状態で桓騎はどう戦うのか?

今回はランチェスターの法則を使って考えてみようと思います。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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キングダム雑学 ランチェスターの法則とは?

水滸伝って何? 書類や本

 

ランチェスターの法則とは戦闘による人員減少を示す数理モデルにもとづく法則で、

1914年、「フレデリック・ランチェスター」が著作で発表して有名になりました。

その後、軍事戦略がビジネスモデルに応用され、日本では「ランチェスター経営戦略」と呼ばれています。

 

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キングダム雑学 桓騎軍はランチェスター1次法則ではどうなる?

桓騎

 

ランチェスターの法則は、一次法則と二次法則に分かれますが、この中で一次法則は、

大体力量が同程度の軍隊同士が衝突した場合の消耗の数理モデルを表します。

 

ただランチェスターの1次法則には以下の条件があります。

 

①どちらにも援軍が来ない

②戦場も障害物がない平地

③兵士が一対一で接近して戦う

④武器の性能に差がない

 

この条件を全てクリアした場合、ランチェスターの1次法則によれば

桓騎軍と扈輒&右翼軍の戦闘結果はこうなります。

 

A桓騎チーム80,000×10(武器)=800,000

B扈輒チーム240,000×10(武器)=2,400,000

800,000-2,400,000=1,600,000

 

このように、ランチェスターの1次法則に照らすと、あくまで武器の性能に差がなく、

近距離武器のみの場合ですが、扈輒軍は16万の兵力を残して勝利します。

 

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キングダムネタバレ考察

 

キングダム雑学「ビジネスマンはニヤリ!摩論のランチェスター法則」

 

実は、このランチェスターの1次法則を、桓騎軍の摩論は知っていました。

それは、キングダム676話で、「この程度の兵力差、いつでも跳ね返してきた」と

強気の発言をする雷土に対して、

 

「これまでは奇襲が通じる規模だったからで、今のような大軍では兵力の差が

そのまま勝敗に直結する」と反論していましたが、

 

これはそのまま、ランチェスターの1次法則の数理モデルを説明しているのです。

ランチェスターの法則はビジネスでも活用されますので、ビジネスマンの皆さんは

摩論の台詞を見て、ニヤリとしたかも知れませんね。

 

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キングダム雑学「さらに激しい壊滅もあり得る」

敗北し倒れている兵士達a(モブ)

 

ただ、ランチェスターの1次法則は、接近戦で一対一という条件ですから扈輒軍が数を頼みに押してきて包囲戦に転じてしまうと、兵力差は3対1なので、さらに圧倒的に差がついて壊滅してしまう事になります。

 

現状は平地での激突であり、扈輒は大軍を活かして桓騎軍を包囲しようと考えるでしょう。

桓騎としては正面からぶつかっても危ないし、包囲されたら致命傷という危険な状態です。

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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