ルソーの社会契約論とは?民主主義の聖典は独裁の教科書でもあった!


 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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一般意志とは?

君主論

 

ルソーの一般意志とは、単純に多くの人が持っている願望ではありません。例えば異性にモテたいとか、大金持ちになりたい、永遠に若々しくいたいというのは、多くの人が持つ願望ですが、これは一般意志ではなく私欲であり、例え何百万人が持っていようが一般意志とは認められないのです。

 

では、一般意志とは何か?

 

ルソーによれば共同体の構成員が自分の私的な願望を抑えてでも、達成したいと考えるような、共同体全体の為に必要な行動を一般意志としています。

 

軍艦(明治時代)

 

例えば、共同体の将来の為に子供達に高い教育を施したいとか、共同体の繁栄の為に道路を整備したいとか、港湾を掘削して海外貿易を発展させるとか、不当に逮捕されない為に憲法を改正して法律の不備を直したいとか、このように自分の私利私欲を超えて、共同体全体の為になる考えをルソーは一般意志としています。

 

そしてルソーは共同体を愛し、同胞を愛する市民なら敢えて議論するまでもなく、誰もが一般意志を持ち、それは議論するまでもなく当然のように全体に受け入れられると書いています。

 

忙しい方にざっくり解答03 kawausoさん

 

最後の(くだり)はちょっと理想主義過ぎる気もしますが、ルソーの一般意志とは、こういう遠大なモノであると言う事が分かって頂けると幸いです。

 

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世界史ライターkawausoの独り言

朝まで三国志2017-77 kawauso

 

今回はルソーの社会契約論を解説してみました。

 

ルソーの慧眼(けいがん)は、人間が自分と自分の愛する者を守る為に争う事を見抜き、この不毛な闘争を回避する為に、社会契約の概念を産み出し、万民が万民の為に命と能力を捧げる事で共同体の中から戦争を無くそうと考えます。

 

この社会契約により、人民の一般意志を行使する強力な政府が誕生し、国内からは騒乱が消えますが逆に国外においては、国民皆兵により動員された大量の兵力と近代兵器が激突し、国民国家成立以前には、考えられないような甚大な被害が発生するようになりました。

 

また、市民が全体の利益を忘れ、党派ごとに分断し他派を排斥するようになると社会契約も破綻し、共同体は元の万民の万民に対する闘争に逆戻りするともルソーは説いています。

 

どんな思想も一長一短があるものなのですね。

 

参考文献:哲学の名著50冊が1冊でざっと学べる KADOKAWA

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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