皇帝と王って何が違うの?魏王は偉い?爵位授与とは?分かるとより楽しめる三国志雑学

2021年8月4日


 

皇帝の始まり

始皇帝(キングダム)

 

三国志よりももっと前の時代、(いん)(しゅう)の時代には王がいました。この時代には王こそが最高の役職でした。そこに現れたのが「始皇帝(しこうてい)」です。

 

始皇帝

 

(しん)の秦王・(せい)中原(ちゅうげん)を統一すると、秦王・政は自分を中国神話上の三人の神君・三皇(さんこう)と五人の聖君(せいくん)五帝(ごてい)を超える存在であるとして、新たな称号「皇帝(こうてい)」を名乗るようになったのです。これこそ始まりの皇帝、始皇帝です。この皇帝という名は以降でも用いられ、王という役職よりも皇帝の方が上である存在となったのですね。

 

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—熱き『キングダム』の原点がココに—

春秋戦国時代

 

王を封じる利点

献帝を保護する曹操

 

ここでもう一つ出てくる疑問点。例えば司馬炎が一族権力を高めるために王を封じた、任命したのは分かります。ではそれとは別に、例えば献帝が曹操を魏王に封じたりするのはただ他人に権力を与えてしまうだけで、メリットがないのでは?

 

曹操

 

やっぱり曹操ってわるいやつなんじゃ? まあ曹操を例にすると権力を持ち過ぎているので分かりにくいのですが、王を封じるというのは皇帝の権力を高めるために必要不可欠なのです。

 

王というのは皇帝の家臣であり、王の力、土地は全て皇帝のものです(形式上)。このためやたら王に封じることで(形式上の)属国を増やし、皇帝の権力を高めるという目的があったのです。ただし三国時代は皇帝の権力が失墜していたので、皇帝という名前を借りてはやりたい放題されていました。

 

司馬穎は司馬炎の十九番目の子

 

これを省みて天下統一した晋王朝は一族に権力集中するのですが……それがどんな結末を招いたかは、また別のお話。

 

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はじめての三国志連載特集

 

始まりの皇帝

万里の長城

 

最後に始皇帝のお話を。始皇帝は万里の長城(ばんりのちょうじょう)、宮殿、そして墓などをどんどん建設したことで有名です。この膨大な規模の建設工事は民衆にとって負担でした。

不老不死を目指す始皇帝

 

 

また始皇帝は色んな場所を巡遊し、行く先々では住人に様々な義務が課したことで民衆の不満はどんどん高まります。結果、始まる騒乱の時代。

 

劉邦と項羽

 

そして秦の時代は項羽(こうう)劉邦(りゅうほう)という二大英傑によって滅ぼされ、この劉邦によって漢の時代がやってきて、更に三国時代に続くこととなります。

 

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楚漢戦争

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

今回は皇帝、そして王について解説させて頂きました。面白いのは秦は二代で滅んだけれど、その後の漢はかなり長く続いたこと。

 

ポイント解説をするセン様

 

これはおそらく秦の時代にある程度の政策、インフラ設備などの「民衆が反感を抱くけれど国の下地として重要なこと」をやり遂げたからではないかと思います。その上でそれらの反感は前時代に押し付け、メリットだけを大きく享受できたからではないかと思うのです。

 

三国志を楽しく語るライターセン様

 

そう思うと皇帝や王という称号は前時代の遺物でもあり、その後、良く機能してきました。これもまた政治の歴史、そう思うとより感慨深いものがありますね。

 

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合肥侯擁立事件

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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