飛頭蛮とは?あの朱桓も怖かった?呉の武将たちに良く雇われた飛頭蛮

2021年8月28日


 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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創作じゃないの!?

于吉、孫策

 

ここで「于吉って架空人物じゃないの!?」と驚いた人もいることでしょう。実は陳寿(ちんじゅ)の書いた三国志には出てこないものの、裴松之(はいしょうし)の書いた注釈で「江表伝(こうひょうでん)」「志林」「捜神記」からの逸話が乗っており、そこに于吉の名が載せられているのです。

 

于吉、孫策

 

史料ごとに話はやや違いがあるものの、孫策に処刑されたのは一致しており、三国志演義ではこれを踏まえて于吉を描いたと思われます。ともあれ、怪異伝記の捜神記に于吉も飛頭蛮ものっているとなると何か深い繋がり……は特にはないとは思いますが、何だか面白くないですか?

 

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古代中国・超科学の世界に挑戦する HMR

HMR

 

 

飛頭蛮の小話

同年小録(書物・書類)

 

因みに飛頭蛮さんに関してもう少し。この飛頭蛮さん「南征に赴いた大将たちは度々落頭民を得ることがあった」とかとんでもないことが書かれています。

 

つまり呉の武将たちの間ではこの飛頭蛮さんを良く雇い入れたことがあったということ……ええ……?(困惑)更にいうとこの飛頭蛮の胴体に銅鑼(どら)を乗せてみた所、飛頭蛮の頭は胴体に戻れないまま死んでしまったとも言われる逸話があります。

 

ここで思いだして欲しいのが朱桓だけでなく苛烈な性格をした呉の武将たちのこと。度々仲間内で喧嘩して刃傷沙汰は珍しくもない彼ら。もしかして「やってしまったこと」を「飛頭蛮だった」としたのでは……?

 

そんなホラーよりもっとコワイお話を思いつきましたが、どうでしょうかね……?

 

 

こばなし『飛頭蛮の特徴』

ポイント解説をするセン様

 

更に更に、ちょっと筆者の疑問点を。飛頭蛮の特徴として、夜中に首が胴体から離れる。特に何か悪いことをしたわけではない。胴体に帰れなくされると死んでしまう。この特徴がありますね。

 

これ、どうして胴体から頭が離れてしまうんでしょうか?

そもそも頭が離れなければ死なないんじゃないでしょうか?

どうしてそんなに体から離れたがるのか?ちょっと羽を伸ばしたい年ごろなのか?

 

そんな疑問点に首を傾げる筆者でした。

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

今回はちょっとホラーな回でしたね。とは言え、各地の伝承によってはかなり怖いタイプの飛頭蛮もいるようです。こういった伝記もある日突然湧いて出たということはなく、何らかの意味が有ってのことでしょう。そして呉の飛頭蛮に関して生まれた意味を考えてみるとよりコワイ所に行きつきましたが……

 

センさんが三国志沼にドボン b

 

とにかく今日はこれにて!どぼん!

 

参考文献:呉書朱桓伝 呂蒙伝 捜神記

 

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両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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