その一方
そして政治腐敗、文学発展という一面の他にも、何晏には様々な一面があります。例えば大変なナルシストで常に白粉を塗り、鏡を携帯してはそれで自分の姿をみてうっとりしていたり、自分のことを神になぞらえていたりと、相当な自信家であったことが分かります。
また妻は曹操の娘である金郷公主ですが、実はこの公主、尹氏の娘で何晏とは異父兄妹だったという話もあり……また麻薬中毒者であったともされるという……別の一面と言うよりは多面体サイコロか?というような人物でもあったのです。
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何晏の面白さ
魏の時代の思想、文学を調べていると良く何晏の名を目にします。また司馬懿のクーデター、そしてその顛末にも何晏はオチのように出てきます。これが面白いのが、味方によって何晏のイメージが変わるということです。
それこそ書いた人物によっては学問に優れ、多才且つそれに見合った眉目秀麗な人物とするか、それとも腐敗した政治の象徴であり、最期は浅ましくも自分が助かりたいためにかつての仲間を売り渡す人物となるか……そんなまるで別の人物にも見られる何晏。
何晏はある意味、歴史上の人物としての面白さを体現した、そんな人物かもしれません。
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三国志ライター センのひとりごと
さてさて筆者の超個人的な意見だけを抽出すると、どうしても最期の最期で仲間を見捨てて助かろうとしたという一面が目に付き、やや不快さを感じる人物です。
しかしそうであっても、彼の遺したものは正に偉業、と言っても良い当時の文学に触れることができる数少ないもの。どちらも何晏の遺したものであり、中々素直に評価のし辛い人物ですね。でもそんな人物だからこそ語る楽しみがあるというもの、ぜひ皆さんの何晏イメージをお聞かせ下さい……ちゃぽん。
参考文献:魏書曹真伝にある何晏伝
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