三国志演義になると魏延は?
これが三国志演義になると、様々な伏線が巡らされます。そもそも魏延はかなり早くから劉備を慕っていた、劉備に降伏したら「こいつ頭が出っ張ってます!」と諸葛亮に言われて処刑されそうになる、何かある度に劉備が庇う。
それも劉備の生前のことで、劉備亡き後は「何かあったら殺しておくべき」と諸葛亮に酷使(南蛮編)されるけど命は狙われていると悲惨な有様。つまり見ていると「これは……割と裏切っても仕方ないのでは?」という描写が加えられているのです。
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【北伐の真実に迫る】
割と優遇措置?
諸葛亮が信頼して任せようとしているのに数々の問題行動を起こす、命令に従わない、山に登るなどを行っていれば魏延の反逆はただの反逆であり、もっと問題のある人物だとしか判断されなかったことでしょう。
しかしその最期の行動までに心身の理由を丁寧に描かれている分、個人的には魏延はまだ優遇措置を取られていると思います。この理由に、恐らく魏延が正史でも分かるように「劉備に対して忠義の人物」であったことが影響しているのではないかと思いました。事実、三国志演義は蜀、主に劉備と諸葛亮を主人公格として描いています。
そんな劉備に忠義を捧げた人物が、諸葛亮になった瞬間に離反するのはそれ相応の理由が必要……結果として、きちんと人物像が描かれているのだと思います。なので筆者的には三国志演義は魏延についてはまだ優しい扱いだと思うのですが、どうでしょうか?
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三国志ライター センのひとりごと
更に個人的なことを話しますと、最期まで丁寧に書かれている魏延よりも、もしかして馬良の方が扱いがよろしくないのでは?と思います。生き残った!歴史が変わった!と思わせてのあの死に様ですからね……羅漢中先生、もう少しどうにかできなかったのでしょうか?
と、色々申し上げましたが三国志演義と正史三国志の違い、変化はやはり面白いですね。今回は魏延について話してみましたが、他にも色々な武将たちに注目して見たいと思います!
どぼーん!
参考文献:蜀書魏延伝
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