一つの星
さてこの108星、それぞれ名前があり、生まれ変わった人物の名前があり、あだ名があり、果てに梁山泊に集まって席順を決めるのでとてもややこしいことになるのですが……その一人、宋江をご紹介します。
宋江は席次は第一位、星は天魁星、あだ名は呼保義。彼は梁山泊の棟梁であり、この水滸伝の主人公であり、三国志演義で言うなら劉備の立ち位置です。そして面白いことに、宋江は実在したのです。
実在した宋江
もちろん、実在した宋江が星の生まれ変わり、という訳ではありません。この宋江は宋の徽宗皇帝の時代、12世紀頃に反乱を起こしました。この反乱を起こしたのが梁山泊付近でのことで、この時の集団が36名だったと言われています。
この宋江の起こした反乱が講談となり、後の15世紀頃に36人が3倍の108人になり、現代の水滸伝が生まれたと言います。
三国志演義も三国志平話など、他多数の逸話がミックスされて生まれたものですので、水滸伝もまた、とある人物の話に様々な話が絡み合い、膨らませて、生まれた物語という訳ですね。だからこそ民衆に読み込まれた物語となったのかもしれません。
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三国志ライター センのひとりごと
水滸伝、三国志演義はあくまで小説であり、フィクションです。しかしそこには元ネタと言うべき実在の人物、出来事があり、それを色々な話で膨らませていって出来上がったのが、これらの物語です。
そしてそれは多くの人々に愛され、読まれてきました。どんなものでも、最初の1があるものだと思いますが、その綺羅星のような1を見つけてそしてそれが膨らまされ、多くの人々が読む話になったというのは……何とも言えない、ロマンを感じますね。
参考文献:宋史
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【中国を代表する物語「水滸伝」を分かりやすく解説】